全体の業務フロー図
お客様の声
セコム損害保険株式会社
本店損害サービス第二部 部長 東 真一郎 様
損害サービス業務部 業務企画グループ 課長代理 小林 翔馬 様
BCP対策として業務委託を選択
──はじめに、TMJ福岡センターで行っている業務の概要についてお聞かせください。
セコム損害保険株式会社 本店損害サービス第二部 部長 東 真一郎 様(以下、東様):2020年6月より、自動車保険および火災保険にご加入のお客様から万一の場合にご連絡いただく「事故受付センター」の委託をスタートしました。具体的には、保険金請求受付全般および、ロードアシスタンスの取り次ぎを担っていただいています。
これに続いて同年9月より、「事故受付センター」の後続業務、つまり損害調査から支払いまでの一連の業務を行う「サービスセンター」の委託も開始しました。「サービスセンター」では、高いスキルを要する業務をお任せしています。
──委託の背景には、東京での一極集中型の受付体制を危惧し、BCP対策として受付拠点を分散させるという目的があったそうですね。
東様:2018年に北海道と大阪で大きな地震があり、それに続いて台風の被害が発生しました。立て続けに自然災害が起こり、現場や事故受付体制が混乱したことがあり、早期にBCP拠点の立ち上げが課題であると認識しました。その際、BCPの観点からもともとセンターのある東京以外の場所を検討したのです。別の業務でTMJの鹿児島センターにお世話になっていたことからお声がけさせていただきました。
スタッフの対応力と運営ノウハウにより委託の不安を払拭
──これまで自社で行っていた業務を委託するにあたり、不安はありませんでしたか?
東様:保険は形のない商品ですから、その価値をお客様に実感していただくのは事故が起こってからとなります。つまり、事故後にお客様と接する、事故受付センターとサービスセンターの担当者の対応も大切な商品価値となるのです。商品価値を左右する重要な業務を委託して大丈夫なのか?保険会社の社員と同じマインドでお客様に接することができるのか、と思う気持ちがありました。
しかし、TMJはわれわれの不安を払拭するだけの保険に関する対応力、安心感がありました。加えて、われわれが最も力を入れようとしていた応対品質と生産性の向上に理解と共感を示していただいたことも委託を後押ししてくれました。当時、TMJ担当者の誠実さと熱意が心に響いたと弊社担当者から聞いています。
──立ち上げはいかがでしたでしょうか?
東様:弊社にとって初めてのことでしたが、特に苦労はありませんでした。弊社から大まかな骨子をお伝えした後は、TMJからの確認や照会に対応する形で立ち上げ作業を進めていきました。月2回の定例打合せを行ったり、タスク表を作っていただいたりして、滞りなく進行していただけました。進捗管理もわかりやすかったですね。
また、TMJは人材研修もしっかりされていますね。本番前のプレオープンを拝見して、完成度の高いオペレーションを目の当たりにした時は、TMJにお任せして良かったと強く感じたことを覚えています。
自然災害発生時の業務増への対応
──いつ起こるかわからない自然災害への対応が委託の狙いのひとつであったわけですが、この点についてTMJの対応はいかがですか?
東様:2020年の台風と2021年の福島県沖地震の際、人材を確保していただいたのですが、この時一番良かったのは、われわれのリクエストにしなやかに対応してくれたことです。弊社も人材の確保に頭を悩ましていたので、とても心強く思いました。
──TMJでは福岡の複数センターで、TSRの全体人数と、そのうち近隣センターへ移動可能な人員数を把握し、これをセンター間で共有することで、必要なタイミングで必要な人数を確保できる体制を整えています。そして、業務に関するノウハウをもっていることからも効率的な研修を実施することで、早期に立上げすることが可能な状況となっております。
委託により応答率と生産性が向上
──もうひとつの狙いであった応答率と生産性の向上についてはいかがでしょうか。
東様:応答率を見ますと、2019年度から2020年度は飛躍的に向上し、大きく貢献していただいています。
最初の1か月は、後処理に20分近くかかっていましたが、2か月目には10分になり、3か月目には7分台と次第に短くなっていき、現在は3~4分でできるようになりました。オペレーションだけではなく、事務効率も含め、確実に生産性が上がっていますね。
応対品質を高めるための取り組み
──現在、特に重視されているのはどのようなことでしょうか?
東様:お客様あっての仕事ですから、お客様サービスが第一です。応答率は改善されましたが、それに加えて応対品質の向上と高い生産性、この2つは外せません。
お客様は事故に遭われて電話を掛けてきているわけですから、まずその電話で不安を取り除いて差し上げる必要があって、そのためにはそれなりの応対品質が求められます。お客様に寄り添い、冷たかった、つっけんどんだった、横柄だった、という声を聞くことがないようにしたいです。
先ほどもお話ししたように、「サービスセンター」では社員と同じマインドとスキルが求められる難易度の高い業務を担っていますから、委託するにあたっては不安に思うこともありましたが、実際の対応を見ていると、やはりコンタクトセンターのプロだなと思うのです。話し方が訓練されているので非常に聞きやすく、クレームになりやすい保険金を支払えない場合のお伝えの仕方も上手です。保険業務に必要な約款など専門知識の習熟も早く、私はかなりレベルが高いと思っています。
──ありがとございます。今後、さらに応対品質を高めるためにはどのような取り組みが必要でしょうか?
東様:経験を積むことではないでしょうか。同じ事故は2つとないので、経験と経験から得られる知識を蓄えていくことで、さらなる応対品質の向上につながると思っています。
──セコム損保様で実施されているお客様満足度調査では、応対品質に対してどのような結果が出ていますか?
東様:アンケートはがきで満足度調査を実施しているのですが、事故対応全般について尋ねているので、応対品質に対する評価を数値化される仕組みにはなっていない、というのが実際のところです。
ただ、今までお客様からTMJの応対への苦情が寄せられたことはないので、それがお客様の信頼に応えている証であり、業務品質の高さを示しているのではないかと思っています。
委託範囲の拡大も視野に
──最後に、「事故受付センター」および「サービスセンター」の今後の展開についてお聞かせください。
東様:弊社にとっても、この領域の外部委託は一大プロジェクトで、重圧を感じてスタートしましたが、軌道に乗るのが早く、現在では両センターとも稼働が安定しております。今後もTMJのサポートに期待しています。
──これからもパートナー企業としてご期待に沿えるよう励んでまいります。ありがとうございました。