BPOの基礎知識
施策を増やしても改善しないときに見直すこと
アウトバウンドの目標達成のために、トークスクリプトを書き直し、部下のSVへはリストの組み直しやロープレの頻度を上げるように指示した。いろいろやっているという感覚はあるのに、数字は上向いたり下向いたりーー。
「やれば改善するはず」という期待が強いと結果がついてこなかったときの落胆が大きいものです。さらに、やりすぎていること自体が停滞の原因になる厄介なケースもあります。
アウトバウンド現場にありがちな改善のジレンマとその向き合い方について紹介します。
改善の落とし穴
改善施策のアイディアがたくさんあるのはたしかに素晴らしいですが、多くの改善施策が同時に走っている状態が必ずしもいいとは限りません。数字が変わったとしてもどの施策の影響なのかが曖昧なまま次の手を打つことになってしまうと、「やっている感」は出ますが、思うような改善につながらないケースもあります。
「初回の切り出しを商品説明型から課題ヒアリング型に変えた」トーク変更と、「クロージングで導入事例を加えた」トーク変更が同時に走っている状態では、翌週のアポ率が上がっても、どちらの影響が大きいのか判然としません。
改善したい項目に優先順位をつける
思いつく改善点が複数あるときは、まず全部書き出すことから始めます。トークの見直し、リストの精度、架電タイミング、ロープレの頻度——頭の中にあるものを並べるだけで、「同時にやろうとしていた量」が可視化されます。その上で「数字へのインパクトが大きいかどうか」と「今すぐ着手できるかどうか」という2軸で整理します。
例えば、リストの組み直しは効果が大きいと見込んでいても、データの準備に時間がかかるなら他の施策から始めたほうがいいかもしれません。トークの冒頭30秒を変えるだけなら明日から試せます。その検証中に別の施策の準備を進めます。
施策を絞れば検証はシンプル
施策を絞ると効果検証はシンプルです。一つに絞れば、翌週の数字の動きがそのまま検証結果になりやすいため、次への判断とアクションが取りやすくなります。
もちろん、複数施策を同時に展開してはいけないというわけではありません。影響する指標が異なる施策同士——例えばコンタクト率に関わる不在時のリダイヤル間隔の変更と、アポ率に関わるクロージングトークの見直し——であれば、同時に走らせても効果の切り分けが可能です。
検証サイクルを短く回す
大掛かりな施策で大きな改善を一発で当てようと挫折しやすいものです。「小さく試して結果を見る」を繰り返していくのが理想的です。1〜2週間を1サイクルとし、「続ける」「やめる」「変える」のどれかを決めます。このサイクルが回り始めると、変化とその要因がはっきりと見え始めます。逆に、3か月かけて大きく変えようとすると、途中で手応えがないまま現場のモチベーションが下がりやすくなります。
「積み上がっている実感」を得る
忙しく動いていること自体は悪いことではありません。ただ、その動きが成果として積み上がっているかどうかは、検証の仕組みがなければ判断できません。
改善施策を絞る。短く試す。結果を見て次を決める。このサイクルが定着すれば、「いろいろやったけど何が効いたかわからない」という徒労感から抜け出せます。まずは今走っている施策を棚卸しして、来週やることを1つだけ決めるところから始めてみましょう。