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専門家コラム


初回投稿日 : 2022/03/15

2周目に入ったCXマネジメント 第1回:CX戦略の現在地

多くの企業で実践されている、CX(顧客体験)向上の戦略。すでに取り組みが一巡し、次の段階に進もうとしている企業もあります。そこで、今回は全6回の連載形式でCX戦略の推進方法を解説。初回はCX推進にフォーカスし、顧客体験の向上をミッションとする部門における現状の振り返りと今後の施策設計の方法について紹介します。記事の執筆者は株式会社TMJ・CX推進PJチームです。(『月刊コールセンタージャパン』2021年11月号掲載記事を編集して掲載しています。)

過去のCX戦略の実践状況を振り返る

2016年に実施した弊社調査によると、CX推進に「既に着手した」と回答したのは全体の3割(ベース:59社167名)に満たない状態でした。今振り返ると、各社の課題認識もその解決策も具体的ではなかったように感じられます。それから5年が経過し、商品・サービスのデジタル化やコミュニケーションのデジタル化が進み、各社のCXに関する活動はどのようなステージにあるのでしょうか。当社の顧客企業を例にCX実践の姿と手段を軸に整理をすると、 “1周目”と“2周目”のステージに大別できます。

あなたの会社の「CX戦略」は何周目?

CX実践ステージの見極め方を解説します。現状を正しく把握することで振り返りの精度が向上し、次なる打ち手がさらに有効なものになります。

CX戦略の実践、1周目の特徴

1周目の特徴は、CX戦略の実践活動において仕組みや環境の構築に注力されていること。具体的には、下記のような段階を指します。

  • FAQやチャットボットなど顧客のセルフサポートを実現するチャネルの導入促進
  • SMSなどを活用したNPSなどの顧客接点評価を得る仕組みの構築
  • VOCの網羅性担保やオペレーション効率向上のための音声認識技術の導入

これらの手法は、プロセスをデジタルに置き換えることで効率を高めることを目的とした「デジタライゼーション」ともいえます。

「デジタライゼーション」とは、今までアナログで行ってきたことをデジタルに置き換えること。サービスの質や付加価値の向上が期待できます。

CX戦略の実践、2周目の特徴

すでに1周目から2周目に突入している企業も認められます。2周目の特徴は、エンドユーザーのベネフィット向上に1周目以上に注力していることです。具体的に、下記のような段階を指します。

  • チャネルの果たす役割を再構築していること
  • VOCをはじめ行動データや属性データの統合を図ろうとしていること
  • CX推進に必要な複数機能を統括する部門が組成されていること

事業モデルの変革を視野に入れた「デジタライゼーション」に着手している状態です。

感覚的には、顧客企業の約8割は“CX実践1周目”、“2周目”に取り組んでいるのは残りの2割といったところです。

正しく振り返ることでCX推進を成功させる

1周目から次のステージに移行するためには、「目的」「効果」「手段」の観点で現状を振り返る必要があります。振り返りのヒントとして、具体的にCX実践“1周目”で発生しがちな失敗を見てみましょう。

典型的な失敗例をヒントに

チャネルや音声認識などの技術導入を先行し、その施策を評価する段階で、「目的(どのような課題を解決しようとしていたのか)が組織や担当者間で認識が異なっていたり、そもそも目的自体が明確に共有されていないことに気づいたりという状況を聞くことがあります。

目的の共有が徹底されていない状態では、「効果」検証の基準が揃わず、評価や「手段(施策)」の妥当性にバラつきが出るケースもあります。“チャネルを導入したが、入電が削減されていない”という声を聞いたことはないでしょうか?このような事態は、正しい観点での振り返りが実施できていなかった可能性が考えられます。

CX実践2周目に進めるためのカギとは

このような状態からCX実践の“2周目”に移行していくためには、課題解決によってどのような状態にしたいのか「目的」を明確にし、それを実践するための「手段」(場合によっては既に導入済の技術など)を再確認/再設定することがカギになります。 その際、CX施策が部門や機能を横断して実行されることが必須条件になります。

その上で、「効果」検証の基準(定量、定性、時間軸)を定め、改善サイクルを構築していく必要があります。CX推進の有用性について理解が広く浸透してきた今だからこそ、組織・機能の枠組みを越えてこの振り返りが求められているのです。

CX実践2周目に向けて重要な要素

では、CX実践2周目で重要となる要素は何なのでしょうか?図の通り4つに整理することができると考えられます。

コンタクトセンターにおいて最も重要なのはVOCを中心とするデータ活用基盤を強化することです。これまでは、問い合わせや注文、アフターフォローなどの「プロセス改善」のために活用されることが多かったVOC。これからは、エンドユーザー個々の問題を解決するデータとの関連づけが必要であり、足りない情報は積極的に収集して補完していくことが重要です。

データ活用基盤の強化をベースとしつつ、以下の3つの要素を満たす施策を行います。

  • 顧客接点・提供価値の再設計
  • ナレッジマネジメントの強化
  • 施策の統合・関連付け

まずは、対象となる顧客タイプ別に「どのような顧客接点を通して、どのような価値を提供するのか」を再設計することが求められます。そして、社内外で活用するナレッジを統合的に管理すること、さらに委員会やプロジェクトを立ち上げ、複数部門で推進する体制づくり(具体的にはそれを推進するリーダー、PMOの設置など)の施策を統合し上位の戦略と関連づけることを意識することが重要です。

CX実践は機能・組織横断的な取り組みが避けられないため、特定部門が単独でそのミッションを持つということはありません。これらの要素が、2周目突入の切符になるといえます。

CXを次のステージへ

規模の大小に関係なく多くの企業が重要視しているCX。全社的な取り組みとするために、全従業員が正しい理解と共通認識を持って推進することが成功のカギになります。まずはCX実践1周目で成功を収め、次なるステージを目指しましょう。

株式会社TMJではCX推進に関わる支援サービスを提供しております。経験豊富な専門家が現状の分析から施策検討、実行計画まで立案。その後の施策の実装、定着までワンストップで行います。

お問い合わせは< こちら >。

執筆者紹介

約20社の顧客企業のCX関連活動の問題解決を図るプロジェクト型組織です。営業組織やセンターメンバー組織の知識スキル習得、提案活動、また業務設計とその標準化、施策の検証、内外への事例紹介などをワンストップで行っています。

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