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導入事例

石狩市 様

モビリティ事業の知見を活かしオンデマンド交通の運行をサポート

石狩市 様
石狩市 様
石狩湾新港とその後背地に総面積約3,000haの工業流通団地を要し、石狩湾新港地域には700を超える企業があり、約2万人が就業。北海道における産業・物流面での重要な拠点機能を担っている地域です。就業者の通勤手段における公共交通や、市街地における路線バスの利用減少の課題に対する施策として、オンデマンド交通の導入が検討されています。

お客さまの声

石狩市 企画経済部 企画課交通担当
課長 上窪 健一さん(左)
主査 江畠 紀和さん(右)

サービスコンセプトは「いつでも つながる モビリティ」

──石狩市のオンデマンド交通「いつモ」とは、どのような交通サービスですか。

上窪様:「いつモ」は、利用者が自ら予約して、乗り合い車両で目的地まで行くオンデマンド交通です。定時に決められたルートを走る安価な料金の路線バスと、ルートの指定ができる高額なタクシーの中間に当たる移動手段と言うとわかりやすいでしょうか。オンデマンド交通のルートは、利用者の目的地によって設定されるので、既存の公共交通では行きづらい場所にもスムーズに行くことができます。
利用は予約制で、自宅や施設の近くで乗車できます。また、長い時間並んで待つ必要がなく、必ず座れるので安全で快適です。
「いつモ」という名称は、サービスのコンセプトである「いつでも、つながる、モビリティ」の頭文字をとって名付けました。ロゴマークは、バスと石狩川の青と森林の緑をイメージしています。

▲「いつモ」サービスロゴ

──実証運行の概要を教えてください。

江畠様:実証運行では、石狩湾新港地域への通勤を目的とした「通勤オンデマンド交通」と、買い物や通院など、市街地内の移動を目的とした「市内オンデマンド交通」の2つを運行しています。
通勤用は、石狩湾新港地域の最寄り駅である地下鉄麻生駅とJR手稲駅をミーティングポイント(乗降場所)として、両駅から直接、勤務地へ乗り入れるルートにしています。
市内用は、最寄りのバス停、コンビニ、郵便局などをミーティングポイントに設定しています。また、アプリ内の地図からミーティングポイントをタッチすることで直感的に乗降場所を予約できるようにしました。
運賃は、通勤用が運行距離に応じて400円から800円。市内用はワンプライスで300円に設定しています。
利用に当たっては、いずれもスマートフォンアプリをダウンロードして会員登録をしていただき、予約の上、ご利用いただきますが、市内用についてはカスタマーセンターにお電話をいただいて予約をすることもできるようにしています。実証運行の期間は、2022年10月3日から2023年3月31日までです。

地域課題の解決策としてオンデマンド交通に着目

──オンデマンド交通の導入を検討したきっかけを教えてください。

上窪様:石狩市では交通に関する2つの課題があります。
ひとつは、石狩湾新港地域の石狩工業団地への通勤手段です。現在、同工業団地には約700の事業者があり、2万人を超える方が勤務しているのですが、98%の方がマイカー、もしくは企業の送迎バスを利用して通勤しており、公共交通機関を利用している方は2%しかいません。通勤のための交通手段が少ないため、人材を採用したい企業やこれから働きたいと考えている方から、マイカー以外の移動手段が欲しいという声が数多く寄せられていました。
もうひとつは、市街地を走る路線バスの利用減です。花川北地区では住民の40%が高齢者です。この方たちは、今はマイカーを運転することができても10年後、20年後には運転しなくなる可能性もあります。そのため、利便性が高く、効率的に移動できる新たな交通システムが求められていました。
この2つ課題の解決手段として、オンデマンド交通に着目したのです。

知見を活かして利用者の困りごとに先回り

──カスタマーセンター業務の委託先を選定する際の決め手を教えてください。

上窪様:MaaS/モビリティ支援専門のコンタクトセンターを持ち、運用の実績があったことです。「いつモ」は実証運行の段階ではありますが、円滑な利用者対応を行うにTMJの知見が必要と考えました。皆様にご尽力いただいたお陰で、大きなトラブルもなく実証運行が進んでおり、大変ありがたく思っています。

──TMJの仕事ぶりをどのように見ていますか?

上窪様:モビリティ事業における顧客窓口を得意とされているだけあって、安心感があります。利用者から寄せられるさまざまなニーズに丁寧に対応してくださっていて、とても心強く感じています。
利用者が乗り場を見つけられず迷ってしまうことがありましたが、カスタマーセンターのフォローによって無事に乗車することができました。
利用者が乗降場所を見つけられないといったお困りごとに関しては、ミーティングポイントを撮影した写真やGoogleアースを使って周辺情報を確認しながらご案内してもらっています。ミーティングポイントを撮影した写真を見ながら道案内をするというようなノウハウは、モビリティ業務の知見を持つTMJにお任せしたからこそ、先手で取り入れることができたのだと思います。
また、TMJからは運行システムにおける改善提案をもらうこともあります。

──具体的にどのような提案があったのか、お聞かせいただいてもよろしいでしょうか。

上窪様:例えば予約者に送られるSMSの文面や、アプリの地図上でのバス停の見え方など、スムーズな運行やサービスの利便性に直結するような意見を幅広くいただいています。システムの仕様の問題で変更ができないこともありますが、着実にサービスレベルは向上していると感じています。
実証運行中ということもあり、まだ手探りの部分もあります。一緒になってサービスを創り上げていく中で、次第にチームワークが醸成されてきたと見ています。

利用者に寄り添ったサポートに期待

──実証運行後の取り組みなど、今後の展望についてお聞かせください。

上窪様:持続可能な交通運営には、利用しやすいことが大事だと思うのです。まずは、ひとりでも多くの方に「いつモ」をご利用いただくこと。そして、アンケートを通じてたく さんの利用者の声を収集し、サービス改善に生かすことで、皆様にお使いいただけるサービスに育てていきたいです。
現在、通勤用は企業に、市内用は利用者にアンケートを実施しています。市内用のアンケート結果をみると、「いつモ」があることで新たな目的が達成できたという回答があり、非常に手ごたえを感じています。目的地に行くための手段としての交通がある一方、交通手段があるからそこへ行こうと思うように、目的と交通手段には相関関係があると思うのです。双方を担保して、利用者の生活の質をより一層、高めていきたいとも考えています。

江畠様:「いつモ」が皆様の身近な交通手段として使われるように、また、石狩市だけでなく、ほかの街も含めてオンデマンド交通がたくさん走る未来にしたいと考えています。現在行っている実証運行は、そのための布石でもあるのです。TMJには、これからも利用者に寄り添ったきめ細やかなサポートを期待しています。

──「いつモ」を快適にご利用いただき、地域に根付くよう奮励努力してまいります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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