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【開催レポート】TMJビジネス交流会(2016年5月開催)
コンタクトセンター起点で顧客をファン化させるには
~エンゲージメントを高めるセンター改革の軌跡~

 去る5月20日、東京・TMJ本社(住友不動産西新宿ビル20F)にて、コンタクトセンター/バックオフィスの運営・企画管理に携わる皆様にご参加いただき、「共に成長し、共に高める」を目的としたビジネス交流会を開催しました。
「4つの視点で考える 経営貢献できるコンタクトセンター(以下、CC)のあり方を考える」を通年コンセプトとして、全3回の開催を予定しています。第1回目となる今回は「顧客視点で考える」をテーマに、株式会社メディプラス(以下、メディプラス)CS部/部長 渡辺 大介氏、株式会社ツムグ・ブラザーズ ストラテジックプランナー 春木 完堂氏による講演と、TMJ 競争力開発部 Client Value推進室 室長 川野 克俊をモデレータに加え、パネルディスカッションを行いました。メディプラスにて実践された、コンタクトセンター発の新しい顧客接点「エンゲージメント・ラボ」の事例紹介と、その取り組みから見えてきた、ブランド構築におけるCC寄与のあり方などが話し合われました。
 

エンゲージメントを高める起点となるコンタクトセンター運営のポイントとは・・・

はじめに

 まず、TMJ 営業本部 営業支援部 泉 重年より通年コンセプトである「4つの視点」について説明がされました。CCが経営貢献する指標として、バランスト・スコアカードのフレームを用いた4つの視点「財務の視点」「顧客の視点」「プロセスの視点」「組織・成長の視点」で、経営貢献に寄与するアウトプットと打ち手を、参加者と共に考察することを目的としています。様々な視点から“あり方”を考察することにより、全3回を通じてCCのビジョン/中期計画に昇華することを目的としており、今回はその第1回として「『顧客の視点』で考える」をテーマに据えると述べました。
※バランスト・スコアカード(BSC)/ ロバート・S・キャプラン(ハーバード・ビジネス・スクール教授)とデビッド・ノートン(コンサルタント会社社長)が1992年に「Harvard Business Review」誌上に発表した業績評価システム。

第一部

 事例講演は「『エンゲージメント・ラボ(以下、エンラボ)』という挑戦」と題し、まずメディプラス渡辺氏にご登壇いただき、取り組みの背景と、同社におけるCCの役割、取り組みの内容について、具体的に紹介されました。
この取り組みを開始した背景を、メディプラスの急激な売上成長後、売上が横ばいになったことがきっかけであると説明。ブランディング再構築のために「顧客接点経営への転換」「広告・商品・ブランドの一貫性」の2つを打ち手に改革を始められました。
 初めに顧客と自社の間にある品質のギャップを正しく認識するため、「誰を、どうしたいか」の観点で様々な調査を実施。ネット・プロモーター・スコア(以下、NPS)やJCSI(日本版顧客満足度指数)などを用い、全体的な傾向を掴みました。しかし、顧客全体の傾向からは具体的な打ち手までは落ちてこず、「“森”を見てわからないなら、“木”を見る」と視点を変えて調査することを決めました。顧客(森)→個客(木)を観察し、個客への打ち手の仮説立案・実行、成功事例のメソッド化を迅速に行う組織として、少人数で構成するCCチーム・エンラボが誕生しました。エンラボで導き出した顧客接点の仮指標を基に、通常のCCと相違点を計測する、顧客との対話フローを構造化するなどの施策が推進されました。
 その結果、応対評価において「応対後の商品イメージ」「オペレータの雰囲気」などがエンラボメンバー以外と比較してポジティブ変化された傾向が見られ、顧客からのイメージアップに貢献。さらに従業員満足度(以下、ES)調査では「顧客の顔が浮かんでいる」「自社や商品を、家族や友人に話したくなる」などの指標でスコアが上昇し、自信や喜びを持って商品を推奨できる環境づくりにも寄与していました。取り組みのまとめとして「試行検証のスピード」「個客を知るアプローチ」「波紋はオペレータから」の3点を挙げられました。

 続いて、メディプラスのブランド再構築に携わられている春木氏より「ブランドの視点から見たCC」についてご講演いただきました。
「人間は、自分以外の人の気持ちを知ることは、生半可ではできない」とした上で、ブランド作りには顧客の生の声/実態を知ることが最も重要なことの1つであると明言されました。CCは顧客と直接対話し、期待に応えるための経験を蓄積し活用している部署であることから、ブランド作りをしている仕事だと力説されました。例えば、顧客ペルソナ作りに顧客と対話するオペレータの声が大きく役立つことや、商品への愛着を知るユニークな指標として「商品を『擬人化』しているか」を例に出し、顧客エンゲージメントを測定する指標として活用でき、CCでは対話から把握することが可能であること、など具体的な活用例が紹介されました。

  • 株式会社メディプラス 渡辺 大介 氏
  • 株式会社ツムグ・ブラザーズ 春木 完堂 氏

第二部

 講演後のパルディスカッションでは、エンラボの取り組みをモデレータの川野が深堀りしました。
まず川野からは、「顧客→個客の把握」の実際の取り組み内容を渡辺氏に質問。当日会場で傍聴していたエンラボのメンバーを紹介すると共に、対話のテキスト化や対話フローの描画化など、活動の詳細をご紹介いただきました。

 次に「経営貢献のあり方」について、渡辺氏からエンラボ企画当初の目的について「ESが向上すれば顧客満足(以下、CS)が向上し、CSが向上すれば顧客ロイヤリティが向上し、必然的にNPSが向上することで、売上が上がることを想定し、経営に貢献することであった」と説明されました。その過程で「個客を知る活動を通じてスタッフの意識が変わり、取り組む姿勢が目に見えて変わってきたのは、大きい気づきだった」と副次的効果があったことを披露いただきました。また、春木氏からは「経営指標として、コストパフォーマンスや獲得件数など会社として決まった指標に加え、顧客との対話でわかることを指標化することで、ブランディング貢献などを測ることもできるのでは」とCCの経営貢献を図る方法をご提案いただきました。

 続いて「CCの展望」のテーマでは、春木氏から、組織の固定概念に縛られず、果たすべき役割や目的を考え、行動するために、有効だと思われる事例として“名は体を表す”を実践した研修を紹介いただきました。「CCにおける部署・役職名を変えることで、意識や言動が変わり、CC内の組織やオペレータが企業やサービスの顔として、自発的に考え判断するような変化を生める可能性がある」と展望を話されました。渡辺氏からも「メディプラスでは顧客と商品を繋ぐ想いを込めて、顧客エンゲージメントを船に例え、CCを“ブリッジ(船橋)”、オペレータを“メイト(船員)”と呼び、自分たちの役割を意識するようにしている」と実際に取り組まれている事例を説明いただきました。会場の参加者は、春木氏・渡辺氏の考えに、大きくうなずく姿が見られました。
最後に渡辺氏より「CCは自社とお客様とを繋ぐ存在である」こと、「それを担うオペレータは自社の代表であるだけでなく、お客様の代表でもある。その意識でオペレータと接し、CCを活用することでお客様との関係性も変化する」と講演の総括があり、パネルディスカッションは終了。会場内では多くの方が共感されている様子でした。

第三部

 少人数のグループに分かれ、ワークショップを実施しました。各グループにTMJ営業本部よりファシリテーターが付き、「自社サービス/商品と、顧客期待のギャップは何か」「ギャップに対してCCで出来ることは何か」という2つの設問について、グループでディスカッションし、活発な意見交換が行われました。

参加者の声

「CCは会社の代表であり、お客様の代表であるという考え方に強く納得しました」
「エンラボのオペレータさんも会に参加してくださっており、身近な問題として考えることが出来ました」
「新しい取り組みを伺うことができ、自分の思考が硬くなっていると感じました」
「コールセンターに集まるお客様の声を、経営にどうやって生かすかという観点で、勉強になりました」
「参加者同士、それぞれ悩みの観点が違い勉強になりました。ありがとうございました」
 

プログラム

2016年度 TMJビジネス交流会

4つの視点で考える経営貢献できる コンタクトセンターのあり方【第1回】

『コンタクトセンター起点で顧客をファン化させるには

~エンゲージメントを高めるセンター改革の軌跡~』

 

1. はじめに

2. 講演・パネルディスカッション

3. 交流ワークショップ

4. 懇親会

  株式会社メディプラス CS部部長 ビジョンアーキテクト 渡辺 大介 氏
  株式会社ツムグ・ブラザーズ ストラテジックプランナー 春木 完堂 氏
  株式会社TMJ 競争力開発部 Client Value推進室 室長 川野 克俊
 

概要

開催日時

東京 2016年5月20日(金)15:00~19:00
※大阪は同月18日、名古屋は同月19日に開催