BPOの基礎知識
「なぜこのやり方なんですか?」と聞いたら、「今までもずっとそうだから」といわれて腑に落ちないまま、困っていませんか?コンタクトセンターの現場に根づいた暗黙のルールを変えたいのに変えられない、その背景と変えるアプローチをご紹介します。
コンタクトセンターに潜む「暗黙のルール」とは
こんな光景に心当たりはないでしょうか。
- 「困ったらあの人に聞く」 ――マニュアルに記載されていないイレギュラー対応は特定のメンバーしか対応できず、その人に負担が偏っているのに、誰も問題視していない
- 「エスカレーションは本当に困った時だけ」 ――エスカレーションの基準が曖昧で、「これくらいで相談したら怒られる」という空気があり、一次解決率も低いまま、現場の空気が重い
- 「休憩は先輩より先に取りにくい」 ――シフト上は自由なはずなのに、なんとなくの順番が存在し、働きづらさを感じているメンバーがいる
暗黙のルールで現場でも誰かが困っているのに、変わらずに続けられてきたというケースが決して珍しくありません。
変えたくても、変えられない背景
なぜ、暗黙のルールを変えるのが難しいのでしょうか。
特に異動でコンタクトセンター配属になり、管理を任された立場だと、現場を良くしたいからこそ暗黙のルールを変えようと提案をしても、「現場をわかっていない」と反発されることがあります。
コンタクトセンターは、経験年数や応対スキルが現場の空気感や意思決定への影響が大きいという背景があります。そのため、異動や未経験で着任した企画担当は、現場から距離を置かれがちです。――しかし、実はここに突破口があります。
暗黙のルールを変えるための3つのアプローチ
① 現場の背景の理解から始める
現場に新しい立場だからこそ、今までの当たり前を当たり前だと思わずに問うことができます。
その際に、数字や定説を振りかざすのではなく、まず現場の背景の理解から始めることが信頼の入口になります。
たとえば、「困ったらあの人に聞く」というルールに対して、「なぜその人に集まるのか」という背景を知ることから始めてみる。そして、その人のノウハウや知識をチームで共有する仕組みづくりへの提案につながります。
特定の誰かへの負担を減らすことにもなり、現場にとってもメリットのある変化として受け入れられやすくなります。
② 新しい空気を持ち込む
コンタクトセンターの現場は、慣習に慣れすぎて課題に気づきにくくなっていることがあります。
上下関係だけでなく、チームとしての信頼関係があってこそ、全員が最大限に能力を発揮できます。
「エスカレーションは本当に困った時だけ」のルールがあることによって、現場で相談しにくい空気があるかもしれません。「相談しやすい空気をつくること」を、チーム全体のパフォーマンス向上という視点から提案してみましょう。
③ 「知らない」をトライアルの起点にする
「まず2週間だけ試してみませんか?」と一気に変えず、小さなルール整備から始めることで現場にも受け入れられやすくなります。
現場をよく知らないからこそ、しがらみなくトライアルを提案できるのも、新任担当者ならではの強みです。
たとえば、休憩のタイミングをルールとして明文化するだけで、働きやすさが改善されることがあります。さらに、休憩のタイミングが重なることでメンバー同士の交流が生まれ、リフレッシュや刺激し合う機会につながることもあります。小さなトライアルが、思わぬ変化の連鎖を生み出します。
現場を変える最初の一歩
風通しの良い環境は、チームを強くします。暗黙のルールを壊すのではなく、現場と一緒に更新していくことで、変わらない組織ではなくアップデートし続ける組織に進化する――その第一歩を、あなたが踏み出せるかもしれません。