日本の高齢化率は2013年時点で25.1%(平成26年版 高齢社会白書より)まで上昇しており、コールセンターにおいても、高齢のお客様との通話に対して、応対の改善を迫られてきています。TMJの顧客調査においても「対策を講じている」と回答した企業は30%程度に留まり、具体的な対応策を模索している段階です。
このような課題に対し、TMJは2011年から東京大学の産学ネットワーク「ジェロントロジー(老年学)」に参画すると共に、コールセンターにおける高齢者対応に関する研究を開始。高齢者の特性(加齢による変化)を踏まえた「応対方法」「人材育成」「品質管理方法」などの研究を進めてきました。さらに、2012年からは聴覚心理の専門家であるオトデザイナーズと「高齢者の聞こえ」に関する共同研究により、自分の声が「加齢により聞こえが衰えた高齢のお客様」にどのように聞こえるか模擬変換し、体感できるシミュレーションツール『ジェロトーク』を開発しました。
この度、TMJが独自に開発した従来の実践的研修を、これらの研究を通じて蓄積したノウハウ・研究成果を基に、高齢者対応に特化して研修プログラム化し、高齢のお客様の満足度向上を目指すコールセンター向けに、高齢者対応研修として正式に提供開始します。
高齢者対応研修メニュー
■ 高齢者との円滑なコミュニケーション研修~加齢による聞こえの衰えの理解~
オトデザイナーズ代表取締役 坂本氏の講義による、耳・聞こえの構造理解や実体験を通じた高齢者との円滑なコミュニケーションを行うための基本を学ぶ研修。演習では、模擬音声シミュレーションツール『ジェロトーク』を用いて、受講者の方の話し方に関するワンポイントアドバイスも行います。<40万円~、10名以上推奨>
【期待効果】
・高齢者の聞こえの仕組み・構造理解で、高齢のお客様とのコミュニケーションを改善
・模擬音声シミュレーションで高齢者の聞こえを体感し、高齢者応対の必要性を認識
■ 高齢者応対スキル研修
コールセンタースタッフが日々の業務で実践できる高齢者応対スキルの基礎を習得。ケーススタディを元にした実践的な研修・演習。演習では、模擬音声シミュレーションツール『ジェロトーク』を用いて、受講者の方々に自身の声が加齢により聞こえが衰えた方にどのように聞こえるか体感いただきます。<60万円~、10名以上推奨>
【期待効果】
・金融業界や通販業界におけるカスタマーサポート/受発注業務、メーカーや通信業でのテクニカルサポートなどの
顧客満足度向上
■ タブレット型模擬音声シミュレーションツール『ジェロトーク』(研修オプション)
自身の声を吹き込み、変換すると、模擬音声に変換し、加齢による聞こえの衰えを体感できるシミュレーション機能を搭載したタブレットツール。<(1ヶ月レンタル/台)5万円~>
【期待効果】
・研修後のフォローとして利用し、応対マインド・スキルの定着
来たる超高齢社会に向け、TMJは今後もコールセンターにおける高齢者対応の研究を進めるとともに、研究成果を顧客に還元していきます。
※価格は全て税込参考価格。受講人数、受講時間により価格は変動します。
ジェロトークは、株式会社TMJの登録商標です。
株式会社オトデザイナーズ 概要
「音と耳をキーワードに新たな価値を創造する」を企業理念とし、誰もが文化的に豊かに暮らせる社会を、音を通じて表現することを目標に設立されたベンチャー企業。聴覚心理学と技術経営学の専門家である坂本真一を代表とする。任天堂との共同開発Wiiソフト「キキトリック」が販売されているほか、大手家電メーカー、産業技術総合研究所や大学等の研究機関における、音響心理、聴覚心理に関する商品開発、研究開発に数多く携わる。特に高齢者の聴覚心理、高齢者コミュニケーションの分野に強みを持ち、近年は、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、NHK各局の番組の企画、監修および出演などが多数ある。
・設立 :2006年2月
・本社所在地 :埼玉県和光市南1-27-65
・代表者 :代表取締役 坂本 真一 九州大学産学連携センター 客員教授/光華女子大学健康科学部 客員教授
・資本金 :1,200万円
・事業内容 :聴覚や音の技術を利用した商品開発および技術コンサルティング/高齢顧客コミュニケーション講習/聴買心理に基づいた商品の音の分析とコンサルティング/聴覚心理とオノマトペを用いたマーケティング