障害者採用

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障害当事者の社員は、TMJの職場をどのように感じているのでしょうか?
当事者とサポート担当の社員二人が、当事者の入社から現在までを振り返りながら語ります。
気になるサポート体制や日常の様子、そしてTMJの配慮に対する姿勢や考え方をご覧ください。

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人材本部総務部総務課

小梅 里恵

視覚障害。札幌のコンタクトセンターで、 新人オペレータのデビューチェックやオ ペレータの品質評価を担当。

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人材本部総務部総務課

大和 綾子

小梅さんの各種サポートを担当。国家資格「社会福祉士」を保有。

大和

小梅さんは視覚に障害があるとのことですが、コンタクトセンターのお仕事を始めたのはどういうきっかけだったのでしょうか?

小梅

私は子どもの頃から網膜色素変性症 (※) を患っていたものの、高校までは視力を保っていたので、卒業後は販売の仕事に就きました。そのあと視力がどんどん低下し、販売の仕事をすることが難しくなったため、NPOの就労移行支援でPCを学び始めました。30歳で初めてPCを触ったんです(笑)。
その後2カ月ほどかけてMicrosoftRのOfficeを習得し、他社のコンタクトセンターに就業することになりました。

大和

TMJ入社時にはすでにある程度のスキルを習得していた状態だったんですね。

小梅

そうですね。以前のコンタクトセンターでは7年間勤務し、現在と同じように応対品質に関する仕事を担当していました。ただ、会社の事情で私のフォローをすることが難しくなり、そこで就労移行支援に相談したところ、TMJを紹介してもらい、無事入社することができました。

大和

私は小梅さんの働く環境を整えるサポート担当として、事前に障害の内容や業務上できること・できないことを知らされていたのですが、実際に会ってみるとコミュニケーションに長けていて、拍子抜けするぐらい私たちと変わらない(笑)。むしろ経験者らしい意欲的な姿勢に圧倒されたほどです。仕事をする上で多少工夫が必要な面もありますが、仕事も圧倒的に早いし、品質評価における判断も的確で、今では助けてもらいっぱなしです。

小梅

高評価をいただき、うれしいです。

大和

でも、経験があるとはいえ新しい環境に飛び込むことは勇気も必要だったのでは?

小梅

確かにある程度は。でも、長年の経験を無駄にはしたくなかったですし、TMJでまたスキルを活かせることがうれしかったんです。そしてもっとスキルも磨いていきたいと思っていましたので、勇気というより意気込みのほうが強かったですね(笑)

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網膜色素変性症:網膜に異常が起こり、暗いところでものが見えにくい夜盲(やもう)や、視野が狭くなる視野狭窄、視力低下などが見られる遺伝性の病気。日本では数千人に1人の割合で発病している。

大和

実際TMJに入社してみて、経験が活きていると実感していますか?

小梅

もちろんです!それに加えて、週報や振り返り面談などで定期的にタスクや悩みを共有できることにとても安心感があります。気軽に相談できる相手がいたり、業務の連携方法が確立されていたりという点はかつてのどの職場にもなかった環境です。

大和

それは本当に良かった。小梅さんが作成してくださる毎週の報告は、センターの状況を把握するために大変に役立っていますよ。

小梅

ありがとうございます。大和さんは、日常の些細なことはもちろん、PCのトラブルなどにもすぐ対応してくださるので、本当にありがたいと思っています。また、配慮の一つとして私の荷物の置き場所を決めてもらっているのですが、そういう細かい点についても周囲の管理者にこまめに周知してくれているので感謝しています。そのほかにも様々な配慮をしていただいていますね。

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大和

小梅さんがセンター内を歩きやすいように、荷物を通路に置かないようにするとか、小さな点ばかりですよ。そういえば入社前は急いでエレベーターの階数ボタンに点字テープを貼ったりもしました。小梅さんはセンター内をスタスタ歩いているので、だんだん周りの意識が薄れてくるんですね。管理者の入れ替わりもあるので、定期的な周知を心掛けるようにしています。

小梅

確かに私はあまり白杖を使用していないので、新人オペレータの方や新任管理者には健常者のように見えているかもしれません(笑)。人が集まっていて通路が塞がれていれば躊躇せず声を掛けていますが、荷物で塞がれていると少し困りますね。

大和

そうですね。私たちがいるセンターは比較的荷物が多いので、気を緩めると小梅さんの席の周りに段ボールが置かれていたり、椅子を引いたまま席を外していたりするケースもあります。その場合はその都度直したり声を掛けたりしていますが、引き続き周知していかなければいけませんね。

小梅

センターのスタッフは常に時間に追われているので、事情はよく理解できます。椅子などは気づけば自分で直してしまいます(笑)。自分でできることは自分で対応していけば、周囲が配慮を気にしすぎることなく楽に接してもらえます。その方が、私も心に余裕ができたり軽い気持ちになったりしますね。

小梅

私から質問をしてもいいですか?私に対する配慮は今とても自然な形で行われていると思うのですが、私の入社する以前から、TMJでは支援体制が整っていたのですか?

大和

小梅さんが入社した当時(2018年)、実はまだ手探り状態で障害者採用を行っていました。特に北海道拠点においては、事務職での障害者雇用は小梅さんが初めてで、本社側でも急ピッチで支援体制を整えて、適宜連携しながら小梅さんを迎えました。入社後、頻繁に対話を重ねたと思いますが、私たちも必要なものや注意する点などは小梅さんに教えていただこうという姿勢でした。

小梅

そうだったんですね。全てが万全の体制ではなかったのかもしれませんが、サポート面においては入社当初からすごく手厚かったですよ。できること、できないことを臆せず伝えることができたし、不安な点にも真摯に耳を傾けてくれて、ここでキャリアを描いていきたいと思えたスタートでした。それに、福祉の有資格者である大和さんと出会えたことも、心強かったです。

大和

恐れ入ります(笑)。

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小梅

大和さんは何か問題が起きそうなときは私より先に気づいてくださるので、本当に日々助けられています。また、大和さんとは別に、事務的な部分をフォローしてくださるサポート担当の方もそばにいるので、スムーズに仕事を進められています。その方には、読み上げツールで読み取れないPDFなどがある際、フォローをしてもらっています。

大和

環境と実務の双方で働きやすさを感じておられるようで何よりです。ところで、当事者からのご意見として、TMJで働く障害や病気をもつ社員のために思うことはありますか?TMJには視覚障害者以外にも様々な障害のある方が働いていますね。

小梅

それぞれの障害の形に合わせた対応をしていくこと、これに尽きると思います。就労移行支援でも様々な障害のある方と出会いますが、例えば精神に障害のある方などは本当に人それぞれにタイプが異なります。同じ障害名であっても、得意・不得意、できること・できないことが皆違うので、やはりその人に合った働き方をすることが大切だと思います。

大和

そうですね。健常者もそれぞれ個性があるように、もちろん精神障害の方だって個性があります。リーダーシップを発揮したいと思う人がいる一方で、それがストレスになる人もいます。そういう点は健常者も障害者も変わらないですよね。それぞれの様子を気に留めながら適切にサポートできる環境が切に求められているといえますね。

小梅

そうかもしれません。障害があると、どうしても「〇〇はできないだろう」と判断されてしまうことが多いので、大和さんのように身近に専門的な知識を持っている方が1人でもいると、どの当事者も安心して就業できる気がします。

大和

障害のある方を受け入れている拠点に専門的な知見を持つ方を配置するスタイルですね。
私は、小梅さんにはその高いスキルを他のセンターでも発揮してもらいたいと思っています。例えば、定例評価はある程度基準に沿って行うことができるとしても、的確にフィードバックすることは経験があっても難しい分野の一つ。他のセンターでも必ず欲しいと思われるスキルです。そういう局面で、専門的な知識のある人がいると小梅さんも他拠点で安心して就業できますよね。

小梅

ありがたいお話です。今も日々勉強させていただいていますが、確かに環境を変えることも学びの一つですね。私のもつスキルが少しでも役立つのであればぜひ貢献したいです。もちろん、自分のさらなるスキルアップにもつながるし、センターごとの基準やルールも違うので視野が広がると思います。

大和

可能性は広がりますね。ただ、職域を広げるにあたっては、誰にどこまで障害の内容を知っておいてもらうか。そこが支援の要だと思います。実際、私も別のサポート役の方と障害に対する認識が違うケースもあったりするので、これは今後の課題でしょうね。

小梅

今以上にサポート体制が強化されれば、モチベーションを高くもっている方にとってより挑戦しやすい職場が誕生すると思います。

大和

まさに「with your style」で、障害の有無を問わず皆が協力して環境を整えていけるとベストですよね。

小梅

そうですね。TMJは障害者にとっても働きやすいことを実感していますが、今後より多くの障害者の方に活躍いただくためにできることはまだまだありそうです。当事者が一人で頑張ってもできることは限られているので、周囲と認識を合わせつつ、「with your style」を実現させていけたらいいな、と思います。

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