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現場カイゼン


初回投稿日 : 2023/03/17

運営マネジメント規格をバージョンアップ!コンタクトセンターの品質向上につなげる独自の取り組み

TMJスタンダードとなる品質体系マネジメントのひとつに、標準オペレーション活動があります。2018年から本格的な取り組みが始まった、この活動、2022年度に変更が加えられて新プログラムとしてスタートしました。今回は、活動の理解と浸透に邁進する事業推進本部 事業変革部 品質基盤室の佐藤俊哉さんに、変更点や標準オペレーション活動のメリットなどについてインタビューしました。

TMJの標準オペレーションの概要と変更点

 

──標準オペレーションの概要を教えてください。

佐藤さん:TMJの標準オペレーションとは、コンタクトセンター業務を通してTMJのビジョンを実現するために、センター運営の「あるべき姿」を定めたガイドラインです。コンタクトセンターの品質体系マネジメントのひとつとして運用すると共に、クライアントの価値を高め、成長し続けるための持続的な活動でもあります。現場力と改善力でクライアントの求める水準を実現するTMJの強みを活かして、クライアントが求める“あるべき姿”と、持続的成長のための“ありたい姿”とのギャップを認識し、TMJ自らが改善を推進できるように構築されています。

業務における管理プロセスのガイドラインを示した「COPC」をイメージしていただくと理解しやすいかもしれません。「センター運営方針」「業務量予測」「センター運営」など19のプロセスあり、プロセスごとにガイドラインが設定されています。2018年に本格稼働して以来、更新を重ねながら今日に至っています。

COPCとはアメリカにある世界最大規模のコンタクトセンターが定める運営マネジメント規格のこと。

──今回、標準オペレーションが変更されました。具体的にどこが新しくなったのでしょうか。

佐藤さん:大きく4つの変更を加えました。ひとつ目は、セルフチェックの運用を、プロジェクト主導ではなく各センターが主体的に取り組める形に変更しました。ガイドラインは成果物であって、標準オペレーション活動そのものは、それを使ったセルフチェックと改善です。セルフチェックはセンターの活動計画に基づき、実施頻度やタイミングはセンターの任意で行うことを基本としつつも、全社施策として年に1度は必ず行うことを定め、形骸化の防止に努めています。
2つ目は、センターで稼働管理および、周知機能として利用しているツールへの運営品質評価機能の実装です。これまでのExcelでの運用からセルフチェック機能をツール化することで、年1回の全社施策だけでなく、センター独自で随時セルフチェックを行うことができ、自立したセルフチェックの機会が増えるよう環境を整えました。
3つ目は、モニタリング機能の強化です。2021年度にリスクマネジメントの観点から「リスクマネジメント」を管理プロセスに追加しましたが、これをさらに強化するためのガイドラインをQA(品質保証)/QC(品質管理)の管理プロセスに追加しました。リスクマネジメントにつながる、潜在リスクの現場感知のためのガイドラインを改定するとともに、業務とオペレーション品質のリアルモニタリングをより強化することで、クライアントとエンドユーザーに対して担保するものとしました。
4つ目が、「標準オペレーションガイダンス」の作成です。標準オペレーションの理解を深化させるための副読本的な資料として、現場感覚・温度感をエッセンスとしています。ガイドラインのあるべき姿が「なぜ、そのように設定されているのか」「何のためにガイドラインとされているのか」といった本質理解を深めるために各拠点のPM(プロジェクトマネージャー)、LSV(リードスーパーバイザー)が集結して2022年度標準オペレーション活動グループを結成し、ひとつひとつ考えに考え抜いて、丁寧に言語化しました。ガイドラインが遵守されていない場合に想定されるリスクについても、QCD(品質・コスト・納期)の観点で整理し記載しています。

TMJの<知見>と<組織風土>をプロセスに組み込む

 

──標準オペレーションの内容について、TMJならではの特徴はありますか?

佐藤さん:TMJのこれまでの知見が詰まった「TMJ_SOP(標準作業手順書)」と連携している点が特徴です。SOPには、過去の知見、センター運営の手順や考え方などが集約されています。
冒頭でお話しした通り、標準オペレーションには19のプロセスがあるのですが、その中にTMJの組織風土でもある「改善」が設定されている点は、非常にTMJらしいと思います。

最後に、プロセスごとに“あるべき姿”と、実施項目ごとに“あるべき状態のガイドライン”を記載しているのですが、運営品質の再現性を担保するという観点から「計画化している→文書化している→関係者に共有している→ルールに基づいて実施している→見直しを行っている」というようにPDCAを想定したものとなっていることも特徴として挙げられます。

──標準オペレーションを運用することでどのようなメリットがありますか?

佐藤さん:コーポレートアイデンティティーと同様に、センター運営のよりどころとなるガイドラインがあることで、いつでも立ち戻ることができます。セルフチェックはセンターの健康診断とも言えます。毎日血圧を計るように、活用してもらいたいと考えています。
同一の視点で、業務内容を問わず全てのセンターの運営状況を把握できることもメリットと捉えています。これに関連するのですが、標準オペレーションをセンター運営管理者スキルとして習得することで、どのような業務を任されても、どのような立場になっても再現性を持って運営に携わることができます。

標準オペレーション活動で人が育った!

 

──標準オペレーションを運用していく中で見えてきた課題や改善点はありますか?

佐藤さん:ガイドラインをセンターへ実装するには、センター運営の主体者であるSVの理解を深め、セルフチェックや改善活動を行えるようにすることが必要だと認識しました。これまではセルフチェックを含めてLSVを中心に行ってきましたが、2023年度は、よりオペレーターと関わる機会が多いSVにまで範囲を拡大し、標準オペレーションを浸透させていきます。

──新しくなった標準オペレーションに沿って運用していくなかで、見えてきた変化や成果があれば教えてください。

佐藤さん:「標準オペレーションガイダンス」の作成に携わった2022年度標準オペレーション活動グループのメンバーの成長です。非常に大変な作業ではありましたが、PMやLSVの成長にもつながったことは嬉しく思っています。活動グループのメンバーは、今では各拠点でエバンジェリストとして標準オペレーション活動を牽引しています。
品質基盤室では、標準オペレーションの内容をしっかりと理解し、正しい解釈においてセンターの業務を進め、運営品質を高めるために、標準オペレーションの基礎研修SOPプロセス視点の実装研修を設けています。このほか、関連ツールやドキュメントを揃えて活動の理解と浸透に努めています。
これらに加えて、2022年度は、活動グループのメンバーからの発案で、標準オペレーションワークショップを開催しました。自分の業務と照らし合わせると理解しやすくなりますから、内容を実運用に合わせるためにプロセスをルーチンワークに絞って、セルフチェック疑似体験や個人とグループでのワークを取り入れました。
トライアルとして、Basicクラスを大阪と名古屋で開催したほか、初めて標準オペレーション活動に取り組むメンバーに対しては、エントリークラスとして対象センターの業務フローに沿った内容で開催しました。

(▲ワークショップの様子)

──標準オペレーションガイダンスの作成、研修の実施や関連ツールの整備・提供に留まらず、各センターの業務に沿ったワークショップも開催し、とても丁寧な浸透活動を行っているのですね。

佐藤さん:やはり、標準オペレーションを理解していることで、日々のセンター運営の助けになることがあると思うのです。標準オペレーションについて説明すると皆、理解を示してくれます。「こんなにいいモノがあるなら活用しない手はない」と。

──2023年度はどのような取り組みを行っていくのでしょうか。

佐藤さん:事業の成長に合わせて、これからも継続した諸活動が必要と考えています。今後は、大きく3つのテーマ、「認識・理解」「評価・動機づけ」「我が事化・体験」の施策をすすめる計画です。引き続き、ワークショップセミナーを開催していきます。その他にも、TMJスタンダードとしての位置づけと活動を事業統括本部だけでなく他部門へ周知し認知を高めます。一方、社外に対してはTMJの強みである改善とセットしてブランディング価値として訴求していきます。

 

執筆者紹介

ビジネスのデザイン力で、事業の一翼を担うBPOパートナーのTMJ。将来にわたる経営環境に最適なビジネスプロセスを設計し、事業を代替することで、クライアント企業の継続的な事業成長を総合的にサポートしています。

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