BPOの基礎知識
コンタクトセンター業務の委託においては、アウトソーサー(委託先)が専門性を活かして成果につなげることは大前提です。
一方、同じ体制・同じリソースでも成果の出やすさに差が生まれることも事実です。本コラムでは、アウトソーサーの視点から見た、成果が出やすいクライアントや環境の共通点を整理し、委託関係のあり方からさらに大きな成果を引き出すためのヒントを考えます。
目的・背景の共有
委託先に「何をやるか」だけでなく「なぜやるか」まで伝えていることは重要です。背景を共有することで現場はある程度、自律的に対応できるようになります。
たとえば、解約受付のスクリプト改訂が必要になった場合に、「今期は契約1年未満での離脱を防ぐことが経営課題になっている」という背景まで共有したとします。すると委託先から「契約半年前後のお客様に”使いこなせていない”という声が多いので、解約手続きの前に活用案内を挟むフローを試したい」と提案が上がってくるかもしれません。
逆に指示だけが降りてくる環境では、委託先は「仕様通りにやる」以上の動きが取りにくくなります。
提案の受け止め
委託先が気づいた改善点を提案できる場や関係性があることも重要です。先ほどの例にも通じますが、現場は日々の応対を通じて「このトークの流れだとお客様が離脱しやすい」「この時間帯に特定の問い合わせが集中している」といったさまざまな気づきを持っています。
実際には、コストや運用制約、他部門との整合性などから、提案を採用できないケースも少なくないかもしれません。ただ、「なぜ採用しないのか」が共有されるだけでも、現場感覚を改善提案につなげる姿勢を醸成しやすくなります。
事前の整理
- 返金基準に該当しないが、お客様が納得していない時にどこまで譲歩していいか
- 発売初週の新商品で仕様書にない使い方の問い合わせが立て続けに発生した場合の対処方針
- 「対応してもらえないならSNSに書きます」と言われた時の対応
現場では、事前に規定されていない判断が求められるシチュエーションが発生します。とはいえ、対応が停滞することで問題が深刻化したり、長期化するケースは避けなければなりません。
もちろん、すべてを逐一確認する運営では現場は回りません。重要なのは、“どこまでを現場判断してよいか”が事前に整理されていることです。加えて、クライアントに判断を仰いだ場合のレスポンスが早いという信頼があれば、対応品質と処理効率の向上につながります。
まとめ
ここまで紹介してきたポイントはほんの一部ですが、共通するのは、クライアントとアウトソーサーの関係や環境づくりに関する問題だということです。アウトソーサーが求められた品質を担保するのは当然の責任ですが、クライアントとの関わり方や連携のあり方次第で引き出せる成果の幅は変わります。まずは委託先との関わり方を振り返ってみる価値はあるかもしれません。