BPOの基礎知識
コンタクトセンターでは、働く年齢層が幅広いという特徴があります。学生アルバイトから、子育てが一段落したミドル層、定年後のシニアまで、さまざまな世代が同じ現場で働いています。
また、電話対応だけでなく、チャットやメール対応、バックオフィス業務など、担う役割も多岐にわたります。そのため、自分より年上のメンバーを部下として持つケースは、決して珍しくありません。
「指示を出す相手が年上だと、言葉を選びすぎてしまう」
「お願い口調になってしまう」
「注意すべき場面でも、年齢が気になって見過ごしてしまう」
そんな経験はないでしょうか。年上の部下に気後れしてしまうことは、相手に敬意がある裏返しでもあります。
しかし、その気後れが積み重なると、本人も自身の課題に気付けず、成長の機会を奪ってしまうことにもつながります。
今回は、年上の部下をもつコンタクトセンターの管理者向けに、意識したい3つのポイントを解説します。
管理者が意識したい3つのポイント
中年新人が持っている「経験」に目を向ける
中年新人は、コンタクトセンター業務の経験はゼロでも、社会人経験や人生経験の積み重ねがあります。相手の立場で考える力・マルチタスクで業務を進める力など、どんな業務にも活用できる経験が豊富にあります。
たとえば、電話やチャットでのクレーム対応では、相手の強い言葉にも動じず、まずは話を受け止め、お客様の状況を整理する力が自然と発揮されることがあります。
そして、気持ちが高ぶっていたお客様自身も冷静になり、むしろ信頼関係を築くきっかけにつなげることもあります。
メールやバックオフィス業務では、相手の意図を丁寧に読み取る力や正確に物事を整理する力が発揮されることもあります。
「この文面だとお客様の誤解を招くかもしれないから、こんな伝え方はどうだろう」と一歩引いて、お客様にとっても心地の良いコミュニケーションにつなげることもあります。
また、チームの空気が重いとき、さりげなくフォローに回り、空気を和らげることができるのも、経験を重ねた人ならではの強みです。
「あなたのこういう部分が、チームにとって力になっている」その一言を管理者が直接伝えることが、本人の自信と職場への愛着につながります。
フィードバックは「対等に・誠実に」
年齢への遠慮で言葉を濁すより、管理者と部下として対等に伝えるほうが、相手も動きやすくなります。
大切なのは「年齢を気にしない」ことではなく、年齢も含めてその人の個性として受け止めながら言葉を選ぶことです。
たとえば、業務に時間がかかってしまう中年新人に対して、「ここができていない」を一方的に指摘するのではなく、「どの部分が難しいですか?」と一緒に言語化する関わりが、信頼関係の土台になります。
一方的に指摘されると心を開けない方も、「実は手順が多くて、焦ってしまう・・・」と本音を引き出せることもあります。
年齢も経験も異なるからこそ、率直に話し合える関係性が、強いチーム作りにもつながります。
「チームの一員」として、切磋琢磨する
「早く戦力に」と焦るより、共に現場をつくる一員として受け入れる姿勢が大切です。年齢も個性も異なるメンバーがそれぞれの強みを発揮できる環境は、チーム全体の底上げにつながります。
また、管理者自身が中年新人の人生経験を頼る場面をつくることも、関係構築の一つです。たとえば、部下をもった経験、子育て経験、介護経験、異業種での経験がコンタクトセンターの現場で意外な形で生きることが十分にあります。
管理者から相談を持ちかけることで、本人の経験が活きる場が生まれ、チームへの帰属意識も高まります。
年齢は、壁ではなく、個性
ベテランにはない戸惑いも、若手にはない落ち着きも、その人ならではの個性として受け取れたとき、関わり方は自然と変わります。
多様な個性・才能・能力を活かせる環境づくりこそ、管理者の大切な役割のひとつです。