上述通り、高齢者対応に関する取り組みは、まだ多くは個々人の所感・感覚的なものに留まっています。この状態では、「高齢者対応に取り組む必要があるか」「センター全体で共通認識を持ち、課題として取り組んでいくか」ということを、具体的に検討していくことが難しく、それが具体的な対策が進まない要因となっています。
高齢者対応を科学する、まず可視化・定量化する意味は、この実態を明らかにし、センター全体として共通認識を持つことにあると考えています。
先日のコンタクトセンター・アワード2015(主催:株式会社リックテレコム コンピュータテレフォニー編集部)の発表でご紹介した事例は、まさにこの状況でした。そのため、まず実態把握、可視化・定量化から始めました。
「入電比率の40%、通話時間比率の62%が、高齢のお客様に該当する」
この数値が、センター全体と共通認識となったことで、対策の必要性をあらためて認識し、そして具体的な改善活動へとつながっています。