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BPOの基礎知識


初回投稿日 : 2021/04/08
最終更新日 : 2022/06/29

アサーティブコミュニケーションとは?4つの実践ポイントと具体例

アサーティブコミュニケーションで生まれるWin-WInの関係性

アサーティブコミュニケーションは、相手の考えを優先し過ぎたり、自分の考えを伝えることで頭がいっぱいになってしまったりなど、自己表現に関して悩んでいるときに役立ちます。今回は、アサーティブコミュニケーションが重要視されている理由や実践に向けた4つのポイントをはじめ、避けたい自己表現スタイルについても解説します。

アサーティブコミュニケーションとは

アサーティブコミュニケーションとは、自分と相手の双方を尊重した自己表現を指します。アサーティブネスやアサーションと呼ばれることもあります。

アサーティブ(assertive)には、「自信に満ちている」や「積極的」などの意味があります。ビジネスシーンにおいても自分の考えを相手に適切に伝える必要があり、アサーティブコミュニケーションはWin-Winの関係を築く上で重要です。

また、アサーティブコミュニケーションはコーチングなどアクティブリスニング(積極的傾聴)が重要なシーンでも意識することでより効果を高めることができます。

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アサーティブコミュニケーションが重要視される理由

アサーティブコミュニケーションが、日常生活における人間関係だけでなく、ビジネスシーンでも重要視されている背景に関して、ここでは2つのポイントから解説します。

社内コミュニケーションの活性化

1つ目の理由は、社内コミュニケーション活性化への貢献が挙げられます。

相手への配慮を忘れずに自分の考えをしっかりと伝えられる環境は、風通しの良い職場作りに貢献します。そして、コミュニケーションの活性化にもつながることで、従業員同士のチームワークも強化され、生産性が向上するケースも多くあります。

強いチームワークが生まれることで、アサーティブコミュニケーションがより活性化され、企業の持続的な成長も期待できる好循環が生まれやすくなります。

従業員のメンタルヘルスケアに貢献

2つ目の理由は、従業員のメンタルヘルスケア(心の健康)に貢献することが挙げられます。

アサーティブコミュニケーションは、コミュニケーションにおけるストレスの軽減にも効果を発揮します。特にノンアサーティブなコミュニケーションを取る傾向にある従業員にとって、自身の傾向を理解した上で自己表現のあり方を見直すことが重要です。

従業員のメンタルヘルスケアの取り組みとして、アサーティブコミュニケーションが根付くことで、ストレスが原因の離職を未然に防げるメリットもあります。

避けたい自己表現のスタイル

アサーションを提唱したアメリカの心理学者ウォルピィ氏によると、自己表現のスタイルは大きく3つに分けられます。ここでは、アサーティブコミュニケーションとは対照的な避けたい2つの自己表現スタイルについて解説します。

自己表現の3つのスタイル

①アグレッシブ(攻撃的な自己表現)

アグレッシブなコミュニケーションは、攻撃的な自己表現スタイルを指します。

相手よりも自分を優先したコミュニケーションとなり、考えや意見が相手と異なると感情的になり、一方的に自分の主張を押し通そうとする傾向があります。一方通行の自己表現となるため、相手への配慮が足りていないことで相手へ良い印象を与えることが少なく、信頼関係の構築が難しい傾向があります。また、相手からの警戒心が強くなり、防御的な態度を相手にとらせてしまうデメリットがあります。

②ノンアサーティブ(非主張的な自己表現)

ノンアサーティブなコミュニケーションは、アグレッシブとは逆に非主張的な自己表現スタイルを指します。

自分よりも相手を優先したコミュニケーションとなり、相手の意見を尊重し過ぎるあまりに受け身になってしまう特徴があります。周囲の目や評価を気にし過ぎるあまりに自己表現することを恐れ、自分の意見や感情を軽んじてしまいます。そして、不満や不安を抱えてしまうことでストレスをため込んでしまう傾向にあります。また、相手との対立を避けることができても相手優先の判断となることで、誤った判断を招く可能性があるデメリットがあります。

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アサーティブコミュニケーションの4つのポイントと具体例

ここでは実際にアサーティブコミュニケーションを実践する際の4つのポイント「誠実」「率直」「対等」「自己責任」について、それぞれの具体例を交えて解説します。

「誠実」相手への尊重を示す態度と言葉

1つ目のポイントとして、相手への尊重を示す誠実な態度と言葉選びが重要であることが挙げられます。

自分と相手のどちらも尊重するというアサーティブコミュニケーションの原則に基づいたポイントとなっています。

アグレッシブ(攻撃的)な傾向にある方は、自分本位の一方通行なコミュニケーションになっていないか注意が必要です。

一方でノンアサーティブ(非主張的)な傾向にある方は、相手の状況や意見を尊重するあまり、本意ではない言葉や忖度(そんたく)した態度は避けることも大切です。

相手と自分の意見が異なる場合にも、無理やり賛同する必要はありません。その際には反論するのではなく、一度相手の考えを受け止めながら、自分の考えも示すことがポイントとなります。誠実な態度と言葉を通してコミュニケーションを取ることで、お互いを尊重したWin-Winなアサーティブコミュニケーションの実現に近づくことができます。

「率直」感情を相手が受けとめやすい言葉で伝える

2つ目のポイントとして、自分の感情を相手に受け止めやすい言葉で伝えることがあります。

アグレッシブ(攻撃的)な傾向がある方は、相手に受け止めてもらいやすい言葉選びをすることで、感情をぶつけたストレートな表現を和らげ、相手との信頼も築きやすくなります

ノンアサーティブ(受け身的)な傾向がある方は、感情を言葉で伝えることで感情を抑えて我慢してしまう状況をなくし、自分のストレスを軽減しながら相手とのコミュニケーションを深めることができます。

相手側の立場だったら自分はどう感じるかということを考えた上で、言葉を選ぶことが大切です。

「対等」前向き・肯定的な表現で伝える

3つ目のポイントとして、前向きで肯定的な表現でコミュニケーションを取ることが挙げられます。

たとえば、業務が立て込んでいる中である依頼を受けた時、

「今日は時間がないのでできません
の代わりに
「明日であれば、時間を作ることができますがいかがでしょうか」

と伝えることで自分の状況を伝えながら相手を否定しないことで、コミュニケーションもスムーズになります。

「〇〇できない」という否定的な表現では相手が受け止めづらい一方で、「〇〇であれば〇〇できる」など肯定的な表現に転換することで相手は受け止めやすくなるのです。

「自己責任」メッセージで伝える

4つ目のポイントとして、I(私)メッセージで伝えることが挙げられます。

I(私)メッセージとは、I(私)を主語にしたメッセージの伝え方です。You(あなた)を主語にしたメッセージでは、伝え方が第三者的になることで本人は無意識でも相手は攻撃的な表現として解釈してしまうリスクがあるのです。

たとえば、相手の発言で理解できなかった部分があった時、

「あなたの発言は分かりにくいです」
の代わりに
「私の理解不足な部分があり、質問させていただけませんでしょうか」

と伝えることで柔らかい表現になり、相手も抵抗なくメッセージを受け止めることができます。

また、I(私)メッセージで伝えることで、自分の考えを述べる行為に自己責任が伴うようになります。特にノンアサーティブ(非主張的)な傾向にある方は、I(私)メッセージで伝えることを意識することで、相手優先になることで生まれる誤った判断を未然に防ぎ、自分の考えも尊重したコミュニケーションに近づけることができます。

アサーティブコミュニケーションでWin-Winな関係構築を

アサーティブコミュニケーションは、職場全体に浸透することで社内コミュニケーションが活性化され、Win-Winな関係構築につながります。具体的には、人材育成や研修のプログラムに取り入れることで、従業員のアサーティブコミュニケーションへの理解を深めることが可能です。

株式会社TMJでは、従業員の働き方において多様なスタイルを尊重する「with your style」をビジョンのひとつとして掲げており、CI(コーポレートアイデンティティ)の実現に向けてアサーティブコミュニケーションも大切にしています。

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