カスタマーサクセスの考え方は、2000年代初頭にセールスフォース社が初めて採用・実践してきたといわれています。その背景には、同社がクラウドを通したサービス提供(SaaS/Software as a Service)と、サブスクリプションという定期購入型の支払い方法の2点を採用したことがあります。この考えは、IT業界を中心に広がりをみせてきました。
SaaS型×サブスクリプションの契約においては、これまでのようにハードウェアやソフトウェアのメンテナンスによって顧客がベンダーに縛られることがありません。そのため、サービス内容が目的に合わなければ顧客側で簡単に解約をすること(チャーン)ができる状況にあります。したがって、そのサービスを継続して利用してもらうことで初めてビジネスが成り立つというわけです。
そうなると、企業は「解約」をされないように、顧客の成功(カスタマーサクセス)に“本気で”向き合うことが必要になります。これがカスタマーサクセスの考え方が生まれた背景です。売るまでよりも、売ってからの顧客との関係がより大事と言い換えることもできます。