BPOの基礎知識
「朝、目が覚めると体が重い」
「出勤すればなんとかやれるが、なぜか余裕がない」
「気づけば、目の前のタスクをさばくだけで一日が終わっている」
チームの数字に責任を持ち、自分も架電に入り、メンバーのフォローに走り、日報をまとめて上司に報告する。アウトバウンド現場を牽引する立場であれば、忙殺されている感覚に陥るケースが少なくありません。本コラムでは、リーダー自身の消耗が見えにくくなる構造と、早めに気づくためのポイントを整理します。
消耗が見えにくくなる構造
根性で結果を出してきたリーダーには、「きつい」と感じても、「以前も乗り越えられた」と自分に言い聞かせて乗り切ろうとする傾向があります。過去に乗り越えた経験は本物です。だからこそ、今の負荷も許容範囲と考えてしまいます。
ただ、過去の踏ん張りは短期間だったから耐えられただけかもしれません。長期間にわたってじわじわ削られ続ける状態とは負荷の性質が違います。そして余力がなくなるほど、考えることをやめ自らの動きで補おうとする傾向が強まります。工夫の代わりに稼働で埋めるからさらに余力がなくなり、打ち手が「自分がもっとやる」の一択に固定されていく。こういった悪循環に入ると、消耗している自覚はますます遠のきます。
早めに気づくためのポイント
自身の消耗に気づくには「考える余力があるか」がヒントになります。
- 以前は翌日の架電方針をすぐに決めていたのに、最近は何も浮かばず帰りの電車で考えている。
- メンバーからの相談に「とりあえずやってみて」で返すことが増えた。
- 朝礼で毎回同じことを話している。
こうした変化は手抜きではなく、思考に回す余力が残っていないサインです。
メンバーの反応も参考になります。相談の頻度が減ったり、判断を仰がず自己完結するような傾向があれば、メンバーが「相談しても真剣に見てもらえない」と感じ始めている表れかもしれません。
気づいたあとにできること
消耗に気づくことが最初の一歩です。ただ、気づいたうえで「もう少し頑張る」を選んでしまうと構造は変わりません。必要なのは、抱えているものの持ち方を見直すことです。チーム内の役割分担を見直すのか、運用の仕組みを変えるのか、あるいは自社だけで抱えている業務の一部を外に出すのか。検討すべき選択肢は一つではありません。リーダーの責任感は現場に不可欠な力だからこそ、その力を長く使い続けるために、抱え方そのものを見直すタイミングが必要です。