BPOの基礎知識
業種に関わらず、適切な進捗管理の運用はスムーズな業務進行の要です。しかし、運用面に課題があり、進捗管理が十分に機能していないケースもあるようです。本記事では進捗管理について詳しく説明し、最大限の効果を発揮させるためのコツを具体的に紹介します。
進捗管理とは
進捗管理とは、作業計画と実際の進行状況のズレや、その原因を見つけて解決策を講じるまでのフローを指します。適切に進捗管理を行うことで、スケジュールの遅延によるコストの増加や利益・機会の損失を防止します。
進捗管理の特徴として、完了したタスクではなく、完了していないタスクのほうに焦点が当てられるということがあります。残ったタスクを逆算して、プロジェクトの完了までに必要な時間や費用を見積もり、適切にリソースを振り分けることが進捗管理の基本です。
進捗管理による4つのメリット
進捗管理を正しく運用することで、企業や従業員にポジティブな変化が現れます。ここでは進捗を管理することで得られる4つのメリットを紹介します。
① 業務効率が向上する
各自が業務進捗を確認できるようにしておくことで、案件全体における貢献度が明らかになり、従業員のモチベーションアップにつながります。それぞれが目標達成のために効率化を図るようになり、部門全体の業務効率が向上します。
② 締め切りの順守につながる
進捗管理は、締め切りの順守や、余裕のある業務進行を実現します。各個人が進行状況を確認できるようにしておくことで、見落とし防止にもつながります。
③ 問題が早期に発見できる
進捗管理では、業務フローを細かく分割してこまめに進行状況をチェックします。そのため、問題の発生に対していち早く気付いてリカバリーすることができます。また、進捗状況を開示することで、担当者が見逃していた問題を他メンバーが発見できるケースもあります。
④ 業務量の均一化ができる
進捗管理によって、従業員ごとの業務量の偏りに気づきやすくなります。従業員ごとの業務進捗を明らかにすることで、業務の配分が妥当か検証しやすく、現状を考慮した再割り当てができます。
進捗管理の失敗要因
進捗管理が正しく機能していない場合、下記のような要因が影響している可能性があります。
業務量が正しく把握できていない
実現可能な作業計画の作成や業務の割り振りには、正確な業務量の把握が欠かせません。業務量の把握が不正確だと、実状に合った作業計画が立てられず、納期の遅延につながる可能性があります。しかし、業務量を厳密に把握しようとすると、その調査自体にリソースを割く必要がでてきます。
業務量調査の実施リソースを確保するのが難しい場合は、その作業をアウトソーシングする方法があります。株式会社TMJでは、部署や従業員ごとに業務量を調査して、改善提案を行う「業務量調査・分析パッケージ」を提供しています。業務量の調査と併せて業務改善も実施するため、生産性の向上に止まらず、企業の利益向上も期待できます。
クリティカルパスを把握していない
作業計画は、クリティカルパスを意識して立案する必要があります。クリティカルパスとは、「前の作業が完了しないと次の作業が開始できない」というプロジェクトの進行においてスケジュールに影響を与える経路のことです。クリティカルパス内の作業工程の遅延はプロジェクト全体の進行の遅れにつながるため、経路の大小に関わらず把握しておく必要があります。
ゴールや進捗率の共有が不十分
事前の情報共有が不十分なために、ゴールや進捗率に対する理解が部門内で統一されていないケースも見受けられます。業務がスムーズに進行している場合は問題ないのですが、トラブルなどでスケジュールを引き直す際に問題が顕在化する可能性があります。
ゴールや進捗率の基準については、誰が見ても分かるように具体的に設定し、関係者であればいつでも確認できるようにしましょう。
信頼関係が構築できていない
適切に進捗管理を運用するためには、業務上のトラブルを迅速に報告することが求められます。そのために最も必要なのは、業務上でのトラブルを隠すことなく報告できる職場の環境です。
そのような環境の実現のためには、関係者間における信頼関係の構築が重要です。発生したミスやトラブルに対して個人を叱責するのではなく、業務改善の機会ととらえて部門全体で改善に取り組みましょう。そうすることで、信頼関係の構築だけでなく、業務の生産性向上につなげることができます。
進捗管理を成功させる方法
進捗管理は担当者が個人的に実施するものではありません。進捗状況は、管理者や関係者全員が把握しておく必要があります。その前提に基づいて、成功につながるポイントを解説していきます。
進捗管理ツールを使用して現状把握
進捗管理では、こまめな進行状況のアップデートと、関係者全員が確認できる環境の整備が必要です。そのため、進捗管理には一般的にExcelシートもしくは管理ツールが活用されています。
多くの場合、進捗管理にはガントチャートや、トヨタ自動車が発案したカンバン方式が採用されます。業務内容に合わせて使いやすい方式を選択して活用しましょう。
報告会議や連絡の定例化
前述のように、進捗管理には関係者内でのスピーディーな情報共有が欠かせません。しかし、通常の業務に埋もれてしまい、進捗報告やツールの更新作業が後ろ倒しになるケースも少なくありません。
そのような事態を防ぐための方法として、報告会議の定期的な実施や報告の習慣化が挙げられます。その際、業務進捗を図表やグラフを使って視覚化することで、各自の作業工程や進捗率を分かりやすく示しましょう。
一方で、報告の準備に時間をかけすぎると、通常業務に充てられる時間が減ったり、残業時間が増えることにつながり、結果的に業務効率の低下につながる可能性があります。そのような事態を避けるために活用したいのが、RPAと呼ばれる自動化ツールです。RPAを導入することにより、集計からレポート作成に至るフローにおいて人的リソースを割く必要がなくなります。さらに、業務の自動化は人的ミスの削減にも寄与します。
株式会社TMJでは、業務自動化の導入支援サービスである「RPAサービス」を提供しています。
報告しやすい関係を構築
ミスやトラブルが発生したとしても報告が早ければ、作業を立て直して被害を最小限に防ぐことができます。そのために、気兼ねなく報告ができるような人間関係を常日頃から構築する必要があります。
発生したミスやトラブルに対して個人を責めるのではなく、部門全体で早期解決に努め、その後の運用改善に役立てるスタンスが大切です。
進捗管理の成功で業績アップ
進捗管理は納期の遅延を防ぐために有効な手法のひとつであり、納期の順守は企業の信頼度や業績の向上につながります。一方で、適切な運用ができていなければ、思ったような成果が得られない可能性もあります。
TMJの「業務量調査・分析パッケージ」や、「RPAサービス」を活用することで、少ない工数で最適な進捗管理の運用が実現します。お問い合わせは<こちら>。
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