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現場カイゼン


初回投稿日 : 2026/09/29

AIで「無駄な後処理」を高速化するな

「AIで作業が速くなった」だけで満足していませんか。ECRSの原則を、閲覧実績や利用データで判定する定量チェックシートとして解説します。

誰も見ないグラフを5秒で作るAI

「今までオペレーターが通話後に15分かけて入力していた、10項目の詳細なチェックボックスと日報。これを生成AIが通話内容から判断して、一瞬で全自動でチェックを入れ、日報のグラフまで5秒で生成してくれるシステムを開発しました!」と大喜びするDX推進チーム。しかし、その自動生成された綺麗なグラフやチェックデータは、その後のマーケティング部も役員会も、誰も一度も開いて見ていませんでした。

無駄な業務をAIで高速化していませんか?

業務改善には、検討する順番を定めた「ECRS」という絶対的なフレームワークがあります。

E(Eliminate:排除):そもそもその作業を無くせないか?
C(Combine:結合):他の作業とまとめられないか?
R(Rearrange:交換):順序を入れ替えられないか?
S(Simplify:簡素化):もっとシンプルに(自動化)できないか?

最も効果が高いのは、一番最初の「E(排除)」です。今回の失敗は、プロセスの必要性を疑うことなく、一番最後の「S(AIで自動化・簡素化)」に飛びついたことです。不要な業務プロセスをAIで高速化しても、業務改善にはつながりません。

ECRS定量チェックシート

例えば、10項目のチェック項目があるとすると、まず「使われているか」を数値で判定します。

チェック項目 ありがちな定性的な判断  定量的な判断基準例 
排除(E) 「なんとなく必要な気がする」 過去3ヶ月、他部署が参照した回数が0件なら廃止候補
結合(C) 「別々の項目でいいか」 同じ判断に使われる項目が2つ以上あれば統合を検討
交換(R) 「入力順はこれまで通り」 入力に最も時間がかかる項目を先頭に動かせないか比較
簡素化(S) 「とりあえずAIで自動化」 E・C・Rを検討済みの残り項目だけを自動化対象にする

ここで、10項目を1項目ずつチェックした結果、3項目が過去3ヶ月間、一度も経営判断に使われていなかったとします。この場合、その3項目は自動化するのではなく、まず廃止(E)を検討するのが適切です。

今日からの実践ワーク:ECRSシートで入力項目を棚卸しする

☐ CRMの入力項目一覧を書き出す

☐ 他部署に「このデータ、先月何回見ましたか?」と確認し、参照回数を数値で記録する

☐ 参照回数0件の項目から、廃止(E)を検討する

まとめ

誰も見ていない項目をAIで高速入力しても、無駄なデータが速く溜まるだけです。ECRSの原則に沿って、まず「E(排除)」を数値で判定してから自動化に着手する順番が欠かせません。

執筆者紹介

ビジネスのデザイン力で、事業の一翼を担うBPOパートナーのTMJ。将来にわたる経営環境に最適なビジネスプロセスを設計し、事業を代替することで、クライアント企業の継続的な事業成長を総合的にサポートしています。

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