BPOの基礎知識
生成AIによりボイスボットは、これまでの限界を超え、より人間に近い対応を実現しつつあります。本記事では、ボイスボットに生成AIを組み合わせたことによる変化とコンタクトセンターへの導入効果について詳しく解説します。
生成AIでボイスボットはどう変化するのか
生成AIの台頭により、ボイスボットは従来の単純な応答システムから大きく進化しました。特に、自然な会話ができるようになり、顧客とのコミュニケーションがよりスムーズになっています。
これまで以上に高度な「意図理解」を実現
従来のボイスボットは、事前にプログラムされたスクリプトやキーワードに基づいてQAデータベースから近い内容を選択して回答しており、長い会話では適切な回答が選択されないという課題がありました。
生成AIを搭載することで、長い会話や複雑な質問でも意図を正しく理解し、QAデータベースから適切な回答を選択できるようになります。オペレーターに問い合わせる要領でボイスボットを活用することが可能になるということです。
自然な電話対話を実現
生成AIにより、①ユーザーの発話に応じて情報を理解する「意図理解」と、②不足している情報を整理し次のヒアリング内容を選択する「対話管理」、③ヒアリング項目に合わせた文言生成をする「言語生成」ができるようになります。
複数の要素をまとめて理解することができるので、不足情報のみをヒアリングするという人の対応と同等の対話が実現します。
さらに、ボイスボットの質問回数や、顧客が繰り返し同じ情報を伝える時間が削減されるため、通話時間を大幅に短縮することが期待されます。
商品名を精度高く特定可能
例えば、聞き取った商品コードが「KLA2500円A」に対して、実際の商品コードが「KSA2500SA」のように、聞き取った内容にゆらぎが発生するケースがあります。
生成AIを活用することで、問い合わせ内容のゆらぎを補正したうえで、データベース検索を行うことが可能になり、商品やサービスの特定精度が格段に向上します。短時間で必要な対応につなげられるため、エフォートレスな顧客体験の提供が可能になります。
ボイスボットの活用事例
前述したボイスボットの特性を活かすことで、活用の場面や範囲が広がります。具体的にどのような活用方法があるのか、以下に事例をご紹介します。
交通規制情報に関するお問い合わせ対応(自治体)
交通規制情報に関するお問い合わせ窓口は、降雪などの悪天候により入電が殺到することがあります。複数件の同時接続が可能な生成AIボイスボットを導入したことで、基本的に入電を取りこぼすことがなくなりました。職員の業務負担の軽減と住民のユーザビリティ向上を同時に実現した事例です。
各種受付業務(生命保険会社)
給付金請求・登録情報変更・証明書再発行の電話受付に、生成AIボイスボットを導入することで対応工数を削減しつつ、電話口での待ち時間をなくしてお客様満足度向上を実現しました。その際、RPAを連携することで後続処理も併せて自動化することが可能となり、繁忙期に合わせたオペレーター増員を抑制できた事例です。
ボイスボットはさらに人間らしい応対が可能に
生成AIの連携により、ボイスボットはますます使い心地のよいコンタクトチャネルへと進化しています。また、活用可能な範囲や場面が広がることで、期待できる導入効果も大幅に向上します。
TMJではボイスボットの導入・設計から運用・改善までをサポートする「TMJ VoiceBot」を提供しております。早期にAIソリューションをコンタクトセンターに導入し運用してきた実績を基に、効果の最大化につながる提案をいたします。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。
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