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カンファレンス

金融機関におけるデジタルトランスフォーメーションの落とし穴、その回避ポイント

EXECUTIVE CONFERENCE
開催日時
2019年10月17日 (木) 14:00 〜 15:50 (13:30 開場)
会場
株式会社セミナーインフォ内 カンファレンスルーム

昨今の金融機関では、顧客接点においては支店スタッフの応対やデジタル接点が強化され、また、事務領域においては、定型事務削減、お客さま目線での業務見直しにおける効率化が進んでいます。

そこで今回のEXECUTIVE CONFERENCEでは、金融機関のデジタルトランスフォーメーションをテーマに、株式会社みずほフィナンシャルグループ デジタルイノベーション部 デジタルストラテジスト 田村吉章様に「みずほ銀行が取り組むAIを使った口座振替依頼書登録の自動化」について、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社 福地史朗様に「RPA導入の効果と課題」についてご講演いただきました。また、TMJからは業務単位、プロセス単位、企業・部門間重複業務の切り出しなどBPOの活用方法を事例と合わせて紹介しました。ここでは講演の内容の一部をご紹介いたします。

講演1「みずほ銀行が取り組むAIを使った口振依頼書登録の自動化」

株式会社みずほフィナンシャルグループ
デジタルイノベーション部
デジタルストラテジスト 田村 吉章 氏

銀行の枠にとらわれず自由な発想でビジネスモデルを創造するBlue Lab

みずほフィナンシャルグループでは、2017年4月より①抜本的なビジネスモデルの改革、②店舗改革・業務プロセス改革、③デジタルイノベーションを支えるIT基盤の強化を柱に据え、デジタルイノベーションに取り組んでいます。
銀行特有のリスク回避的な心理特性から脱却し、柔軟な発想で新しいビジネスモデルを創造していくことを目指す、株式会社Blue Labを設立しました。Blue Labは銀行法の枠を超えて、業界を問わず新たなビジネスモデル創造することができます。

各行共通の課題である「口座振替依頼書」の入力自動化に挑戦

公共料金の引き落としやクレジットカードの引き落としでご提出いただく口座振替依頼書は、口座振替の委託元となる全国の事業会社がそれぞれにフォームを作成するため、大きさ、向き、記入場所、記入項目などがバラバラです。みずほ銀行には多い日には1日に3万枚もの口座振替依頼書が集まります。こうした非定型、かつ手書きの帳票は自動処理が難しく、データ入力作業に多くの人手がかかっているのが実情です。これは各行に共通する課題でもあります。

われわれは、この領域の自動化を目指し、AI(人口知能)、OCR(光学的文字認識)、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を組み合わせたプロダクト「The AOR」を開発しました。
「The AOR」の流れをご説明します。

< The AOR の流れ>

まず、スキャンされた口座振替申込書からAIが必要な顧客情報が入力されている位置を特定します。
次に、OCRでAIが特定した位置に記入されている手書き文字を読み取りテキスト化します。
最後に、OCRの読み取り結果に誤りがないか、銀行が保有する顧客情報と突合し、合致率が一定以上であれば正解データとしてシステムに自動登録します。

最終工程である突合の結果、合致率が低い場合は従来と同じように人の手で登録していきます。
現在、持ち込まれる帳票の8割以上を自動処理で登録できるところまでできています。

「The AOR」のビジネス化は、少子化問題への貢献も期待できる

「The AOR」のビジネス化が可能になれば、口座振替依頼書を手入力する労力を削減することが可能です。現在、われわれはBPOセンターを作り、複数の銀行から口座振替依頼書の入力業務を受託するBPOセンター構想を固めているところです。これが実現すれば、口座振替依頼書に要している事務コストを大幅に削減することができるとともに、少子化による人材不足にも対応できるのではないかと考えています。

講演2「TMJのBPOサービスの紹介」

株式会社TMJ
営業統括本部 営業本部 第2営業部 営業2課
麻木 良崇

BPOサービスを利用する際の業務の切り出し方

TMJのBPOサービスは、オンサイト型とオフサイト型に大別することができます。オンサイト型では、クライアントの事務センターでTMJのスタッフが業務を行います。例えば、データベースの持ち出しができない場合にはオンサイト型となります。これに対して、オフサイト型はTMJのBPOセンターでクライアント業務を行います。

BPOサービスを利用する際に、まずポイントとなるのは、どの業務をアウトソーシングするかということです。業務の切り出し方は3つあります。
ひとつ目は、ノンコア業務を切り出して実施する「業務単位型BPO」。2つ目は、部門にまたがる業務をプロセスで切り出す「プロセス切り出し型BPO」。3つ目は、重複している業務を整理して集約して切り出す「重複業務集約型BPO」です。

BPOサービス3タイプの導入事例

<業務単位型BPO>

住設メーカー様では、ショールームへ来場したお客さまへの見積書作成と図面制作をアウトソーシングしています。これにより、営業スタッフが来場客に対応する時間を増やすことができました。

<プロセス切り出し型BPO>

人材派遣会社様では、営業担当者が営業先のニーズから進捗状況など一連の情報を登録するプロセスをアウトソーシングしています。これにより、営業担当者のデスクワークが軽減され、1日当たりの訪問件数が増加しました。

<重複業務集約型BPO>

教育・介護事業会社様では、20を超えるグループ会社の人事・総務に重複している業務を切り出し、集約してアウトソーシングしています。これにより、人事・総務のスリム化を実現しています。

RPAやAIを用いた最新の取り組みを動画でご紹介

TMJではPRAを用いた業務の効率化など、現在、「RPAサービス」「AIテキスト分類サービス」「文書管理BPOサービス」「音声感情解析コールセンターAI」など業務の自動化を推進するサービスを提供しています。

RPAサービス紹介動画(02:24)

文書管理BPOサービス紹介動画(01:44)

AIテキスト分類サービス紹介動画(01:11)

感情解析コールセンターAI紹介動画(02:04)

講演3「事例からみるRPA導入による効果と課題」

EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社
福地 史朗 氏

国内企業の3社に1社が導入済みで現場での効果が出ているRPA

EYアドバイザリー・アンド・コンサルティングでは、お客さまのRPA導入を支援しているほか、自社でもRPAによる業務の自動化を図っています。
企業を取り巻く環境は刻々と変化しており、2019年1月に発表されたMM総研の調査によると、国内企業の3社の1社がRPAを導入しています。そして金融においては4社に2社が既に導入済みであります。導入後の満足度については、6割が満足しているという調査結果が出ています。
実際に、人が関わる工数が減ったこと、つまり個人レベルで楽になったという声をよく聞きます。このことから、現場での効果は上がっていますが、全社的な展開はこれからであると見ています。

事例からRPA導入による効果と課題を紐解く

<事例A企業>

A社は従業員数百人の中堅企業です。
年間の売り上げは継続的に拡大しているのですが、従業員は増えせられないという状況の中、勤務時間が増え従業員の負担が大きくなっていました。こうした中、トップダウンでRPAを導入しました。あらゆる部門から人材を集めてプロジェクトチームを結成し、RPAを研究して導入しています。
実際の開発では、われわれが開発するケースと、お客さまが内製化するケースに分かれます。1カ月ほどの研修で内製化することは可能です。
こちらの企業では、若手の事務職が足元業務を、難易度が高い業務プロセスは弊社スタッフがロボット化していきました。
RPAの導入により、自動化できたことはもちろんですが、業務を俯瞰することができたため、さまざまな気づきを得ることができました。各組織間のコミュニケーションの改善点など、小さなことですが非効率的な事柄をいくつも改善しました。
RPA導入後、内製化スタッフに業務改革を推進する職位を作り人材を選抜しました。これにより現場のモチベーションが非常に高まりましたが、その継続には本来業務にかかわる時間が減ってしまうことを理解したマネジメント層の存在が不可欠です。

<事例B企業>

B社では、コーポレート部門へボトムアップによるRPA導入を推進しています。
複数名がトレーニングを受け1年半で数十台のロボットを作り、自動化は順調に進みました。この企業では、複数部門のRPAを現場主導で導入し、全社的に取り組むためのガイドライン作成も支援しております。
現場での自動化は順調に進んでいますが、全社的に見るとまだ自動化余地はあるとわれわれは見ています。RPAを導入したあとで業務改革プロジェクトがスタートする機会が非常に多いと感じます。より自動化を進める場合、アナログデータの存在や既存のビジネスルールが組織をまたいだ展開を妨げるからです。より高い業務のデジタル化を目指して、組織横断の業務改革のニーズは高まっています。

<事例C企業>

C社の場合、トップダウンでRPAを推進しました。
自動化領域をリクエストベースで現場の方々にヒアリングしたところ、出てくるのは現場目線の業務が多く、足元の業務ではROIが成り立たないため、業務のエンドトゥエンドで自動化業務アセスメントを改めて実施しています。
現在は計画通りに自動化が進んでおり、数百代のロボットが動いています。ただ投資に対する効果を出すために、開発コストの削減を余儀なくされベンダー体制の見直しが始まっています。
われわれはお客さまにRPAの導入には3つの得があると話しており、1つ目は従業員の得。2つ目は会社の得。3つ目はお客さまの得です。しかし、3つ目のお客さまの得が定量的に測りづらく、開発コストを削るという決断がなされました。RPAの導入に当たっては、導入前に目標をしっかり決めることが重要であると考えています。

参加者の声

●具体的な事例に基づいており、今後のイメージが持てました。
●AI活用のプロセス、対象がよく理解できました。
●OCDの読み取りをDBのデータで補うという点が参考になりました。
●なかなか聞くことのできないRPAの導入後の評価を聞くことができ、参考になりました。
●AI、OCR、RPAを組み合わせた事例が参考になりました。

プログラム内容

講演1

みずほ銀行が取り組むAIを使った口振依頼書登録の自動化

株式会社みずほフィナンシャルグループ
デジタルイノベーション部 デジタルストラテジスト 田村 吉章 氏
講演2

TMJのBPOサービスの紹介

株式会社TMJ
営業統括本部 営業本部 第2営業部 営業2課 麻木 良崇
講演3

事例からみるRPA導入による効果と課題

EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社 
福地 史朗 氏

開催概要

開催日時 2019年10月17日 (木) 14:00 〜 15:50 (13:30 開場)
参加費 無料
定員 60名
主催 株式会社TMJ
株式会社セミナーインフォ

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