前述のようなCMOが再評価されている影響は、単に兆候としてではなく、私たちが普段接する施策レベルにもおよんでいると感じています。
具体的には、マーケティングや広告/デジタルコミュニケーション系のセミナーの講演内容に「カスタマーサポート領域における事例」が散見されるようになってきていることが挙げられます。
これまでこのような系統のセミナーでは、カスタマーサポート領域の話題は殆ど含まれていませんでした。なぜなら、施策を実行していく上でコンタクトセンターを中心とするカスタマーサポート領域の機能は重要ではなかったからです。このようなセミナーに行くと私は必ず「コンタクトセンターはマーケティングや顧客コミュニケーションに役立つ重要なチャネルだと思うが、どう考えるか?」という趣旨の質問を投げかけていました。 講演者は“重要だと認識している”という回答はするものの、コンタクトセンターを絡めた具体的な施策イメージを持っているかと言えば、必ずしもそうとは言えないことが多かった印象です。
しかし、前述の通り、マーケティングや広告/デジタルコミュニケーション領域の施策はコンタクトセンターを中心とするカスタマーサポート領域の顧客接点をスコープに確実に入れてきていると感じています。おそらく、AIを活用した顧客対応やチャットボット(自動応答)の実装事例がカスタマーサポート領域を中心に先行していることや、「LINE」を中心とする対話型のコミュニケーション活用の可能性が見えてきたことが背景にあるのではないかと考えています。いよいよ、マーケティングとカスタマーサポートが融合する時が来ていると言えるのかもしれません。