事業提携の背景と目的
スマートスピーカーが急激に普及する中で注目が高まる「音声インターフェイス」。AI技術の発展において音声の重要性が増す中、メンタルヘルスやマーケティング領域などで「感情解析」技術の活用が期待されています。
業務提携先であるEmpathは、音声感情解析技術により音声から気分状態を可視化するAI「Empath®(エンパス)」を利用し、メンタルヘルス対策やマーケティング等に役立つアプリケーションを開発しています。TMJとは2015年よりコールセンターにおける有効性検証を共同研究、オペレータのパフォーマンスにおけるモチベーション値の影響などを成果として発表してきました。
今回、両社の事業提携締結により、音声気分解析を用いたコールセンターAIの共同開発に着手。TMJ内での活用領域の拡大と、その後の外部サービス販売をしていく計画です。
(1)応対品質の向上と成約率の増加
Empathとの共同研究では、アウトバウンド・コールの獲得品質に、オペレータのモチベーション・感情表現が寄与していることが明らかになっています。そこで、応対品質の平準化および向上のため、オペレータの感情を解析することで、オペレータがより顧客の感情に即した適切な応対をすることを実現します。顧客の感情に即した応対を可能にすることで、成約率の増加が期待されます。
また、顧客の感情を可視化することで、購買行動と顧客の感情との相関関係を導き、成約率を増加させます。これまでの両社の共同研究の成果では、特定の感情値と成約率との相関が明らかになっています。こうした成果を踏まえ、顧客の感情解析に基づき、オペレータにリアルタイムでAIから指示に与えることで成約率を向上させます。
(2)オペレータ・ケアによる離職率低減
音声感情分析を活用し、オペレータのメンタル・ヘルスケア、ならびに離職率防止を実現します。音声感情解析を搭載したコールセンターAIにより、各オペレータの気分状況の把握し、不調な状態が続いた場合には、上司からのサポートを速やかに受けられる仕組みを作ります。こうしたサポートを通じて、コールセンターでの仕事によりやりがいを感じてもらうことにより、オペレータがより働きやすく、長期間働き続けられる職場作りを目指します。
今後、両社は今回共同開発するコールセンターAIをTMJ内で活用、その後外部パートナーにも販売していく予定です。
株式会社Empath概要 https://webempath.com/
音声から気分状態を可視化するエンジン「Empath®(エンパス)」を利用し、メンタルヘルス対策やマーケティング等に役立つアプリケーションを開発。奈良先端科学技術大学院大学との共同研究や株式会社NTTドコモとの被災地支援事業で採用されたほか、ロボティックスやコールセンターなど幅広い分野で活用されています。海外でも注目を浴びており、アラブ首長国連邦内務省に正式に採用されたほか、開発者向けに提供しているWeb Empath APIは世界50か国以上で利用されています。また、ICT Spring 2018で開催されたPitch Your Startupで日本企業としてはじめて優勝、Viva Technology 2018でBest Startupに選出されるなど海外のピッチコンテストですでに8度の優勝をおさめています。
会社名 :株式会社Empath
設立 :2017年10月31日
本社所在地:東京都渋谷区神宮前6-18-13 7F
代表者 :代表取締役 下地 貴明
事業内容 :音声感情解析AI「Empath」の販売
株式会社TMJについて
TMJは、株式会社福武書店(現・株式会社ベネッセコーポレーション)のインハウスコールセンターより独立分社化する形で1992年に設立。世界でも例のない継続型の会員制事業で培った生産管理、品質管理のノウハウを活かし、多種多様なクライアント企業のコールセンターの設計・運営から、調査・分析、人材派遣、人材育成などのサービスを提供しています。2017年には、セコムグループの100%子会社となり、より強固で安全性の高いグループネットワークを活かし、クライアントビジネスの成功をサポートします。