BPOの基礎知識
電子カルテとは、患者の診療内容や診察内容などのあらゆる情報を電子化して管理できるシステムです。さまざまな導入メリットがあり、病院や診療所での導入が進んでいます。しかし、まだ十分に普及しているとはいえません。この記事では、電子カルテの普及が進まない主な理由とその解決方法を紹介していきます。
電子カルテの普及率

電子カルテの普及率は完全に停滞しているわけではなく、少しずつ伸びている状況です。厚生労働省がまとめた「電子カルテシステム等の普及状況の推移」を見ると、一般病院において平成20年は14.2%、平成23年は21.9%、平成26年は34.2%、平成29年は46.7%、令和2年は57.2%と、導入率が上がっていることが分かります。
しかし、電子カルテを導入しないという選択をする病院や診療所も、数多く存在することは確かです。特に比較的規模の小さい医療機関については導入率が低く、200床未満の診療所の令和2年度の電子カルテ導入率は48.8%にとどまっています。それでは、導入しない選択をする、もしくは導入を躊躇させている要因はどこにあるのでしょうか。
電子カルテを導入しない理由

電子カルテの導入にはいくつかのメリットがありますが、主に以下の4つが挙げられます。
- 情報が一元化され情報管理がしやすくなる
- 手作業が削減や一部作業の自動化により業務効率化につながる
- カルテの記入ミスや入力ミスを低減できる
- データによる管理が可能になるため紙カルテの保管スペースが不要になる
これらのメリットがありながら、なぜ導入に積極的になれない病院・クリニックがあるのか、その理由を解説します。
1.コストがかかるから
電子カルテにかかるコストは、導入費用だけではありません。初期投資以外に、毎月のランニングコストも必要になってきます。そのために、導入を躊躇する医療機関は多いでしょう。
その一方で、導入すれば紙のカルテにかかっていたコストが削減されるというメリットもあります。電子カルテになれば、用紙を買い足したり保管したりするコストがかからなくなります。特に、保管場所が悩ましい問題になっているなら、電子カルテを導入することで解決が可能です。
2.使い慣れた紙カルテが手放せないから
電子カルテを導入するとなると、操作や運用の方法を新たに習得する必要があります。パソコンやタブレットの操作に不慣れな方がいる場合は導入に前向きになってもらえないこともあるでしょう。
また、事務職の場合、医療会計システムと電子カルテの両方を覚える必要が出てくるなど、負担が大きくなりがちです。このように、電子カルテを導入しても操作を覚えることがハードルになり、使い慣れた紙のカルテを手放せないというケースは少なくありません。
電子カルテ普及に必要な取り組み
電子カルテの普及には、前述した課題をクリアする必要があります。ここでは、電子カルテの普及を促進させるための主な取り組みを紹介します。

1.導入補助金の活用を案内
「IT導入補助金」のように、電子カルテの導入については補助金を活用することもできます。コスト面で導入を迷っている医療機関に電子カルテを勧めるには、紙のカルテでは得られないメリットと併せて補助金について案内することも有効です。
2.導入時のサポート体制の構築
サポート体制を構築しておくことで、導入の不安を軽減して前向きに検討してもらえるようになります。さらに、誰もがシステムを操作できる環境を整えることで、混乱することなくスムーズに電子カルテへの切り替えを行うことができます。医師はもちろん、スタッフ全員にわかるようにレクチャーできる体制を整えておく必要があります。具体的には操作マニュアルの作成や、講師の手配、問い合わせ窓口の準備などです。
早期にサービスの利便性を実感してもらうことで、継続利用してもらえる確率が大幅に向上します。
3.問い合わせ窓口の拡充
電子カルテはシステムである以上、不具合が発生することもあるでしょう。その際の問い合わせ窓口は用意しておく必要があります。
問い合わせ窓口では、ソフト面とハード面の両ケースへの対応が求められます。例えば、パソコンのOSをアップデートすることで互換性に影響するといった問題も出てくるでしょう。プリンタで書類が印刷できないなど、周辺機器のトラブルの対応も求められます。どのような問い合わせにもスムーズに回答できるよう、専門知識を持った人材の配置が必要です。
電子カルテ導入の後押し
株式会社TMJでは、専門知識を持つ人材による「電子カルテカスタマーサポート」を提供しています。本サービスは、専門人材をアサインし、運用ノウハウを活用した業務設計を行うことで、ユーザーにとって利便性の高いサポートが行えます。また、小規模な導入も可能で、ご依頼の内容に応じて承ります。これにより、ユーザーは安心して電子カルテを利用することができ、企業はリスクと導入コストを抑えることが可能です。
安心して導入してもらうためにできること
電子カルテの普及率は年々上がっているものの、それでもまだ導入を迷う医療機関は少なくありません。メリットが多い電子カルテですが、利用者側にとっては導入を躊躇する理由があることもたしかです。
株式会社TMJが提供する「電子カルテカスタマーサポート」を活用いただくことで、最小限のコストと工数でサポート体制を構築することが可能です。ご相談、お問い合わせは<こちら>。
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