BPOの最前線コラム

「高齢化の最新事情」とコールセンター

2016.10.13

  • 品質向上

毎年、敬老の日が近づくと、高齢化に関するさまざまな情報が発信されます。今年、総務省統計局から発表された「統計から見た我が国の高齢者(65歳以上)」によると、2016年9月18日時点で、日本の高齢化率は27.3%、そのうち女性の高齢化率は30.1%と初めて3割を超えました (*1)。
TMJでは2011年から本格的に「高齢者対応の取り組み」を始めていますが、当時の高齢化率は24.1%。着実に高齢化は進展していると感じています。

※高齢化率:総人口に占める65歳以上人口の割合
*1 総務省統計局ウェブサイト「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)-「敬老の日」にちなんで-」

高齢者とは何歳から? 4割以上の人が思う年齢は・・・

高齢者対応の取り組みを始めて以来、同テーマのセミナー・講演を社内外で行っていますが、よくご質問いただくのが、「高齢者とは何歳と捉えていますか?」という問いです。
一般的には「65歳以上」と定義されています。これは、国連の報告書(1956年)において65歳以上を高齢者として取り扱ったことがその由来といわれます (*2)。

しかし現実にはどうでしょうか?
10月4日に公表された「2016年度版 厚生労働白書」によると、高齢者だと思う年齢は「70歳以上」と答えた人が41%で最も多く、「65歳以上」が20%、「75歳以上」が16%となりました。また、年齢が上の人ほど「高齢者だと思う年齢」も高くなる傾向も見られました (*3)。
 
前述の報告書の定義と国民の意識にギャップが見られることがわかります。


*2 東京大学高齢社会総合研究機構『東大がつくった高齢社会の教科書』2013年
*3 厚生労働省政策統括官付政策評価官室委託「高齢社会に関する意識調査」2016年

複雑化する高齢者市場とコミュニケーション

高齢者というと、つい年齢で区切って考えがちです。しかし、その年齢でも異なる捉え方がされ、さらには、高齢者自身の意識やライフスタイルも年々変化しています。
「多様なミクロの集合体」と称されることもある通り、異なる人生・経験を重ねた高齢のお客様は、まさに「多様な価値観を持つ経験豊富な消費者」といえるのではないかと考えています。
 
一方で高齢者に共通する傾向も存在します。加齢による心理面・身体面の変化(衰え)の傾向は、個々の違いはあるものの、高齢者にほぼ共通していえる事実です。
電話によるコミュニケーションを行うコールセンター業務においては、特に「聴覚の衰え」による影響を受けやすくなっています。弊社内のセンタースタッフにアンケートを取ったところ、「大声で話してもなかなか話が通らない」「話が伝わりづらい」といった声が多く見られました。また、「同じ話を繰り返す、話が長く、脱線することがある」という傾向も見られています。
 

これからの高齢者対応は、
「経験豊富な消費者」に接するマインドと応対スキル

このように考えていくと、高齢者対応とは、「『加齢による変化(衰え)の傾向がある、多様な価値観を持つ経験豊富な消費者』であるお客様との円滑なコミュニケーション」と捉えることができるのではないでしょうか。
 
超高齢社会が進む日本では、今後ますます高齢のお客様からの入電は増え、高齢のお客様と接するマインド、加齢による変化に対応するスキルの必要性は、さらに高まっていくと考えています。
そして、なにより大切なことは、変化するお客様の状況や声に耳を傾け、お客様に合った対応をしていくことだろうと痛切に感じています。
 

竹内 冬樹

事業基盤本部 業務設計・開発支援部 部長

ダイレクトマーケティングの企画・設計コンサルティング業務を経て、2010年よりコンタクトセンターの品質管理・開発業務に従事。2011年、東京大学の産学ネットワーク「ジェロントロジー」へのTMJ参画に際し、超高齢社会におけるコンタクトセンターのあり方に関する研究開発を開始。高齢者の「聞こえ方」「伝え方・伝わり方」「応対者の評価・育成」などの品質向上に取り組んでいる。現在、科学的高齢者対応をキーワードに、高齢者対応にかかるコンタクトセンター応対改善支援などを数多く行うほか、同テーマでの執筆・講演・セミナー活動に精力的に取り組んでいる。

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