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BPOの基礎知識


初回投稿日 : 2021/04/19

コンタクトセンターにおける高齢者への電話対応のポイントとは?

コンタクトセンターにおける高齢者への電話対応のポイントとは

コンタクトセンターには若者から高齢者まで、幅広い年代の方からお問い合わせがあります。その中でも、超高齢社会を迎えた今、最適な高齢者対応も重要となっています。
今回は、コンタクトセンターにおける高齢者対応に着目し、超高齢社会の現状や高齢者対応におけるポイントを解説しながら、高齢者対応を支援するTMJのサービスについてもご紹介します。

超高齢社会の現状

日本では少子高齢化が止まらず、今後さらに超高齢社会に突入していくと予想されています。

高齢化社会を超えた超高齢社会の時代

内閣府が発表している「高齢社会白書」によると、2020年10月時点の総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は28.9%の3,619万人となる推計値が発表されています。

出典高齢社会白書

国連によって定められた基準では、

  • 65歳以上の人口が全体の7%を超えている状態を「高齢化社会」
  • 65歳以上の人口が全体の21%を超えている状態を「超高齢社会」

と定義づけされており、高齢化率が28.9%の日本では高齢化社会を超えて超高齢社会の時代を迎えています。

1950年時点では65歳以上の人口は総人口のわずか4.9%を占めていた中で、高齢化が深刻化している現状があります。

一人暮らしをする高齢者が増加傾向

出典高齢社会白書

また、同調査によると65歳以上で一人暮らしをしている割合も増加傾向にあります。2020年には高齢者人口の中の19.4%の702万人が一人暮らしをしていると推定されます。

そして、家族に頼らずにコンタクトセンターに問い合わせをしてくる高齢者も今後さらに増えることも予想されます。

高齢者対応におけるポイント

高齢者対応において年を重ねることで変化があるという高齢者ならではの傾向を理解した上で対応することが大切です。ここでは、コンタクトセンターの電話対応におけるポイントについて解説します。

加齢性難聴への配慮

一つ目のポイントとして、高齢者が聞き取りやすい話し方を意識することがあります。

たとえば電話でのお問い合わせ対応時には、加齢性難聴の特徴をふまえた対応をすることでお客様満足度を高められる可能性があります。聴力は20代がピークだといわれ、その後は徐々に機能が衰えていきます。

加齢性難聴は加齢が原因の難聴で、

  • 高音部が聞き取りにくくなる
  • 人の話し声の聞き分けが難しくなる
  • 早口だと聞き取りづらくなる

などの特徴があります。

そのために電話の音声が聞き取りづらく、内容を聞き間違えてしまうなどの状況が起きやすくなるのです。

高齢者対応においては落ち着いた声のトーンを意識しながら、単語をはっきり区切って話し、早口になりすぎないように聞き取りやすさを意識することが重要です。

理解が進みやすい会話の運び方

二つ目のポイントとして、高齢者の理解が進みやすい会話の運び方を意識することがあります。

加齢による変化として、認知や記憶の部分にも高齢者の場合は変化があります。たとえば、もの忘れが進んでしまうことでスムーズに会話が進まなくなることも珍しくありません。専門用語や難しい言葉では整理がしづらく、内容を理解するまでに時間がかかるケースもあります。

高齢者対応時には、結果としてお客様の聞き返す数が増えたり、同じ話を繰り返してしまったりという状況が起きやすくなります。そして、内容が伝わりづらいことで会話が長くなりがちです。必要以上に会話が長くなると顧客満足度の低下にもつながりやすくなります。また、一人のお客様にかける時間が長くなると他のお客様への対応ができず、応答率が低下する懸念もあります。コンタクトセンターにおいて生産性は重要な指標となっており、生産性とお客様満足度の両立は重要なテーマとなります。

<関連記事>SLA(サービス・レベル・アグリーメント)とは?
コールセンターにおける評価指標も解説

高齢者対応時には、専門用語は控えて言葉を言い換えたり、話を要約してわかりやすくまとめたりすることでお客様の理解が進む可能性があります。お客様の伝えたいことをスムーズに引き出すために、こちらから質問を投げかけるのも一案です。

最適なコンタクトチャネルの設置

高齢者の特徴に合わせた最適なコンタクトチャネルの設置が三つ目のポイントとなります。

MMD研究所では60歳~79歳のシニア層1万人を対象に行った「シニアのコロナ禍におけるスマホ利用について」の調査結果を発表しました。

本調査では、シニア層におけるモバイル端末の所有率が92.9%を占めており、その中でも77%はスマートフォンを所有しており、スマホ利用が進んでいる現状が垣間見られました。

※フィーチャーフォン:スマートフォンの一世代前の端末。
※ガラホ:スマートフォンと従来のフィーチャーフォンの中間に位置する端末。

お問い合わせチャネルには電話だけでなく、メール、FAQページ、チャットボットなどさまざまな種類があり、デジタルチャネルへのシフトも加速しています。

一方で高齢者は視力が低下し、小さい文字が見えづらい傾向があります。そのため、スマートフォンの普及が進んでも、スマートフォンの小さい画面でメールやチャットボットで問い合わせをしたり、FAQページを読んだりすることが難しく、活用が限定的になる可能性が高いことが想定されます。

そのため、慣れ親しんでいる電話によるお問い合わせや視認性が高い問い合わせ手法が好まれることが想定されます。

コンタクトチャネルが多様化する一方で、高齢者に合ったコンタクトチャネルを設置することがポイントです。電話によるチャネルだけでなく、視認性も意識したチャネルを設置することでお客様の満足度も高められる可能性があるのです。

高齢者対応を支援するTMJのサービス

株式会社TMJでは、コンタクトセンターにおけるお客様応対実績を活かし、高齢者対応を支援するサービスを提供しています。

高齢者応対トレーニングツール「ジェロトーク」

「ジェロトーク」は、高齢者のお客様の聞こえ方が体感できる高齢者応対トレーニングを目的とした音声シミュレーションツールです。

オペレーターは自分の声が高齢者のお客様にどのように聞こえているのか体験することができるので、お客様が聞き取りやすい話し方へと改善することができます。スムーズな会話を実現することでお客様満足度の向上が期待できます。サービスの詳細は、<こちら>。

高齢者対応向け研修

人材育成・研修サービスのひとつとして、TMJのコンタクトセンターでのオペレーター研修プログラムにも取り入れている高齢者対応研修を提供しています。

TMJは2011年に東京大学の産学ネットワーク「ジェロントロジー(老年学)」に参画し、研究を通して蓄積したノウハウや研究成果から高齢者対応に特化した研修プログラムとなっています。

高齢者との円滑なコミュニケーション高齢者応対スキルをテーマとしており、eラーニングでも受講することができます。高齢者応対トレーニングツール「ジェロトーク」と組み合わせることで、より効果的に高齢者対応に必要なスキルを習得することができます。

映像サポート「みえサポ」

「みえサポ」は、スマホの映像と通話を組み合わせた映像サポートサービスです。

電話でのお問い合わせにおいて、従来の声だけを頼りにしたサポートとは異なり、お客様のスマートフォンで映し出された映像をオペレーターも見ながらサポートできるシステムです。

お客様が口頭で説明する手間を省きながら、映像で視覚的にわかりやすく案内することができます。サービスの詳細は、<こちら>。

「みえサポ」サービス紹介動画

高齢者に寄り添ったお客様対応を

超高齢社会に突入し、お客様満足度と生産性の両立を実現する上で、高齢者に寄り添ったお客様対応が重要になります。

株式会社TMJでは、高齢者対応を支援する研修やツールをはじめ、お客様対応時にご活用いただける映像サポート「みえサポ」など幅広いサービスを提供しています。高齢者対応の強化をご検討の際は、ぜひご相談ください!お問い合わせは、<こちら>。

Mobilish

執筆者紹介

ビジネスのデザイン力で、事業の一翼を担うBPOパートナーのTMJ。将来にわたる経営環境に最適なビジネスプロセスを設計し、事業を代替することで、クライアント企業の継続的な事業成長を総合的にサポートしています。

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