BPOの基礎知識
アウトバウンド現場の主任クラスは、実務の責任も負いながら、上司と部下の板挟みになりやすく、孤独やプレッシャーを感じやすいポジションです。行き詰まることも多い現場で、「この仕事に向いていないのかも」と考えた経験はないでしょうか。
現場に感じる行き詰まりは、本人の適性だけでなく、役割の広さや業務の抱え込み、相談しづらい意識が影響していることもあります。一概に能力不足が原因とは限りません。今回は、アウトバウンド現場でストレスを感じている場合に、一度整理してみたい視点について考えます。
自分の役割を整理する
主任の立場で現場全体を見ていると、あれもこれも抱え込んでプレッシャーを感じ、視野が狭くなりがちです。いったん自身の役割を整理する意味で業務の棚卸しをし、チーム全体の業務量を可視化してみるといいかもしれません。
センターの規模にもよりますが、架電リストの配分、トークスクリプト改訂、オペレーターのモニタリングとフィードバック、日々の数字の集計と報告、朝礼・夕礼の運営、クレーム処理、新人のOJTなど幅広い業務に関わっているケースもあるでしょう。
これらを一度整理することで「自分が毎日手をかけているけど、この報告は形骸化しているな」「この集計作業はテンプレート化すれば誰でもできる」など、優先度が低い仕事や手放せる業務が見えてくるかもしれません。
周囲への頼り方を変える
主任クラスはタスクが膨れ上がりがちで、自分が処理してしまった方が早いケースもあるでしょう。ただ、抱え込みを続けていくと、現状が変わらないのも事実です。
部下に任せる範囲を広げる
多少時間がかかっても思い切って部下に任せることも必要です。「自分がやった方が早い」という感覚は正しいことも多いのですが、その都度引き取っていると、いつまでも自分の負荷は減らず、部下も育ちません。
たとえば、主任が行っていた、朝礼での好事例の共有をオペレーター本人に発表してもらう。新人育成を主導していたのであれば、成績の安定したベテランオペレーターにOJTの一部を任せてみる。小さなタスクでいいので少しずつ手放していく意識も必要です。
最初は説明や確認の手間が増えるかもしれませんが、「育てるための投資」と捉えましょう。任せたうえで結果を確認し、フィードバックを継続していくことで、結果的に余力が生まれ、現場全体の底上げにもつながります。
上司を巻き込む
一人で抱え込まず、上司を頼ってみる選択肢もあります。現状の業務量やチームのキャパシティを客観的な事実として報告したうえで相談するのがポイントです。
架電数が想定より伸びない状況のテコ入れについて相談する場合であれば、「一人あたりの処理数が〇件と、すでに上限に近い状態です。さらに数字を伸ばすには、増員の検討やスクリプト、リスト条件の見直しが必要かもしれません。」と客観的な数字と自己の判断を添えて相談することで、前向きにサポートしてもらいやすくなります。
現場の状況を正確に伝えて上司を巻き込むことで、状況が変わり始めることもあります。
情報収集で視野を広げる
行き詰まっているときほど、同じ現場の中だけで考えると視野が狭くなりがちです。同じ立場の人がどう乗り越えているのか、他社の現場ではどんな工夫をしているのかを知ると、自分の悩みが特別なものではなかったと気づくこともあります。業界のセミナー・勉強会、同じ職種のコミュニティなどに参加することで、思いがけないヒントが得られることがあります。客観的な視点に触れること自体が、狭くなっていた視野を広げるきっかけになります。
割り切りも必要
センターによっては、プレイヤーとしての成果、マネジメントの成果の両方が求められ、完璧にこなそうとしてパンクしがちになるかもしれません。業務範囲が広いため、周囲へ頼る選択肢も含めて割り切って考えてみることも必要です。まずは悩みの種になっているタスクを整理して客観的に把握してみることから始めてみてはどうでしょうか。新たな解決策のイメージが見えるかもしれません。それでも現場内だけで解決が難しい場合は、業務の一部を外に出すという考え方もあります。