BPOの基礎知識
毎日、数字と向き合い、メンバーを鼓舞し、自分にも妥協を許さない。そんな日々を、あなたも送っていませんか。
気合と根性でチームを引っ張る姿勢は、それだけ仕事に真剣であることの裏返しです。誰もができることではありません。
ただ、少し立ち止まって考えてほしいことがあります。「頑張り」の伝わり方が、時代とともに変わってきています。かつて通じたやる気スイッチの押し方が、今の現場では逆効果になっていることがあります。
やり方を少しアップデートする、そのタイミングが今かもしれません。今回は、部下のやる気スイッチの押し方のヒントをお送りします。
なぜ、部下のやる気スイッチが切れてしまうのか
悪意はないのに、スイッチが切れていく理由
やる気スイッチは、押し方を間違えると逆に切れてしまいます。頑張り屋の管理者やリーダーほど、無意識にやってしまいがちなことがあります。
たとえば、月末に目標を達成する見込みが立たないとき。「今月なぜ達成見込みが立っていないのだ」と、プロセスを見ずに結果の数字だけを問い詰めてしまう。
なかなか成果が出ない部下に、「自分が新人の頃は1日100件電話をかけて、もっと必死だったぞ」と、自分の成功体験をそのままぶつけてしまう。
悪意があるわけではありません。自分が今までしてきたやり方で結果を出してきたから、自然と同じように指導に熱が入ってしまうのです。
しかし、部下が疲れ切ってしまい、自分自身も燃え尽きそうだという事態を招いてはいないでしょうか。
「今」の現場と向き合わず、過去のままでいることが、部下のやる気スイッチをいつの間にか切ってしまっているかもしれません。
やる気スイッチを、そっと押す3つのコツ
目標の背景を伝え、納得感を一緒につくる
「今月のアポ目標は30件だ」と一方的に伝えるだけでなく、「なぜ30件なのか」背景を丁寧に伝えることです。
たとえば、「この30件は、チームの月間売上目標を達成するために逆算した数字で、一人ひとりのアポが会社全体の数字に直結している」と一言添えるだけで、部下の受け取り方はまったく変わります。
人は納得して動くとき、最も能力を発揮します。「やれ」と言われて受け身で動く人より、「やりたい」と思って自主的に動く人の方が、強い組織をつくります。
部下が「頑張りたい」と思える、心理的安全性のある状況をつくることが、すべての出発点です。
毎日の小さな積み重ねを、具体的な言葉で褒める
「よくやった」より「今日、あの断られそうな場面で粘り強く対応していたね」と、具体的なシーンを言葉にして返すことで、部下の自信につながります。
アポが取れた日だけでなく、断られながらも丁寧にトークを続けた日、昨日より少しだけ声のトーンが明るくなった日。大きな成果だけでなく、毎日の小さな積み重ねを見逃さないでください。
日々の頑張りに気づき、言葉にして返すこと。それだけで、部下のスイッチは少しずつ変わってきます。
責める前に、まず寄り添う
成果が伸び悩んでいる部下に「なんでできないの?」と責める前に、「最近どう?何か困っていること、ある?」と聞いてみてください。
すると「実はトークスクリプトのこの部分でいつも詰まってしまって…」と、本人も言い出せずにいた本音が出てくることがあります。そこで初めて、一緒に解決策を考えられます。
壁を取り除き、話しやすい空気をつくることも、リーダーの大切な仕事のひとつです。寄り添う一言が、部下の踏ん張る力になります。
チームは、ひとりでは強くなれません
リーダーが燃え尽きてしまったら、メンバーも不安になります。強いチームとは、管理者が独りよがりに頑張ることではなく、チーム全員がお互いの強みを発揮し合える場所をつくることです。
管理者自身も、不安なときは部下に頼っていいのです。「実はこの進め方を迷っていて、どう思う?」と打ち明けられるリーダーの人間らしさが、チームの信頼の源にもなります。
毎日全力で走り続けている、そんな頑張り屋の管理者こそ、チームの未来を変えられます。