BPOの基礎知識
オペレーターに対して「どうして同じことを何度も聞いてくるんだろう」と感じたことはありませんか? その問題、ナレッジマネジメントの導入で解決する可能性が高いです。ナレッジマネジメントは、大がかりなシステムがなくても今日からでも始められます。
ナレッジマネジメントとは
ナレッジ(知識)を組織で共有・活用する仕組みのこと。コンタクトセンターにおいては、個人の頭の中にあるノウハウを、誰でも使える形にすることと捉えるとわかりやすいです。システム導入が必要と思われがちですが、それは誤解です。
ナレッジマネジメントがない現場で起きていること
ご自身のセンターの状況を振り返ってみてください。
応対品質が個人に依存している
ベテランと新人で、顧客への説明の質や、返答までのスピードに明らかな差があり、結果としてCX(顧客体験)にばらつきが発生している状態。応対品質のばらつきは、顧客満足度の低下や、クレームの原因になります。
類似のエスカレーションが発生している
対応方法が共有されていないことや、必要な情報が探しづらい状態になっていることが原因で、その場でオペレーターが自己判断できず、エスカレーションにつながっている可能性があります。これらの対応が積み重なることで、SVの負荷増大と処理効率の低下を同時に招きます。
離職のたびに応対品質が低下する
ノウハウが特定のベテランの経験や記憶に紐づいていた場合、退職や異動で現場が一気に不安定になります。採用・育成にコストをかけても、知識が「個人」にしか蓄積されない構造では、同じ問題が繰り返されます。
これらは個人の問題ではなく、仕組みの問題です。
ナレッジマネジメントの始め方
難しく考える必要はありません。まずはこの3ステップから始めてみましょう。
① 「よくある質問TOP10」を書き出す
週次の問い合わせログを見れば、すぐに見えてきます。「支払い方法を変更したい」「解約手続きを教えてほしい」「パスワードを忘れた」など、毎日必ず来る問い合わせから着手するとスムーズです。完璧なリストを目指す必要はありません。まずは10本リストアップしましょう。
② 回答を「誰でも使える言葉」に直す
ベテランオペレーターが実際に使っている言い回しをヒアリングし、テキスト化します。「臨機応変に対応する」ではなく、「『話が違う』と言われた場合は、まずお詫びした上で契約内容を確認しながら説明する」のように、状況と行動をセットで書くことがポイント。この作業自体が、暗黙知を形式知に変える第一歩になります。
③ 使ってもらえる場所に置く
最初は共有フォルダでもチャットツールでも構いません。例えばチャットツールに「よくある質問」専用チャンネルを作り、カテゴリ別に回答を投稿しておくだけでも、オペレーターが対応中にすぐ検索できる環境が生まれます。大切なのは「すぐ開けること」と「定期的に更新し続けること」の2点です。
まとめ
ナレッジマネジメントは、最初から大きな仕組みをつくる必要はなく、小さな習慣から始めることが大切です。
「何を・どこに・どんな形で残すのか」という型と置き場所を示すことが、最初の一歩になります。完璧を目指すよりも、まずは動かしてみること。それがナレッジマネジメントを根付かせる一番の近道です。
最近はAIを活用したツールも登場しており、問い合わせ履歴からよくある質問を自動で抽出したり、回答候補を生成したりと、今回ご紹介した3ステップをサポートする仕組みも整いつつあります。手作業での運用に限界を感じたとき、次の選択肢として検討してみてください。
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