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専門家コラム


初回投稿日 : 2017/01/16

「高齢者が働ける場へ」 就業機会の創出とコールセンター

高齢者の定義、75歳以上に引き上げを提言

高齢者層の雇用者数は年々増加している

年明けの1月5日、日本老年学会と日本老年医学会から、高齢者の定義を「75歳以上」に引き上げるべきとする提言がなされました。近年、医療の進歩や健康意識の高まりにより、現在の高齢者は10~20年前に比べて5~10歳若返った状態にあり、心身が健康な高年齢者が増えたことが背景にあるようです。
また、昨年から話題となっている書籍『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』*では、現在の高齢化が続くことを前提として、人生100年時代の可能性とワークスタイルの変革について語られるなど、定年後を見据えた生き方・働き方のテーマが提起されています。

実際に日常生活を振り返ると、コンビニやファーストフード店などで、さまざまな高齢の方が、元気に明るく働いている姿を目にする機会も増えているのではないでしょうか。総務省「労働力調査」によると、65歳以上の雇用者数は年々増え続けています。(グラフ参照)

* 『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著、池村千秋訳 東洋経済新報社)

高齢者をとらえるもう一つの側面 ~就労者としての高齢者人材

TMJでは、「超高齢社会におけるコンタクトセンターのあり方」に関し、2011年から研究開発を始めています。このあり方には、2つの側面があります。

1つは、「お客様としての高齢者」です。
コンタクトチャネルが多様になるほど、コールセンターへの入電は、高齢のお客様である割合が高まっていきます。TMJでは、高齢のお客様に対する応対方法・人材育成・品質管理方法など、高齢者対応に関するさまざまな取り組みを行っています。

もう1つの側面は、「就労者としての高齢者」です。
社会一般的には高齢者といわれる年代だとしても、まだまだ元気でアクティブな方は多いと思います。定年退職を迎えた方、子育てが一段落した主婦層の方など、セカンドライフを充実させたい方に活躍いただけるための取り組みも行ってきました。その方がコールセンターという就労の場に合っているかどうかを独自の基準で判定する「採用方法」、業務習得を支える「研修・育成手法」、そしてなにより、受け入れ側であるコールセンターの管理者側への意識・知識の浸透のため、研修開発も実施しています。
この取り組みの一環として、TMJが運営するコンタクトセンターにおいても、既にシニア層の方々に働いていただいています。非常にまじめで、学習意欲も高い、そうした人材の傾向があるのではないかと思います。

こうした取り組みの基本となるのは、これまで先行して取り組んできた、高齢のお客様との対応(=高齢者対応の知見・ノウハウ)です。高齢者対応の基本は、「“加齢による変化”を理解したコミュニケーションの取り方」です。この知見を、就労者である高齢者人材とのコミュニケーションに活かす。「就労者としての高齢者」のあり方の研究では、こうした取り組みを進めてきています。

変化する社会を踏まえたコンタクトセンターのあり方の研究・実現、そしてその先にある一億総活躍社会の実現へ。一つひとつ着実に取り組んでいきたいと考えています。

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執筆者紹介

竹内 冬樹
株式会社TMJ 事業推進本部
テーマ:品質向上、高齢者対応
ダイレクトマーケティングの企画・設計コンサルティング業務を経て、2010年よりコンタクトセンターの品質管理・開発業務に従事。2011年、東京大学の産学ネットワーク「ジェロントロジー」へのTMJ参画に際し、超高齢社会におけるコンタクトセンターのあり方に関する研究開発を開始。高齢者の「聞こえ方」「伝え方・伝わり方」「応対者の評価・育成」などの品質向上に取り組んでいる。現在、科学的高齢者対応をキーワードに、高齢者対応にかかるコンタクトセンター応対改善支援などを数多く行うほか、同テーマでの執筆・講演・セミナー活動に精力的に取り組んでいる。

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