2026年2月20日(金)に開催された「テクマトリックス CRM FORUM 2026」では、コンタクトセンターにおけるAI活用が大きなテーマとなりました。特に印象的だったのは、AI活用が「PoC(概念実証)の段階」から「実際の業務で活用する段階」へと進み始めていることです。
本記事では、TMJが出展したブースでの来場者の反応や、セミナーで紹介した内容をもとに、コンタクトセンターの現場で起きている変化と、今後求められる取り組みについて解説します。
この記事のInsight
- コンタクトセンターにおけるAI活用は、「検討段階」から「実行段階」へと進み始めている
- 重要なのは、AIを導入すること自体ではなく、自社の課題に対して、どの領域にどのように活用するかを見極めることである
来場者に共通していた3つの悩み
会場でお話しした多くの方に、共通する悩みが見られました。その根底にあったのは、「これまでのやり方では、現場の運営を維持することが難しくなっている」という認識です。具体的には、次の3つの課題が挙げられます。
①応対評価の改善サイクルが未整備
「オペレーターによって応対品質にばらつきがある」という声は、以前から多く聞かれてきました。しかし、今回浮かび上がったのは、そもそも応対を評価し、改善につなげる仕組みを十分に運用できていないという、より根本的な問題です。
評価基準が定められていても、実際に確認できるのは応対全体のごく一部にとどまるケースがあります。評価やフィードバックの仕組みを、継続的な改善につなげられていないことが、現場の課題となっています。
②人を育てる余裕がない
育成の課題は、単純に「現場が忙しい」ということだけではありません。採用がままならない中、ようやく人材を確保しても、早期に離職してしまうケースがあります。その繰り返しによって、新人教育に十分な時間をかける余裕がなくなっています。
結果として、「教えられる人が、教えられる範囲で教える」という属人的な育成が続き、教育の内容や品質にもばらつきが生じます。こうした悪循環から抜け出す方法が見つからないという声が、複数の企業から聞かれました。
③データ活用に行き着けていない
データ活用の重要性を認識していても、実態としては、応対ログを保存するだけにとどまっているケースが少なくありませんでした。応対内容をテキスト化し、分析できる状態を整え始めた段階で、蓄積したデータを業務改善や意思決定に活かすフェーズには、まだ至っていない企業も多く見られます。データを蓄積するだけでなく、現場の課題発見や改善につなげる仕組みを、どのように構築するかが問われています。
体験者が感じた「現場が変わる」ポイント
TMJのブースでは、「TMJ Compass」と「TMJ AI Roleplay」の2つのソリューションを展示しました。機能を説明するだけでなく、実際の画面や操作を体験していただく形式としたことで、管理者と現場担当者、それぞれの立場から具体的な反応を得ることができました。
▲ 展示会に出展したTMJのブース。実際の活用シーンとともに各ソリューションを紹介。
TMJ Compass:情報を「探す手間」そのものへの課題感にフィット
業務ナレッジの管理については、情報を整理・管理する負担への共感が多く聞かれました。
- マニュアル、FAQ、業務資料のファイル形式が統一されていない
- 必要な情報が複数の場所に分散している
- 情報を整理、更新する時間を確保できない
このような状況が、多くのコンタクトセンターで起きています。
TMJ Compassのデモをご覧いただく中で、特に印象的だったのは、次のような声です。
「ナレッジの整理にかかる管理者の工数を削減できそう」
「オペレーターが情報を探す時間を減らせれば、業務の難易度も下げられるのではないか」
管理者が情報を整理する負担と、オペレーターが必要な情報を探す負担。その両方を軽減できるイメージを持っていただけたことが、TMJ Compassの大きな訴求ポイントだと考えています。
TMJ AI Roleplay:管理者が「付きっきりにならなくてよい」という解放感
TMJ AI Roleplayに対しては、研修や育成にかかる負担の軽減への期待が集まりました。特に評価されたのは、次の3点です。
- 管理者が付きっきりにならなくても、オペレーターが自分のペースで練習できる
- 人を相手にする場合ほど緊張せず、繰り返しロールプレイに取り組める
- AIからのフィードバックに納得感があり、一方的な評価になりにくい
「教育の一部をAIに任せることで、育成の進め方そのものを見直せそう」という声もありました。人に依存しがちな教育プロセスを見直し、より継続的で均質な育成の仕組みへと変えていく可能性を、体感していただける機会となりました。
セミナーで語られた、これからのコンタクトセンター像
TMJのセミナーでは、コンタクトセンターにおけるAIとデータの活用について紹介しました。ポイントは、「すべてをAIに置き換える」のではなく、AIと人が、それぞれの強みを活かしながら共存することです。
AIは、大量のデータ処理や応対評価、必要なナレッジの提供などを担います。一方、人は、顧客への共感や、状況に応じた判断といった領域に集中します。このように役割を分担することで、コンタクトセンター全体の品質向上と業務効率化を両立できる可能性があります。
AIと人を対立するものとして捉えるのではなく、互いの強みを補完し合う関係として活用する。この考え方は、多くの来場者の関心を集めていました。
▲ 「TMJ Generative Solution」のコンセプトを示した全体構成図。
CRM FORUM 2026から見えた3つのトレンド
今回のイベントを通じて、これからのコンタクトセンターを考えるうえで重要な「3つのトレンド」が見えてきました。
①AI活用の実運用化が加速
AI活用は、検証段階にとどまらず、実際の業務プロセスに組み込む段階へと進み始めています。「AIで何ができるか」を試すだけでなく、「現場のどの業務に適用するか」「運用の中でどのように定着させるか」を具体的に検討する企業が増えています。
②教育・品質管理領域へのAI活用が拡大
これまで管理者や熟練者の経験に依存していた教育や品質管理の領域にも、AIが活用され始めています。AIによるロールプレイや応対評価を活用することで、教育機会の確保や評価基準の均質化につなげられる可能性があります。
③データを軸とした運用へシフト
経験や感覚だけに頼るのではなく、データに基づいて課題を把握し、改善の優先順位を決めることが求められています。応対データを蓄積するだけでなく、分析し、現場改善や経営判断につなげる仕組みづくりが、今後ますます重要になります。
コンタクトセンターの課題、整理できていますか?
ここまでご紹介した課題は、多くのコンタクトセンターで共通して見られるものです。一方で、「課題が複数あり、どこから手をつけるべきか分からない」という声も少なくありません。そこで、コンタクトセンターが抱えやすい課題と、解決に向けた考え方を整理した資料をご用意しています。
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TMJ Generative Solutionのご紹介
今回の展示でご紹介した「TMJ Compass」と「TMJ AI Roleplay」は、コンタクトセンターが抱える課題の解決を支援するソリューションです。応対品質の向上や育成の効率化、データ活用の促進を通じて、コンタクトセンターの運用変革をサポートします。
次の一手を検討したい方へ
AI活用が進む中で、コンタクトセンターの在り方は大きく変わり始めています。一方で、AIを導入すること自体が目的ではありません。まずは自社が抱える課題を整理し、どの業務に、どのような形でAIを活用するのかを見極めることが重要です。
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