BPOの基礎知識
受発注業務は受注業務と発注業務を含み、対応する業務範囲が広いことから煩雑になりやすい業務のひとつです。今回は、BtoBビジネスにおける受発注業務の改善に着目し、「ムリ」「ムダ」「ムラ」の視点から受発注業務を改善する上でのポイントや改善する方法について解説します。
受発注業務の改善が進みづらい背景
受発注業務は複数の部署が連携した上で成立するため、業務改善を進めるためには業務全体を俯瞰(ふかん)しながら、ひとつのプロジェクトとして進める必要があります。
自部署だけでなく、関連部署の協力体制が必要不可欠となるのです。従来の業務フローに慣れていた従業員にとって、一時的に業務負荷がかかる可能性があります。従業員の理解と協力体制があってこそ業務改善に取り組むことができるため、企業の状況によっては改善が進みづらいという背景があるのです。
その一方で、従業員の理解を得た上で、ポイントをおさえながら業務改善に取り組むことができれば、現場の業務負担を軽減し、より多くの受発注業務に対応できる体制を築くことができます。
受発注業務改善のポイント
受発注業務を改善に取り組みたい場合、どんなポイントに気をつければよいのでしょうか。ここでは、「ムリ」「ムダ」「ムラ」の3つのポイントから受発注業務改善のポイントについて解説します。
「ムリ」をなくす
従業員の人員やスキルに対し、業務量が上回ると現場に「ムリ」が生じる環境になってしまいます。業務改善ではいかに従業員の業務負担を軽減し、能力を最大限に活かせる業務量で「ムリ」をなくせるかが一つ目のポイントとなります。
「ムリ」が続く業務量は長期的に継続することが難しく、従業員が疲弊してしまい、受発注業務が追いつかない悪循環を作ってしまう可能性があります。自社内で対応が難しい場合は、業務を外部へ委託するアウトソーシングやBPOの活用が最適です。
「ムダ」を省く
一連の業務の流れの中で、省くことができる「ムダ」な業務がないか業務を可視化し、見直すことが二つ目のポイントとなります。
たとえば、確認作業が二重で重複する業務があったり、業務手順を減らして統合できる業務があったりするケースがあります。
「ムラ」を減らす
業務に「ムラ」がある場合、担当者によって業務の対応にかかる時間や業務の進め方や業務の品質が異なる状態を指します。業務改善を進める上で、業務の「ムラ」を減らすことが三つ目のポイントとなります。
「ムラ」を減らす上で、業務マニュアルの作成などを通して業務を標準化し、業務フローを揃えることで業務改善につなげることができます。
業務の可視化で「ムリ」「ムダ」「ムラ」を見直し
業務の「ムリ」「ムダ」「ムラ」を洗い出すためには、具体的にどのようなステップで業務を見直せばよいのでしょうか。ここでは、業務の見直しに役立つ「業務の可視化」について解説します。
業務の可視化は、業務の棚卸し(たなおろし)とも呼ばれており、
- 業務内容
- 業務量
- 業務に必要なスキルの難易度
の3つの視点で一連の受発注業務を業務ごとに整理して、見える化をします。
業務の担当者からアンケートなどでヒアリングを行い、調査を進めていくため現場の協力体制が必要不可欠となります。
調査後は、分析を行い「ムリ」「ムダ」「ムラ」を含む業務の洗い出しを行い、業務改善に向けた取り組みを検討するステップに入ります。
業務の可視化は多くの労力と時間がかかるため、外部へ委託することでより現場への負担を最小限にしながら、客観的な視点も交えた上での業務改善につなげられる可能性があります。
株式会社TMJでも、業務量調査・分析パッケージを提供しております。業務負荷や業務に必要なスキルな難易度などを調査結果から分析することで受発注業務における企業ごとの課題を見つけ、業務改善の方向性をご提案します。
受発注業務を改善する3つの方法
業務の可視化を通して業務の「ムリ」、「ムダ」、「ムラ」が見えてきたら、次は実際に業務の改善を行う方法を考えることが必要です。ここでは、受発注業務を改善する3つの方法をご紹介します。
受発注システムの見直し
受発注業務システム自体を見直すことが、業務改善につながる可能性があります。
たとえば、古いシステムを長年使っていることで、現状の業務フローに合わず受発注データの確認作業が多く、削れるはずの「ムダ」な業務が生まれている可能性があります。
また、導入したシステムの使いづらく、いつの間にか受注システムを介さない業務が出てきて、業務に「ムラ」が発生しているケースもあります。
- 費用対効果は見合っているか
- 現状の業務フローに合っているか
- 使いやすく、従業員の負担を増やしていないか
などの視点から受発注システムを改めて見直すことで業務改善が進む可能性があります。
在庫管理でも必要な機能を追加したり、システム連携を強化したりすることで、リアルタイムで在庫を把握でき、適正在庫を維持することで、「ムダ」な業務を減らせる可能性があります。
業務の自動化
受発注業務は自社だけで完結しないため、全ての業務を自動化することは難しいかもしれません。しかし、自社内の連携で発生する業務は一部自動化を導入できる可能性があります。
たとえば、パソコンを使った定型化された入力作業はRPA(※)を活用し、ロボットに任せることができます。一定のルールに沿った作業が可能なため、人為的なミスをなくし、正確性を高めて、業務の「ムラ」をなくすことができます。業務の自動化で、業務にかける時間を短縮できれば、納品までのリードタイムも短縮できる可能性があります。
また、業務の自動化が難しくても業務マニュアルを作成し、現場にしっかりと浸透させることで業務の「ムラ」をなくし、業務改善につなげることもできます。
※RPA:Robot Process Automationの略称。
アウトソーシング・BPOの活用
「ムリ」が発生する業務に関しては、外部へ委託することで受発注業務を継続させることができます。アウトソーシングやBPOは、高い専門性をもち、効率的に受発注業務を行います。そのため、外部へ委託することによって自社内で実施するよりも効率的に業務を進められる可能性が高いです。そして、結果的により多くの注文が受けられる可能性があります。
BPOとは「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略称で、受発注業務の代行だけでなく、業務プロセス自体を見直し、総合的に業務改善に取り組むサービスです。そのため、受発注業務を継続的に委託したい場合は、BPOが最適です。
「ムリ」「ムダ」「ムラ」を見直し、受発注業務を改善
受発注業務は多岐にわたる重要な業務です。業務の可視化を行い、業務の「ムリ」「ムダ」「ムラ」を見直し、最適な取り組みを実施することで、業務改善につなげ、より多くの注文を受けられる企業体制に育てることができます。
株式会社TMJでは、クライアント事業の一翼を担うパートナーを目指し、業務量調査・分析パッケージやRPAサービスをはじめとする幅広いBPOサービスを提供しています。受発注業務の改善に取り組みたい方は、ぜひご相談ください!お問い合わせは、<こちら>。
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