BPOの基礎知識
月の折り返しで数字が計画を割り、朝礼の空気が重いー。
アウトバウンド現場を牽引する立場であれば、「まだ行ける、切り替えていきましょう」とメンバーを励ます声掛けをするのかもしれません。
ただ、その声がだんだん届かなくなっている感覚があるなら、チームの空気の立て直しが必要です。
本コラムでは、数字が落ちたときに現場で何が起きているのか、そしてリーダーの振る舞いでチームの足が止まるか動き続けるかが変わる、その分かれ目を整理します。
数字が落ちるときのチームの状況
未達が続いたとき、現場に広がるのは危機感よりも「どうせやっても」という徒労感です。
わかりやすく数字が崩れるわけではなくても、
- 架電のテンポがわずかに落ちる
- リストを選り好みし始める
- 後処理の時間がじわじわ延びる
など、静かにエネルギーが抜けている雰囲気が漂い出すといい状況とは言えません。
厄介なのは、この変化が数字だけでは拾いにくいことです。
1日あたりの架電数が少し減った程度では、日報上は誤差に見えます。ただ、その「少し」がチーム全体で重なると、週単位では無視できない差になっていきます。
リーダーの目からは「なんとなく覇気がない」「動きが鈍い」と映りますが、メンバー自身は手を抜いている自覚がないことがほとんどです。徒労感は意識的にサボるのとは違い、「普通にやっているつもりなのに成果が出ない」状態をじわじわ定着させます。
空回りが燃え尽きに
チームの動きが鈍いとき、何かしら手を打とうとします。ただ、徒労感が蔓延している状態では、こうした働きかけが空回りしがちです。リーダーの意図はなんとなく伝わっても、結果につながるイメージが湧かないとメンバーの積極性は引き出せません。
また、この空回りは、リーダー自身の消耗にもつながります。手を尽くしているのに反応が返ってこない。その手応えのなさが毎日続くと、メンバーより先にリーダーが疲弊してしまいます。チームを動かすために使ったエネルギーが結果として返ってこない状態が続くことで燃え尽きにつながります。
プロセスへの問いかけ
現場の雰囲気が好転する気配がないなら、コミュニケーション時のフォーカスをプロセスに向けてみるといいかもしれません。プロセスを振り返るで、結果の陰に隠れて見落とされがちだった小さな成功体験に目を向けることができます。地道な振り返りにはなりますが、積み重ねることで自己効力感の醸成につながります。
具体的には、数字の話をいったん止めて、プロセスに目を向ける問いかけをすることです。
「今日アポにならなかったやつで、一番手応えがあったのはどれ?何が惜しかった?」
「2周目のリスト、前回と反応が変わってた先はあった?」
プロセスに焦点を当てて問いかけると、メンバーの意識が「件数が足りない」から「自分の架電で何が起きていたか」に切り替わります。問いかけによって1件の架電を振り返ると、「あの場面でこう返していたら違ったかもしれない」という気づきが生まれます。
苦しい時期を転機に
数字が落ちた月に、リーダーがどう振る舞ったかを、メンバーは意外とよく覚えています。結果が出ない時期は、リーダーにとって一番苦しい時期です。ただ、その苦しい月の過ごし方にこそ、チームとの信頼関係を一段深めるきっかけになるかもしれません。大きな施策を打つ必要はありません。朝礼や夕方の数分で、プロセスへの問いかけをひとつ入れるだけでも、チームの空気は変わり始めます。