BPOの基礎知識
個客対応の質を高める方法のひとつとして、「FAQ」を取り入れる企業が増えています。顧客が気軽に企業に問い合わせることができる今だからこそ、自社の企業価値を高めるためにもFAQに取り組む必要性が高まっています。今回は、FAQの意味とともに、混同されやすいQ&Aとの違いや問題解決だけにとどまらない活用用途について詳しく解説します。
FAQとは
FAQとは、具体的にどのような意味なのでしょうか。ここでは、FAQの意味と活用場面についてご紹介します。
FAQの意味
FAQとは、「Frequently Asked Question」の略称で、「よく尋ねられる質問」や「よくある質問」を意味します。「エフエーキュー」と読むのが一般的です。
FAQでは、質問と回答が対になった形式となっています。何らかの疑問をもった人がFAQを参照することで、不明点を解決することを目的に作られています。
FAQには、顧客を対象とした外部FAQと社内を対象とした内部FAQの大きく2種類あります。本記事では、顧客を対象とした外部FAQを中心に解説していきます。
FAQの活用場面
顧客からの質問や問い合わせに対応した外部向けFAQは、商品・サービスのウェブサイト内にFAQページとして設置されることが多いです。
社内の従業員の問題解決を目的とした内部向け社内FAQは、社内ポータルサイトにて活用されることが多くなっています。
Q&Aとは
FAQと似ている言葉として、QAがあります。FAQを正しく理解する上で、QAの意味も理解することが重要です。ここでは、QAの意味と活用場面についてご紹介します。
Q&Aの意味
Q&Aとは「Question and Answer」の略称で、「質問と答え」を意味します。「キューアンドエー」または「キューエー」と読むのが一般的です。
FAQと同様に、質問と回答が対となった形式となり、質問の解決を目的としています。
Q&Aの活用場面
Q&Aは、マニュアルに活用されることが多いです。Q&A形式で端的に情報を整理することで、それぞれの場面に応じて情報が見つけやすくなります。
また、Q&Aとしてマニュアルの本体と切り分けて情報を掲載することで、マニュアル本体の情報量が多くなりすぎることを防ぎ、利便性が高くなります。
FAQとQ&Aの共通点
F&QとQ&Aは混同されることが多い背景として、共通点が多いことがあります。ここでは、3つの共通点について解説します。
形式
FAQとQ&Aは、どちらも質問(Q)と回答(A)を対でまとめているという形式が共通しています。
目的
両者の目的として、質問への回答を提供することで顧客やユーザーの不明点を解消するという目的が共有しています。問題解決を通して、顧客満足度の向上に貢献しています。
業務コスト削減への貢献
FAQを導入することで問い合わせ対応に充てていた業務コストを削減することができます。顧客やユーザーからの問い合わせが多い場合、それらに対応するために多くの人員が必要となります。そこでFAQを導入し、よくある質問を解決できれば問い合わせの数が減り、問い合わせ業務を削減することができます。
たとえば、FAQの導入により必要な人員を絞ることができれば、人件費を削減できる可能性があります。
また、問い合わせ対応を業務の一部として対応していた場合も、コア業務に費やす時間や労力を増やすことができます。コア業務に集中することで、生産性を高め、企業の収益アップにも貢献できます。
FAQとQ&Aの違い
FAQとQ&Aは重なる部分が多い反面、提供情報の内容や量に違いがあります。
提供情報
まず、FAQは実際に寄せられた質問に対して回答をまとめたものですが、Q&Aは必ずしもそうであるとは限りません。Q&Aの場合は、質問されそうな内容をあらかじめ予想して質問と回答を作ることもあるという違いがあります。
情報量
また、FAQは「よく尋ねられる質問」のみを厳選して掲載しているという特徴があります。一方、Q&Aでは寄せられた質問や想定される質問をすべて掲載し、情報量が多いという違いがあります。
実際には、企業によって大きな違いを設けていないこともありますが、疑問を解決することに役立てられていることが最も重要なため、違いにとらわれすぎる必要はありません。
これからFAQを導入するのであれば、それぞれの意味について理解することでより効果的に活用しやすくなります。
FAQの活用用途
FAQを導入することで、疑問を解消するだけにとどまらず、様々なシーンに活用することができます。ここでは、FAQの具体的な活用用途について解説します。
顧客ニーズを知る
FAQを取り入れることで、顧客の声(VOC)や多様なニーズを知ることができます。
FAQを作る上で、顧客からの寄せられた質問や問い合わせを集約し、「よくある質問」をピックアップする必要があります。ここで、顧客の生の声に触れる機会が生まれます。そして、FAQに取り入れるべき質問内容を把握できるだけでなく、顧客のニーズも知ることができるのです。
顧客の問い合わせから垣間見えるニーズの中には、新たなサービスや製品の開発に役立つヒントが隠されていることも珍しくありません。また、顧客の心により響く営業手法も明らかになる可能性があります。
また、FAQは一度作成して終わりではなく、定期的に見直すことも大切です。定期的に見直すことで、顧客のニーズの変化にもいち早く気付くことができ、商品やサービスの改善につなげ、より顧客満足度の高い商品やサービスを顧客に届けることができます。
カスタマーサクセスへの活用
企業のホームページにFAQを掲載することで、カスタマーサクセスに活用することもできます。カスタマーサクセスとは、企業側から積極的に顧客に関わることで顧客満足度を高め、企業価値を高める取り組みです。
企業によっては、カスタマーサクセスの部署を設け、顧客へアプローチをしているケースもあります。そこで、FAQページを設けることで、先回りして顧客の疑問や不明点を解決することができます。
顧客にとっては、企業の営業時間に縛られずに自身のタイミングに情報を得ることができ、電話やメールで状況を説明して問い合わせを行う手間を省くことができるというメリットがあります。FAQでは、盛り込む情報次第ではカスタマーサクセスの役割を一部担うことができるのです。
営業支援の役割
FAQは、営業活動を支援する役割も果たすことができます。
顧客から寄せられる「よくある質問」がFAQページ内で確認できることで、顧客は営業担当者や問い合わせ窓口へ連絡する手間を省くことができます。
FAQが営業活動の一部を担うことで、企業は問い合わせ対応にかけていた労力を他の業務に充てることができ、営業活動の強化や細かな顧客ニーズに寄り添った対応も可能となります。
FAQを取り入れて、企業の生産性を高めよう

FAQを取り入れることで、顧客満足度の向上やコスト削減による生産性の向上など、顧客と企業の両者にメリットがあります。その一方でFAQを効果的に活用するためには、導入の目的を明確にした上で計画的に取り組む必要があるでしょう。
株式会社TMJでは、顧客向けのFAQインテグレーションサービスや社内向けの社内ヘルプデスクサービスなど、外部FAQも内部FAQどちらにも対応したサービスを提供しています。
また、お客様の声(VOC)をAIで分析するVOC-AI分析サービスも提供しております。FAQ導入をご検討の際は、ぜひご相談ください!お問い合わせは、<こちら>。
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