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導入事例

大阪ガス株式会社 様

1年でFAQ閲覧数が約2倍に向上。FAQ改善がお客さま満足にも貢献

大阪ガス株式会社様のコンタクトセンターでは、電力・ガス小売の全面自由化以降も選ばれ続けるべくお客さまの利便性向上に取り組み、満足度を高めるとともに、増え続けるコール増への対応としてFAQの改善に取り組んでいます。2018年から約1年半に及ぶ取り組みとその効果についてお話を伺いました。

大阪ガス株式会社
大阪ガス株式会社
電力・ガスの小売全面自由化を受けて、ガス・電気事業を国内外で提供する「総合エネルギー事業者」へと進化し、事業領域を拡大している大阪ガス株式会社様。社会環境の変化をビジネスチャンスととらえ、お客さまとのつながりをより一層強いものにしていくことで選ばれ続ける企業となることを目指しています。

導入経緯・成果

お客様の声

大阪ガス株式会社
リビング事業部 開発推進部 コンタクトセンターチーム
内田 聡 様、原田 江美 様

株式会社TMJ 大阪ガス様FAQ専任担当 樋口 剛嗣

お客さまに選ばれ続けるために、電話以外のコンタクトチャネルを充実

リビング事業部 開発推進部
コンタクトセンターチーム
リーダー 内田 聡 様

—— 御社の事業を取り巻く概況と、社是に掲げている「サービス第一」についてお聞かせください。

リビング事業部 開発推進部 コンタクトセンターチーム リーダー 内田 聡 様(以下、内田様): 2016年4月の電力小売の全面自由化を受けて、販売するモノが増え、また販売するエリアも広がっているというのが私たちのビジネスの状況です。このような中、当社では「サービス第一」を社是として「お客さまの期待」「事業の枠」「企業の枠」を超える活動を行うことで、お客さまに選ばれ続けることを目指しています。
私自身も「サービス第一」という言葉が好きです。顧客接点の最前線にいる私たちだけでなく、社内で行われるさまざまな意思決定において、「結局のところ、お客さまにとってどうなのか」という議論がなされています。これは、「サービス第一」の考え方が社内にしっかりと浸透している証だと感じています。

—— お客さまに選ばれ続けるためにリビング事業部 開発推進部では、どのようなことに取り組んでいらっしゃいますか。

内田様:リビング事業部 開発推進部が運営・管理を担っているコンタクトセンターには、電話による受付業務がベースにあります。そのため、これまでは「電話のつながりやすさ」や「応対品質」を追求してきましたが、自由化を受けて新たなミッションが課せられたと認識しています。
そのミッションとは、デジタル技術を活用した顧客接点をいかに作り、どのようにコミュニケーションを図っていくかということです。
昨今、デジタル化が進んだことで、知りたいことはインターネットで検索して調べる、コミュニケーションはSNSやチャットでするという人が増えてきました。言い換えれば、電話によるコミュニケーションを敬遠する人や、必要としない人が増えているということです。
こうした背景から、自由化以降もお客さまに選ばれ続けるためには電話以外のコンタクトチャネルを充実させることが急務となったのです。

FAQ改善需要の高まりを受け、パートナー探しをスタート

リビング事業部 開発推進部
コンタクトセンターチーム
原田 江美 様

—— FAQ改善に取り組むことになった経緯をお聞かせください。

リビング事業部 開発推進部 コンタクトセンターチーム 原田 江美 様(以下、原田様): 自由化当時、コンタクトセンターでは、お客さまの利便性と満足度の向上を追求する一方、増え続けるコール数への対応に迫られていました。これらの解決策としてFAQの改善需要が高まったのですが、リソース不足により思うように取り組みが進まない状況でした。
加えて、FAQ改善のノウハウがなかったため、FAQの改善実績のある企業に声を掛け、一緒に改善に取り組んでいただけるパートナーを探しました。
数社にお声掛けしたのですが、TMJはFAQ改善実績に加えてコンタクトセンター業務のノウハウもあったことが決め手となりました。お客さま視点で改善に取り組めると考えたのです。

初年度は既存のシステムを活用しFAQのガイドライン作成やKPI設定など基盤整備に着手

—— FAQの改善は、どのようなことから取り組まれましたか。

原田様: 2017年12月にトライアルを行い、2018年4月より本格的に取り組みをスタートしました。
取り組み初年度は新システムの導入はしないと宣言し、現行のシステムを利用してできることを行いました。
素人目線ですと、コンテンツ改善から取り掛かってしまうところですが、TMJの持つ他社事例やFAQ改善の進め方などあらゆる情報に基づき、アセスメントの実施、改善サイクル手順書やFAQ作成・更新ガイドラインの作成、そして目標KPIの設定という基盤整備から順を追って取り組むことができました。

TMJ樋口: TMJでは、大阪ガス様、コンタクトセンターを運営する関西ビジネスインフォメーション様、そしてTMJの3社で必要な情報を整理・調整しながら、基盤整備、定例報告会での改善ノウハウ共有、主要KPIに基づくFAQ改善までをトータルで支援させていただいております。
改善活動の羅針盤となるFAQ作成・更新ガイドラインの作成にあたっては、FAQ全体に統一感を持たせるとともに、FAQ制作や更新作業を効率的に行えることを目的に、FAQ作成時の基本方針を定めました。

—— 改善を進める上でご苦労された点はありましたか。

原田様: FAQ改善を始めたばかりのころは、更新したFAQをホームページに公開する際には、必ずホームページを管理する部門のチェックを受けなければなりませんでした。しかし毎回、管理部門から指示される表記の修正が多く、登録・更新をするのに時間を要していました。

TMJ樋口: 表記ルールに関しては、修正依頼が入るたびにFAQ作成・更新ガイドラインに反映させ、以降は同じ修正が入らないようにすることで、作業効率を高めていきました。

原田様: FAQ作成・更新ガイドラインにホームページの表記が反映されたおかげで、今ではホームページの管理部門を通さずに更新したFAQを公開できるようになりました。これにより、FAQの公開スピードが格段にアップしたのです。ホームページ管理部門の業務を軽減することもできたので、ホームページ管理部門のスタッフも助かっていると思います。

取り組み1年目で、FAQの閲覧数が2倍に伸長し解決率が向上

—— 1年目の取り組みで達成された成果について教えてください。

原田様: 先ほどの更新FAQの公開スピードが速くなったことのほかに、数値の改善が実現しました。初年度に設定したKPIはどれも改善傾向にあり、1年間でほぼ達成というところまでこぎつけました。
中でも大きな成果として挙げられるのは、FAQ閲覧数が改善前の2017年に比べて約2倍に伸びたことです。お客さまが探している情報に少ないクリック数でたどり着けるようFAQ詳細ページまでの導線を見直したところ、今までたどり着けずにサイトを離れていた閲覧者が減少したためです。検索キーワード対策の結果、検索閲覧率についても改善効果が得られました。
さまざまな数値が改善されたことにより、解決率が高まったことはもちろんのこと、お客さまの満足度も向上させることができました。しかし、システムの制約上、<0件ヒット>*だけは目標値に及ばず……というのが1年目の状況です。

TMJ樋口: 当時のFAQシステムは、テスト環境に制限があったことが大きく影響していました。例えば、AというFAQをBに変更する場合、変更前にBを試してみることができなかったのです。この結果を受けて、次年度にお取り組みいただきたいこととして新たなFAQシステムの導入をご提案させていただきました。

* <0件ヒット>とは、お客さまがサイト内で検索を行った際、該当するFAQが全くヒットしないこと

1年目の改善結果を受けて、新システム導入に踏み切る

—— 新システムの導入を決意された経緯をお聞かせください。

原田様: 1年目に現行システムで改善できることはすべて行いました。その結果、これ以上の数値改善はシステムの制約上できないということころまでいったので、新システムの導入に踏み切る決心がつきました。
新システムの検討にあたっては、移行後のシミュレーションや運営についても十分な情報を提供していただいたので、社内の意思決定がスムーズに進みました。2019年8月より新システムが稼働しています。
既存のコンテンツ改修は一巡したので、現在は消費税率の変更やサービスの追加や改変など、日々、発生する事柄を新コンテンツへ反映させているところです。

—— 新システムを導入後、FAQ改善や更新の作業はどのように変化しましたか。

原田様:新システム導入により、サイトの保守・管理やコンテンツの作成・改修にかかる手間が減り手順の見直しも行った結果、全体の工数を削減することができました。FAQの作成から公開までのリードタイムが短縮できるようになったことが、大きな効果と言えます。

内田様: 自由化以降、新サービスが数多くリリースされるようになりました。お客さまが新サービスについて調べようとしたとき、ホームページに情報が載っていないのは問題です。知りたいことはホームページで調べる自己解決型のお客さまが多くいらっしゃる今、FAQの公開を即時にできるようになったということは、お客さまへのサービスレベルが向上したととらえています。

原田様: <0件ヒット>の数値も改善されました。以前は、自由文検索でぴったり一致しないとヒットしなかったのですが、新システムでは類義語登録などが柔軟にできるため、やや曖昧な検索でも候補となるFAQコンテンツがヒットするようになっていて、<0件ヒット>を大幅に減少させることができました。

専門知識の重要性を実感

—— FAQ改善の取り組みは、社内ではどのように評価されていますか?

内田様: 電話以外のコンタクトチャネルへのシフトが期待されている中、FAQ改善の取り組みは注目されており、事業部内ではネットシフトの成功事例として評価されています。社内表彰では、社長賞を受賞しました。今は、大阪ガス全体がネットシフトをバックアップしてくれています。

—— TMJへの評価と、今後に期待することをお聞かせください。

原田様: 一番良かったことは、専任の担当者をつけていただいたことです。これは、大変心強く思っています。
TMJ樋口さんには、会議だけでなく日々のディスカッションにも参加していただいているのですが、ひとつ印象深いエピソードがあります。

FAQによる入電抑制の効果をどのように測定したらよいのか検討していたときのことです。入電抑制につながるお客さまの行動とはどのような行動か、また、それを可視化、数値化するにはどうすればいいのかに悩み、樋口さんへ相談したところ、すぐに駆けつけてくださったことは今でも忘れられません。顔と顔を合わせて一緒に議論を深めてくださったおかげで、当時の状況で最良のロジックを組み立てることができました。あの時は本当にありがたいと思いました。

2017年からFAQ改善に携わってきて感じたことは、この業務は誰にでもできることではないということです。当初は文章が書ければ誰でもできる業務だと思っていましたが、そうではありませんでした。知れば知るほど奥が深い業務だと思いました。コンタクトセンターの実務に精通しつつ、Web上で目を引く見せ方やお客さまにストレスのかからない導線づくりなど、豊富な専門知識が必要とされる業務です。

次に取り組む課題は、現在取り組み半ばの<解決率>の向上と、FAQの終わりに掲載しているアンケートで「役にたった」という評価を多くいただけるようにすることです。樋口さんには、これからも変わらず専任としてご担当いただき、ご支援いただきたいと思っています。

デジタル技術の活用に拍車をかけ、最速の進化を遂げる

—— 今後のネットシフトへの取り組み意向をお聞かせください。

内田様: これからの時代は、お客さまが望む媒体で、お客さまが望むタイミングでつながることが今まで以上に求められるようになるでしょう。求められる媒体はチャットかもしれないし、チャットボットかもしれません。こうしたデジタルを活用したチャネルの整備も進めていきたいと考えています。

現在、WebとLINEでチャットによるお客さまサポートを提供しています。
Webでは、大阪ガスのホームページへお客さまがアクセスして対象ページを閲覧すると自動的にチャットへの招待画面が表示され、お客さまの質問に応じてAI(チャットボット)が回答します。LINEでは大阪ガスのLINEアカウントと友だちになるとLINEから質問することができます。いずれもオペレーターの対応時間は、月曜~土曜の8時~21時、日・祝日の9時~21時までとなっています。当社の事情で受付時間に制限をかけているわけですが、今後はこうした制限をなくす取り組みを率先して行ってまいります。
また、チャットボットは回答内容が限られていますが、将来的には電話応対と同じレベルにまで精度を高めていきたいと考えています。

ネットシフトへの取り組みには、課題が山積みです。システムに任せる部分と、人が介入する部分とのバランスをどのようにとっていくのかなど、いろいろと考えなければならないことがあります。
ネットシフトを加速するためにも、われわれは進化しなくてはなりません。お客さまの変化をキャッチアップして対応するとともに、最新の情報に基づくアドバイスをいただき、最速のスピードで進化を遂げていきたいと考えています。

(左から)内田様、原田様、FAQ専任担当樋口(TMJ)

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