BPOの基礎知識
朝礼でCXの重要性を伝えたり、マニュアルに「顧客体験を意識」と明記したり工夫しているのに、現場のオペレーターの動きが変わらない——そんな経験はないでしょうか。
その原因は、CXという言葉が抽象的すぎることかもしれません。管理職には自明でも、新人オペレーターには「結局、何をすればいいのか」が見えていない可能性があります。言葉が届いていないのではなく、言葉が動作に変換できていないのです。
CXとは、電話を切った後の「気持ち」
CXとは、顧客が企業と接するすべての過程で得る体験と感情の総称です。コンタクトセンターに限れば、電話がつながるまでの待ち時間、オペレーターの対応、そして問題が解決したかどうかといった要素が影響します。
ただし、最も大切なのは「結果」ではなく「感情の着地点」です一言で表すなら、CXとは「電話を切った後、お客様がどんな気持ちになっているか」です。
コンタクトセンターは感情が最も揺れる接点
「商品が届かない」「請求額がおかしい」など、顧客が問い合わせをするときは、不安や焦り、怒りのように、感情が揺れた状態であることが多いです。
だからこそ、コンタクトセンターでの体験は記憶に残りやすく、丁寧に解決してもらえた体験は企業への信頼になります。一方で、問題は解決できても、お客様が不安や不信感を抱えたまま電話を切れば、それは良いCXとは言えません。オペレーター一人ひとりの対応が、CXの質を左右しているのです。
CXを理解してもらう方法
感情の着地点を想像してもらう
では、「電話を切った後のお客様の気持ちまで意識する」ことをオペレーターに伝えるには、どうすればよいのでしょうか。
それは、オペレーターの応対が終わった後に、「さっきのお客様、電話を切った後どんな気持ちだったと思う?」と、聞いてみることです。「問題を解決できたか」ではなく、「感情はどこに着地したか」を自分で想像してもらうことが、CXを体感させる最短ルートです。
最初は「解決できたので大丈夫だと思います」という答えが返ってくるかもしれませんが、そのときはもう一歩「お客様、安心して電話を切れたと思う?」と、問いを重ねてみてください。このやりとりを繰り返すことで、オペレーターは「解決した」と「気持ちの着地」が別のことだと、気付けるようになります。
CXを考える習慣を現場に根付かせる
オペレーターはお客様の気持ちを起点に自分の対応を振り返ることを繰り返すことで、マニュアルでは育てられない対応力を身につけることができます。
言葉を一つ変えるだけで、オペレーターの視点は「処理」から「体験」へと変わります。管理者として必要なのは、CXを説明することではなく、CXを考える習慣を現場に根付かせることなのかもしれません。
まず明日の朝礼で試してみてください
難しい施策は必要ありません。明日の朝礼でたった一言、「電話を切った後のお客様の気持ちを想像してみて」と伝えるだけで十分です。現場が変わるきっかけは、いつも小さな言葉からはじまります。
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