BPOの基礎知識
メンバーから突然、離職を切り出されて戸惑ったことはありませんか。辞める決意は普段の業務の裏側で少しずつ固まっているものです。メンバーが離職に至るまでの裏側や、リーダーとしてできることを整理します。
リーダーの盲点
アウトバウンドの現場には離職につながりやすい構造があることは確かです。断られることが前提の架電によるストレス,、目標未達のプレッシャー、研修やフォローが追いつかない環境、キャリアの見えなさなどさまざまな要因が複合的に重なり、メンバーを消耗させている可能性があります。
リーダー自身がその環境を乗り越えてきた経験がある場合は注意が必要かもしれません。「断られるのはこの仕事では当たり前」「数字が出ない時期も踏ん張れば抜けられる」。そうした経験は現場を支える強さになりますが、一方でメンバーの消耗やストレスを見落とす原因にもなります。
同じ業務でも、何に負荷を感じるかは人によって違います。断られることに大きく消耗する人もいれば、数字のプレッシャーよりも、相談しづらい空気に疲れていく人もいます。リーダーにとっては「よくあること」でも、メンバーにとっては「我慢しなければならないこと」で、それが続いて大きな負担になっているかもしれません。自分の耐性を基準にしていることで、メンバーの限界が近づいていることには気づけていない可能性があります。
相手にとって、小さなこととは限らない
ストレスの多い現場で業務を続けていると、小さな出来事が積み重なって大きな負荷になっている場合があります。
アポが取れてもチーム全体の未達の話しかなかった、シフトの希望を出したが理由も聞かれず通らなかった、説明もなく新しいスクリプトが配られた―。
リーダーの視点では気に留めないようなことでも、受け取る側にとっても同じ受け止め方になるとは限りません。積み重なることで大きなストレスとなり離職に踏み切らせているかもしれません。
メンバーへの配慮
離職防止というと、大がかりな施策を思い浮かべるかもしれません。もちろん、フォロー体制、目標設定、シフトの柔軟性などを見直すことは大切です。
ただ、日常の関わり方の密度を意識することも重要です。
- 架電でアポが取れたら、「何がよかった?」と振り返りながらしっかり褒める
- 厳しい反応をされた架電の後に「大変だったね、ありがとう」とフォローとともに感謝する
- スクリプトの改定など運用変更があるときは、背景もあわせて丁寧に説明する
少し細やかな配慮があるだけで相手の受け止め方が変わるかもしれません。メンバーにとっては「見てくれている」「気にかけてくれている」という安心感につながりやすくなるはずです。
まとめ
こうした関わりを続けるには、リーダー側にも余力が必要です。自身の架電業務、KPI管理、上司への報告、トラブル対応、新人フォローなど多岐にわたる業務を抱えている状態では、メンバーそれぞれの変化を丁寧に見続けることは簡単ではありません。
離職が続いている現場では、メンバーへの声かけだけでなく、リーダーの業務量や役割分担にも目を向ける必要があります。どの業務までリーダー自らが担うべきか、どこか仕組み化できないかなど現状を見直してみましょう。離職をなくすことは難しいですが、まずはメンバーの小さな変化に気づける余裕が今の現場にあるかを考えてみてください。