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専門家コラム


初回投稿日 : 2022/06/28

2周目に入ったCXマネジメント 第4回:コンタクトセンターのKGI・KPI設計

多くの企業で実践されている「CX(顧客体験)向上の戦略」について、全6回の連載形式で推進方法を解説しています。連載4回目・5回目のテーマは、株式会社TMJがサービス提供しているA社での「社内外ナレッジの統合的な管理」についてです。その中でも4回目に当たる今回は、コンタクトセンターのKGI・KPI設計から効率的な改善活動のために構築した仕組みを紹介します。
(『月刊コールセンタージャパン』2022年2月号掲載記事を編集して掲載しています。)

コンタクトセンターにおける評価方法

CX向上に取り組むA社が、一般的なコンタクトセンターの評価方法を進化させて、新たな基準を確立した事例を紹介します。

顧客ベネフィットの数値化

コンタクトセンターの評価は、応対窓口のパフォーマンスに加え、新たに導入したデジタルツールやコンタクトチャネルの利用状況を組み合わせて効果測定されるのが一般的です。しかし、その測定方法だけではCXへの貢献度が測りきれない可能性があります。

CX戦略の本質である「ブランドロイヤルティへの貢献度を高める顧客対応」に向き合い、顧客ベネフィットを数値化して評価を行う方法でCXの向上に取り組む企業があります。これから紹介するA社の取り組みは、顧客ベネフィットを数値化してコンタクトセンターの評価基準に設定した事例です。

A社が設けた評価基準

A社はグローバルにオンラインサービスを展開する企業で、顧客接点の評価・改善活動においてTMJのサービスを利用しています。

先般A社では、組織改革としてマーケティング部門とサポート部門をひとつのチームに統合。コンタクトセンターの役割を「サポートの満足度向上」から、「顧客ベネフィットの結果としてブランドロイヤルティ向上に貢献すること」へと進化させました。

サポートへの満足を「顧客が受けたサポート体験に対する推奨意向」と言いかえると、サポート満足とNPS(企業やブランドに対する推奨意向)には高い相関関係があることが分かっています。したがって、サポート満足度を高める取り組みの成果を、NPSによって測ることができるといえます。そこで、A社はセンターのNPSをKGIとして設定し、改善活動においてもNPS向上を目的とした計画にシフトしました。

では、実際にA社はNPS向上のために、どのような取り組みを行ったのでしょうか。

データドリブンで改善点を抽出

ブランドロイヤルティの向上という大きなミッションを背負ったコンタクトセンターにおいて、サポート満足度を高めることによりNPSの向上を実現させるためには、ロジカルな取り組みが必要です。ここでは、A社による「データドリブンな改善点の抽出」の方法を紹介します。

取り組みのポイント

A社では、まずNPSと相関の高いサポート満足度の構成要素を洗い出し、コンタクトセンターで直接改善可能なKPIへの落とし込みを行いました。サポート満足度の向上に不可欠な「問題解決」はもちろんのこと、顧客視点での「エフォートレス」、顧客の状況やニーズを理解し寄り添う「ホスピタリティ」といった要素を盛り込んだ点がポイントといえます。

チャネル別でNPSの分析を実施

KPIを確実に達成していくためには、きめ細やかな改善活動と、それを限られたリソースで運用できる仕組みが不可欠です。そこで、数値管理のダッシュボードを設計し、さらにRPA(自動化ツール)を活用してデータ集計と対策の優先順位付けを効率化しました。具体的な対策については、問い合わせ内容ごとのボリュームやコンタクトチャネル別NPSを基に検討し、実行しています。

例えば、問い合わせボリュームの大きい区分のKPIはNPSに与える影響が大きいことから、改善の優先度が高いと判断。コンタクトチャネル別NPSのバラつきを踏まえて、NPSが低いチャネルから高いチャネルへ誘導するとともに、応対品質の改善によりNPSの底上げを図る、という仕組みです。

改善方針を立て、それを実行する部分に人的リソースを集中することで、改善ノウハウの蓄積と精度向上に努めています。

柔軟かつスピーディな改善活動

実際に抽出した改善点に対して、A社がどのように対応しているのかを紹介します。A社では、改善活動の柔軟性とスピードを上げるために、年間のアクションプランと目標達成シナリオに基づくPDCA(計画行動)と、状況に応じて柔軟な意思決定と対処を行うためにOODAループ(状況行動)を併用しています。

例えば、コンタクトセンターで新システムを移行した直後に発生したトラブルや、使い勝手の変化により生産性が低下した際のリカバリに、OODAループが活かされました。

現場では、想定外のさまざまなことが起こります。そのようなとき、目の前で発生していることに対して、いかに早く正確に対処するのかが重要になります。

OODAループとは:「観察」「状況判断」「意思決定」「行動」の4ステップを繰り返す手法。状況に合わせて何度も素早く意思決定を行う必要のある環境で役立ちます。

マルチベンダーでの運用を軌道に乗せるために

コンプライアンスやBCPの観点から、マルチベンダーでコンタクトセンターを運用する企業は少なくありません。A社もまた、そういった企業のひとつです。マルチベンダーでひとつの目標に向かって改善活動を進めるのは、一筋縄ではいきません。

しかしTMJでは、マルチベンダーでコンタクトセンターを運用する仕組みは苦労してでも作り上げるべきものであるという認識のもと、取り組んでいます。A社にコミットし、他ベンダーを含めて、多くのコミュニケーションを図りながらコンセンサスを得て改善を進めるわけですが、その際はベンダーの枠を超えて実際に顧客と接するオペレータの声を取り入れることも重要です。

TMJには、CX推進に関する豊富なノウハウが蓄積しています。デジタルツール・チャネルの活用だけでなく、CX向上の結果何を目指すのか、具体的な設計や仕組みづくりなどオーダーメイドの依頼が可能ですので、お気軽にご相談ください。
お問い合わせは< こちら>。

執筆者紹介

業務改善ノート編集部

ビジネスのデザイン力で、事業の一翼を担うBPOパートナーのTMJ。将来にわたる経営環境に最適なビジネスプロセスを設計し、事業を代替することで、クライアント企業の継続的な事業成長を総合的にサポートしています。

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