BPOの基礎知識
トークを変えても、リストを組み直しても、なかなか数字が改善しない。現場は架電を頑張ってくれているのに、なかなか報われない―。
そんな感覚が続くと、「もう何をしても変わらない」と諦めに近い気持ちが生まれがちです。今回は、アウトバウンド現場におけるムダな努力が起こりやすい理由と、それらを減らすための視点を整理します。
コントロールできないことへの対応
- ニーズがない相手、決裁権がない相手とのやり取り
- 季節性による反応低下
- 商品やサービスの競争力不足
努力してもどうにもならない要因は多々あります。結果が落ちている状況に何とか手を打ちたくなるのは当然ですが、ケースによっては時間をかけても改善効果があまり見込めないことがあります。
コントロールできないことに注力しすぎることで、他の改善に手が回らなくなります。まずは結果に対する原因を見極め、労力に対する改善効果が釣り合わないと判断できれば、割り切って優先度を落とすべきです。
効果測定があいまいなまま改善を続ける
数字が落ちると、すぐに次の施策を考えたくなります。トークを修正し、リストを入れ替え、架電の時間帯も見直す。フットワーク軽く改善を進めていくこと自体は悪くありません。
ただ、あれこれと施策を同時に走らせると、翌週の数字が変わっても「どれが効いたのか」が分からなくなります。効果を確かめないまま次の手を重ねていくと、施策だけが積み上がり、「やっている感」はあるのに成果には結びつかない状態に陥ります。
優先度の高い項目を絞って確実に結果を拾っていく方が次の改善につながりやすいです。
仕組み化の不足
業務の仕組み化不足によって、かけた労力がムダになりがちです。
例えば、過去に試した施策が引き継がれず、主任が交代するたびに後任がまた一から同じ施策を繰り返す。たまに発生する応対の内容が共有される仕組みがなく、発生するたびに対応に苦労するといったケースです。教育においても、育てたオペレーターがすぐに辞めてしまい、また一から新人を育て直さなければならなかった経験はないでしょうか。
現場の教育では、「個人で育てる」から「仕組みで育つ」状態を目指すことで離職の改善につながるかもしれません。教育担当の個人の裁量に任せることが必ずしも悪いことではありませんが、よくある質問やトーク例、つまずきやすいポイントをマニュアルやFAQとして残したり、ベテランの対応を録音やトークスクリプトの形で共有しておくなど、仕組み化により指導内容を標準化することで応対品質の安定につながります。
まとめ
業務に取り組むうえで「やってもムダ」と思いがちな時こそ、まずはそのムダが何に起因しているのか、一度整理してみてはいかがでしょうか。そのうえで、できる範囲から一つずつムダを抑えられるアクションを試してみてください。小さな見直しを積み上げていくことで状況が変わり始めれば、今まで感じていた徒労感が少しは軽くなるかもしれません。
それでも、自社の体制だけではどうしても手が回らない、仕組み化まで踏み込む余力がないと感じる場合は、外部の力を借りるという選択肢もあります。現状に応じて、打ち手の発想を変えてみるのもいいでしょう。