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専門家コラム


初回投稿日 : 2024/11/26

<CCの専門家が語る>2024年 - 生成AI時代のコンタクトセンター現在地

2024年、コンタクトセンター業界は生成AIの導入によって劇的な変革を迎えています。
生成AIの市場規模は全世界で驚異的なスピードで拡大しており、2023年の113億米ドルから2030年には2000億米ドル超に達すると予測されています。この成長はメディア・エンターテインメント領域で特に顕著ですが、自然言語処理技術や学習機能の進展がコンタクトセンター業界にも大きな影響を与えています。

顧客体験(CX)の向上という狙った効果を期待できる一方で、生成AIの導入にはまだまだ多くの懸念や課題が存在します。クラウドシフトとともに、生成AIが中心的な役割を果たすこの時代において、いかにして最大限の効果を引き出すか。

1.「生成AI時代のコンタクトセンター」とは

 未来型ロボットが働く時代がやってきた!?

「生成AI時代」や「次世代型~」という言葉を耳にすると、多くの人が優秀な知能を持ったロボットが働く未来を想像するかもしれません。SFやマンガの世界では、高度な知能と感情を持つロボットが、人間の友人やヒーローとして描かれ、困難な状況で助けてくれる頼れるパートナーとして活躍しています。これらのロボットは、人に代わってさまざまな分野で働き、人々の生活を豊かにし、精神的なサポートもしてくれます。

コンタクトセンター(以下、CC)にも、ロボットが自ら考え、お客様と対話する時代が到来したのでしょうか?

答えは「NO」です。
SFやマンガのような意思を持つロボットや人工知能の実現はまだ夢の段階であり、仕事を完全に引き渡すことは現時点では難しいです。

では、「生成AI時代のコンタクトセンター」「次世代型コンタクトセンター」は、今までのコンタクトセンターとは何が違うのでしょうか?

明確な定義はありませんが、これらのCCは従来のCCとは異なり、技術やサービスが次の段階へ進化していることを意味します。
物理的なロボットはいなくとも、AI(人工知能)やさまざまなテクノロジーを活用することで、人々の働き方に変化をもたらし、CCのオペレータや管理者、そしてお客様をサポートし、技術と人間性が調和したより便利で幸せな社会を実現できると考えられています。
 
 

 2024年冬 - コンタクトセンター領域における“AI活用”の現在地

現在のコンタクトセンターにおいて、生成AIはどのような位置づけにあるのでしょうか?

2024年冬時点でのコンタクトセンターでは、生成AIを活用した様々なツールが導入され、それらは顧客対応の自動化を推進する重要な役割を果たしています。

生成AIは、お客様の意図を理解し、適切な回答を生成することができるため、特に、チャットボットや音声アシスタントとしての活用が進んでいます。生成AIを活用した顧客対応のツールは、24時間体制でお客様からの問い合わせに対応し、人的リソースを削減しつつ、迅速なサービス提供を可能とします。その結果、お客様は待たされることなく情報を得ることができ、満足度が向上します。

さらに、生成AIを活用すれば、行動パターンを学習し、過去のお問い合わせ履歴や行動データを基にした予測を行うことができます。また、パーソナライズされた対応を行うことも可能です。このようなアプローチを受けたお客様は、より満足し、企業評価を高め、ブランドロイヤリティの向上にもつながります。

<2024年冬時点での生成AI現在地まとめ>

結論:業務効率向上・顧客体験革新のための重要なツール

お客様視点 AIを活用した自動応答システムにより24時間対応が可能になり、顧客はいつでもほしい形での快適なサポートを受けられる
事業者視点 データ分析により、顧客ニーズを迅速に把握し、データ活用により瞬時にパーソナライズ(個別)対応が可能。カバー領域は拡大。徹底的な効率化・顧客満足度向上も実現できている

果たして今、貴社のコンタクトセンターはこのような状態に到達できているでしょうか?

生成AIはコンタクトセンターの業務効率を向上させるだけでなく、顧客体験を革新するための重要なツールとなっています。今後、さらなる生成AI技術の進化に伴い、コンタクトセンターに対しても多くの可能性が拡がることが期待されています。
 
 

2. 「生成AIを組み込んだコンタクトセンター」でできること

 人間とAIの協働による新しい働き方

// 人間とAIの協働=共生 //

生成AIの進化は、人間とAIの協働による新しい働き方をもたらしています。

AIがルーチン業務やデータ分析を担当する一方で、人間はより創造的で戦略的な業務に集中できるようになります。このような役割分担により、人間は複雑な問題解決やお客様との信頼関係構築に専念でき、より付加価値の高いサービスを提供できるようになります。

さらに、AIと人間の協働は、業務の柔軟性を高め、働き方改革にも寄与します。AIが24時間体制でサポートを提供することで、オペレータはより柔軟な勤務時間を選択でき、ワークライフバランスの向上が期待されます。また、AIが提供するデータ分析結果を活用することで、人間はより的確な意思決定を行うことができ、業務の質そのものも向上します。

AIの進化に伴い、コンタクトセンターのオペレータの役割は変化し、AIの導入によりスタッフのトレーニングや育成も新しい形になります。

従来のマニュアルに基づく教育から、AIとの協働を前提としたトレーニングへとシフトすることで、スタッフのスキル向上が図られます。顧客との接点となるコンタクトセンターは、技術と人間の融合により、より高い顧客満足度と業務効率を実現する場となるでしょう。

AIと人間の協働による新しい働き方は、CCのみならず、企業の未来を切り開く鍵となると言えます。

 自動化や効率化だけではない!生成AI時代の課題解決力

// 生成AIがもたらすコンタクトセンターへの影響・メリット //

生成AIがコンタクトセンターにもたらす効果として大きく謳われているのは、次の点です。

  • 顧客対応の効率化
  • 業務プロセスの変革
  • 顧客対応の質向上
  • コア業務集中(役割分担)

 
// 自動化や効率化以上に効果を生む、生成AI時代のコンタクトセンター //

主な導入効果として、上記4つをあげましたが、他にも生成AIがコンタクトセンターにもたらすメリットはあります。

パーソナライズされた顧客対応の実現

生成AIの導入により、コンタクトセンターは過去の顧客データを活用して、よりパーソナライズされたサービスを提供できるようになります。つまり、お客様の過去の行動や嗜好を分析し、より個別化されたサービスを提供することで、顧客ロイヤルティの向上にも寄与することができるようになるのです。具体的には、お客様の購入履歴や問い合わせ内容を分析し、個別のニーズに応じた提案を行うことができるということ。

このアプローチは、お客様が求める情報を迅速に提供し、より深い関係を築く手助けとなります。
例えば、特定の製品に関する過去の問い合わせを基に、関連商品を提案することで、顧客満足度を高めることができ、お客様は自分のニーズが理解されていると感じ、リピート率の向上にも寄与します。

AIデータ分析による未来のニーズ把握

また、AIは、お客様の要望に応えるだけでなく、予測分析を通じて未来のニーズを先取りすることも可能です。

例えば、お客様の行動パターンを分析し、次に必要とされるサービスや製品を提案することで、お客様の期待を超える体験を提供します。このようなアプローチは、ブランドロイヤルティを高め、長期的な関係構築に寄与します。さらに、AIによるデータ分析は、企業が市場のトレンドを把握し、競争力を維持するための重要な要素となります。

徹底的な効率化を図る以外でも、本来の目的であるCXを高めることができるのが生成AIを活用するメリットと言っても過言ではないのです。
 

 課題解決に失敗しないためのプロセス

さまざまな効果を生み出す、生成AIツールですが、「とりあえず、最新のツールやサービスを取り入れれば、問題をはやく解決してくれるのでは・・・?」

そう考えたことはありませんか?

労働集約型からの脱却を目指し、最新のシステムやツールを個別に導入するも、利用が限定的で一貫性を伴わないことから個別最適化に留まり、せっかく導入したシステムやツールの効果をうまく発揮できていない、そんなケースは過去にも数多く見てきました。

生成AI時代のコンタクトセンターには多くのテクノロジーが装備されます。

しかし、その扱い方を理解しないまま、単にシステムやツールだけを導入してしまうと、使いこなせずにかえって業務効率が悪くなってしまったり、顧客から利用されないコンタクトセンターになってしまうこともあります。そうならないためには、まずは全体像および、それぞれのツールが果たす役割を正しく理解することが大切です。

役割を正しく理解するとは、「実際に自社に導入した場合の効果を正しく把握する」ということです。そのために踏むべきステップがあります。詳しくは、このあと説明していきます。
 

3. 品と質のCC運営実績を誇るTMJが "次世代に必要と考えるコンタクトセンター"

ここまで述べたように、生成AIはコンタクトセンターの未来を切り開く鍵となり、企業の競争力を強化するための重要なツールとして位置づけられています。

今後の生成AI技術の進化に伴い、さらなる可能性が拡がることが期待されており、企業はこれを活用して顧客体験を革新し続けることが求められます。
 

 次世代型CC構築のためのソリューション「TMJ Generative Solution」

 
// 生成AI時代のCC構築ソリューション //

そこでご紹介したいのが「TMJ Generative Solution」です。

コンタクトセンターの未来を切り開く「TMJ Generative Solution」は、生成AIを活用した革新的なソリューションです。このソリューションは、生成AIの力を最大限に活用し、コンタクトセンターの業務効率化と顧客体験の向上を実現するために設計されています。

参考)TMJ Generative Solution サービスイメージ  → 詳しくはこちら
 

// 課題に寄り添い、伴走し続ける心強いパートナー //

TMJは、BPO企業として自信を持って製品を提供し、クライアントのニーズに応じた提案を行っています。
事業全体を広い視座で見渡し、アドバイスを行うパートナーとなり、伴走し続けます。
これからデジタルプロダクト導入を検討されている企業やすでに導入済みの企業においても、プロジェクトを成功に導くためには、パートナーの存在はとても重要です。

― 貴社の傍らに、相談しながら歩みを共にできるパートナーはいますか?
 
 

 利用者にとってのメリット

// 真のメリットは管理者業務への活用 //

コンタクトセンター領域において、生成AIを活用したオペレータ業務の効率化は多く謳われていますが、我々のサービスでは、一般的な業務効率化を超えて、管理者にとっても多くのメリットを提供します。

データ分析と意思決定の迅速化

AIによるデータ分析とレポート生成の自動化は、管理者にとって大きな利点です。これにより、管理者は迅速に意思決定を行うためのインサイトを得ることができます。リアルタイムでのデータアクセスは、戦略的な計画を立てる際の時間を大幅に短縮し、より効果的なビジネス戦略の策定を可能にします。

パフォーマンスモニタリングとフィードバックの強化

「TMJ Generative Solution」は、オペレータの業務効率や顧客対応の質をリアルタイムでモニタリングします。これにより、管理者は個々のオペレータの強みと改善点をオオペレータィードバックやトレーニングを提供することができます。

これにより、チーム全体のパフォーマンス向上が期待でき、組織の成長を促進します。

 

// 未来を見据えた選択 //

AIがルーチン業務を自動化することで、管理者はより重要な業務に集中できるようになります。これには、チームのモチベーション向上や組織全体のパフォーマンス向上に向けた施策の策定が含まれます。AIの活用により、管理者はより戦略的な役割を果たし、組織の成長を促進することができるのです。

「TMJ Generative Solution」は、コンタクトセンターの業務効率化と同時に、管理者業務の革新を実現するための強力なソリューションです。

単なる生成AIツール導入によるオペレータの業務の自動化や効率化だけでは効果は最大化できません。本来最も手をつけづらい管理者の業務にメスを入れ、役割を再定義することで、さらに組織全体のパフォーマンスを向上させることができるのです。

「TMJ Generative Solution」は、コンタクトセンター全体を変革する可能性を秘めています。
真の効率化を見据えた選択の1つとして、ぜひ、ご検討ください。
 
 

まとめ

 生成AIは「社会実装」の時代へ


ここまで生成AIの能力とコンタクトセンターにおける現在地について述べてきました。

生成AIは、単なる技術革新の域を超え、社会実装の時代へと突入しています。今は誰もが生成AIを利用できる環境が整ってきています。そして、今、企業は生成AI技術の活用により、顧客体験・満足度の向上やプロセスの自動化など、さまざまな分野の活動に取り組み始めています。

今後、生成 AI の技術革新は、競争力の向上やイノベーションの促進に貢献し、ビジネスの成長に大きく関わっていくものと言えるでしょう。

コンタクトセンターにおける業務効率化や自動化の効果を実現するだけでなく、管理者業務の革新を通じて、組織全体のパフォーマンスを向上させる力を持っています。

この技術は、企業の競争力を強化し、顧客体験を革新するための重要なツールとして位置づけられています。

ツール導入で失敗しないために必要なのは、現状を正しく把握し、たどりつきたい未来(ToBe像)を具現化できているか ということ。

また、そのToBe像に向かっての最適なツールは何か。効果的に使うためにはどうするべきかを考え、育てていくことが、効果を最大限に発揮するためのポイントといえます。
そして、また、その実現には最適なプロセス(道順)があります。

事業全体を広い視座で見渡し、一歩先をいくパートナーの存在がその足取りを確かなものにしてくれるでしょう。

実際に生成AIを組み込んだコンタクトセンターがどのように作られたのか、そして、どんな能力を発揮するのか。その能力を導き出すための試行錯誤の軌跡や実例を踏まえて別途ご紹介します。

執筆者紹介

宮川 正雄
株式会社TMJ 金融サービス営業本部 第3営業部 兼 BPO事業戦略本部 ビジネスデザイン部
テーマ:AI、CX、DX、業務最適化
ベネッセグループおよびセコムグループでの豊富な経験を持ち、営業部の部長を歴任。次世代型コンタクトセンターの推進を担うビジネスデザイン部の副部長も兼務。コンタクトセンターにおける生成AI導入の卓越した知識と実績で、業界の革新に貢献しています。

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