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導入事例

長瀬ビジネスエキスパート株式会社 様

グループ各社の間接業務集約化に向け、業務構造を可視化し再構築

事業統合を経て、全社で取り組んだ間接業務の可視化。
自社の価値の再認識につながっています。

長瀬ビジネスエキスパート株式会社
長瀬ビジネスエキスパート株式会社
長瀬ビジネスエキスパート株式会社は2017年、長瀬産業株式会社の100%連結子会社であった2社を事業統合し、グループの間接業務を受託するシェアードサービスセンターとして設立された新会社です。「Bringing it all together~『あらゆる可能性を、カタチに』」をグループスローガンとして、ヒト、モノ、情報、技術、想い、世界、時間、無数の可能性をひとつにまとめあげるという考え方のもと、同社ではグループ内や本社の各管理部門間で、重複している間接業務を新会社に集約、グループ全体の間接部門の効率化、最適化の推進に取り組んでいます。

お客様の声

長瀬ビジネスエキスパート株式会社
フィナンシャルサービス本部 フィナンシャルサービス部
部統括 山田 聡 様

まずは全社を挙げて現状把握。誰もがわかる共通言語で可視化を推進

長瀬ビジネスエキスパート株式会社
フィナンシャルサービス本部 フィナンシャルサービス部
部統括 山田 聡 様

Q 今回、業務可視化に取り組もうと考えられたきっかけは何でしたか。

当社はNAGASEグループの間接業務を受託するシェアード会社として設立しました。当初、グループ内や本社の各管理部門間で重複している業務を集約するにあたり、まずは自社業務の可視化と現状把握に着手しました。しかし、どの部門にどんな業務があり、誰が担当しているのか、社内で尋ねても、「それは、あの部署の〇〇さんじゃないと分からない」「本社の〇〇さんに確認する必要がある」など、全体が把握しづらい状況にありました。

また、部門業務の定義や範囲が明確でないために、間接業務の集約することで仕事増えてしまうのではないかと不安視する雰囲気があり、さらに、部門間で共通言語がないため、例えば”品質”という言葉を取っても「時間」を指すこともあれば「正確性」を指す場合もあるなど、社内のやりとりのしづらさも発生していました。

一方、中期事業計画などで示されていた目指すべき将来像と現状のギャップがどれだけあるのか、何をどこから始めてよいのか、判断できない状況に陥っていました。そんな中、TMJの業務量調査・分析サービスを知る機会があり、まずは試しにやってみようと考えたのが導入のきっかけです。

 

部門横断で活動を推進するプロジェクトメンバーの皆さま

Q 業務量調査を実施してみていかがでしたか。

今回実施いただいた業務量調査は、はじめに予め用意されたテンプレートをもとに、大項目、中項目、小項目の三段階に整理して一覧化します。リーダーへのヒアリングは約1.5時間、メンバーには業務の発生頻度や作業工数を記入する20分程度の記述式アンケートを実施しました。当初、26名を対象にトライアルで実施しましたが、トータルでも20時間に満たない時間で完了するなど、現場にはほとんど負荷をかけずに調査をすることができました。

可視化する過程で特に重視したポイントは、初めて見る人でも分かりやすい文言で業務の項目を棚卸しすることです。自分の業務を棚卸しすることに慣れていない人も多く、社内では、インスタントラーメンを作る工程に分かりやすく例えることで取り組みました。例えば、材料を用意する→お湯を沸かす→麺をゆでる→スープを作るなどの「工程」と、その作業工程に必要となるツールや管理項目、検査ポイント、異常処置などを書き出すワークを通して、棚卸しに必要な視点を共有しました。その後、この工程を自部門の業務に置き換えて考えてみることで、業務の洗い出しをスムーズに進めることができました。

具体的な課題が明らかに。各部門からもアイデアが沸き出る

Q 可視化に取り組んだことで、どのような気づきがありましたか。

各業務に費やす時間を見ていくと、書類や伝票作成、照合・消込・チェック、問い合わせ・相談対応など定型業務や単純業務が約8割であることが判りました。この結果を見たメンバーからは、「チェック工程が多いのはなぜなのか」「何が後工程を停滞させる原因になっているか」「その工程は他の人に分担できないか」など、各部門から改善のアイデアが次々と湧き出てくるようになりました。そのほかにも、ルールを細かく設定しすぎたために無駄な作業が発生している業務も発見されました。これは簡素化しないとだめだよね、と各所で検討すべきことが明かになりました。

その工程は本当に必要か、私たちが時間を使うべきところはどこなのか、どこに本当の価値があるのかなど、改めて業務を見直す雰囲気も自然と生まれてきたように感じています。さらに、まだまだ紙帳票の運用が多く、書類を照合するなどの人による単純作業が大量に発生していたり、社員から社内システムの使い方など同じような問い合わせ対応に費やす時間が多かったりしますが、RPAやOCR、チャットボットの導入など自動化に向けた検討もはじまっています。

Q 業務量調査サービスに対するご感想、可視化による効果をお聞かせください。

業務量の調査自体は、おそらく独自でもできると思います。しかし、ノウハウが不足する中では時間もかかり、なぜそれをする必要があるのかといった社内に向けた説明や調整に追われるなど、途中で心が折れそうになることもあります。その点、外部に委託することで、ノウハウが集約されたツールと手順を使って効率的に取り組むことができ、また、スケジュールや期限を設けて推進いただけたので、私たちもそれに向けてスムーズに進めることができました。帳票が統一されているので後からも分かりやすく、何よりも社員全員が同じデータを見て話ができる共通言語となり、意思の疎通もしやすくなるなど、さまざまな効果がありました。

今後は、品質や工数の基準を設けるなど標準化に力を入れていきたいと考えています。また、その先にはアウトソーシングを検討する業務も出てくるかと思いますが、委託先と共に考え、設計していくのが最善ではないかと、この取り組みを通して感じています。

価値あるサービス提供のためのベースラインを構築

Q 今後の取り組みや展望をお聞かせください。

まずは、自分たちにどんな仕事ができ、どんな価値があるのか、もっと明確に提示できるようになりたいと考えています。今回の業務可視化の結果を見て、「私たちの業務は単純業務、定型業務のカタマリなんですね」と、悲観的にみた人もいました。その一方で、難易度の高い仕事とは何なのか、問い直す機会もありました。たまたまある部門では役職者の業務がそれに当たるとしていましたが、本当にそうなのかと見直す必要があるという気づきもありました。

マニュアルについても、そのマニュアルは一体何のため、誰のためなのか説明ができる人はなかなかいません。また、よくあることですがマニュアルを作ることで満足してしまい、そこで終わってしまう。シェアードの仕事の中には、よく“こまごました仕事”などと言われるものもありますが、そこで考えを止めることなく、自分たちの仕事の業務構造を見える化し、マニュアルについては共通言語で整理し直すことで、「やろうと思えば誰でもできる」くらいのレベルにまで落とし込んでいきたいと考えています。

今回、自社の業務を可視化する取り組みを通して、同じようにグループ各社の業務可視化の視点を得ることができました。今後は、業務分解と整理という機能を自社のノウハウとして高めるとともに、グループ各社の間接業務の効率化と最適化を推進していきたいと思います。そして、私たち企業としての提供価値においても、取引先企業の業務可視化やプロセスの再設計・改善などの業務改革を提案していけるような機能拡充を目指していきます。

長瀬ビジネスエキスパート 山田様(右)と
今回の業務量調査を支援させていただいたTMJ 末永(左)TMJ 渥美(中央)

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