顧客が「なぜ満足したのか」 「そして、どう行動するのか」を明らかにする「日本版CSI」
~ 業界の垣根を越えて自社の顧客満足度を知る日本版CSI ~
2007年6月、欧米企業と比べて生産性が低いと言われている日本のサービス産業の生産性を向上させるため、経済産業省の支援の下で「日本版顧客満足度指数開発委員会」が発足し、米国版CSIを原型とした日本版CSIが開発されました。
日本版CSIでは、顧客が商品・サービスを購入・利用するときに共通する「心の動き」をモデル化し、顧客満足に関わる心理的な構造の全体を把握していきます。また、各業界ともほぼ同一の質問形式によって調査することで、業界横断的に比較・検討することを可能としています。
日本版CSIでは、サービスの利用前から利用後までの全体を調査・分析します。
商品・サービスを購入・利用した顧客は、どこを評価しているのでしょうか?商品の良さ、感じの良いサービス、あるいはコストパフォーマンスの良さでしょうか。満足した結果を顧客が積極的に周囲に伝える業界もあれば、顧客満足がそのまま次の利用に結びつかない業界もあります。日本版CSIでは業界ごとの顧客が重視する点や評価のポイントが抽出されます。

■ 調査結果から得られた各業界の状況
「ロイヤルティ」が高く、「クチコミ」が低いところが特徴です。あえて他者に伝えることはないけれど、自分は使い続けるという「会員型サービス」ならではのパターンが見られました。
顧客満足度への影響度は、「知覚品質」からよりも「知覚価値」からのほうが大きいという結果が出ています。しかし、業界としては、価格の納得感が低いため「顧客満足」が高まっていない点が課題と言えます。
業界の顧客満足が十分に高められていない理由は、他のサービス業と比べて「知覚価値」が低い結果となっているからだと思われます。また、「クチコミ」や「ロイヤルティ」が高くないことも課題と言えます。
「知覚品質」から「知覚価値」への影響が強く出ているところが特徴。店員の対応や提供される商品・サービスなどの品質内容と、支払う金額の見合いが密接に関係しています。
ブランドイメージを含んだ「顧客期待」と「知覚価値」の間の影響が、他の業界より大きく、「ここなら、これくらいの価格で購入できる」という値頃感を事前に提供することで「知覚価値」が上がり、満足度も上げていくことができます。
「顧客期待」から「知覚品質」への影響が他業種と比べて低いことが特徴です。自分自身が利用しているサービスではないため、入会・入塾などをした時の意識・評価とお子様の利用している状況などを対比して比べていると思われます。
*平成21年度日本版CSI調査結果発表より。詳細はサービス産業生産性協議会HPにて掲載されています。 http://www.service-js.jp/
日本版CSIの因果モデルとコンタクトセンターの関わり
日本版CSIでモデル化、指数化される要因の一つひとつに、コンタクトセンターが貢献できる要素があります。商品・サービスにより貢献の方法は異なりますが、ほぼ全ての業界においてCSに何らかの役割を果たすことができます。
■ コンタクトセンターとの関わりの一例
| 顧客期待 | : | 商品・サービスが顧客の期待に応えることができる品質管理の仕組み |
|---|---|---|
| 知覚品質 | : | 顧客の要望に応え、安心して利用できるセンター設計・構築・運営 |
| 知覚価値 | : | 商品・サービスにお得感、納得感を与える対応ができる人材の育成 |
| クチコミ | : | 窓口にて得た“感動”“安心”“信頼”という経験を他者に伝播させるセンター運営・人材の育成 |
| ロイヤルティ | : | 顧客との継続的な対話の中から「本当の要望」を引き出し、高いCSを実現するセンター運営 |
今回ご紹介した「日本版CSI」における調査のように、顧客満足を的確に把握するためには、多角的な視点を持つ必要があります。サービス・商品を提供する前・提供中・提供後という時間軸の視点での調査、あるいはお客様・自社・競合といった立場の異なる視点での調査など、目的や課題に応じたさまざまな調査手法があります。顧客の期待がどこにあるのか把握し、いかにCS向上に結び付けていけるかがポイントとなります。

- 顧客が「なぜ満足したのか」「そして、どう行動するのか」を明らかにする「日本版CSI」















