menu
アセット 3
JP / EN
アセット 3 CLOSE

専門家コラム


初回投稿日 : 2023/08/21

ChatGPT Plusの可能性|プラグインによる機能拡張や発展的な生成AI活用事例

ChatGPT Plusについて

現在、さまざまな分野で話題となっているOpenAI社の生成AI「ChatGPT」ですが、有償版の「ChatGPT Plus」も提供されています。無償版にはないメリットを有するChatGPT Plusの特長や発展的なChatGPTの活用事例について、株式会社エーアイスクエアの稲月様に解説していただきました。

ChatGPT Plusとは

ChatGPT Plusは2023年2月11日から日本でも利用できるようになった有償版のChatGPTで、利用料金は月額20ドル(2023年7月26日時点で2,820円)です。

ChatGPT Plusでは無償版と同じくGPT3.5での回答生成に加えて、GPT4を利用した回答生成も可能なほか、いくつかの機能がβ機能として先行提供されます。

2023年7月26日時点で提供されたβ機能は以下の通りです。

  • ブラウジング機能
  • プラグイン機能
  • Code interpreter機能

ただし、ブラウジング機能については、有料ウェブサイトを閲覧できてしまう不具合があり、2023年7月4日より提供停止となっています。

ChatGPT Plusのプラグイン機能

ChatGPT PluginStore
ChatGPTプラグインとは、ChatGPTの機能を拡張する追加モジュールです。2023年7月26日現在、700個超のプラグインが公開されています。

ChatGPT Plusのユーザーは、プラグインストアから役に立ちそうなプラグインをインストールできます。インストール後、プラグイン利用モードでチャットを行うとChatGPTがインストールされたプラグインを利用して回答を行います。

ただし、プラグインはOpenAI社ではなく、さまざまな企業が開発・公開しているのでトラブルが発生した際には開発者への確認が必要となりますのでご注意ください。

以下にいくつか有用なプラグインを紹介します。

食べログのChatGPT Plusプラグイン

食べログと連携したプラグイン。エリア、カテゴリなどを指定するとおすすめの飲食店を回答してくれます。ChatGPT (tabelog)02

Expediaの ChatGPT Plusプラグイン

旅行サイト「Expedia」と連携したプラグイン。日程や場所、人数などを入力するとExpedia内のデータベースを活用して最適なホテルやフライト情報、現地でのおすすめ観光場所と費用などを回答してくれます。ChatGPT (expedia)

ChatGPT Plusプラグイン「WebPilot」

WebPilotはURLを元に回答をしてくれるプラグインです。ブラウジング機能は提供停止となっていますが、こちらは利用可能です

Webページ以外にもPDFなどもURLがアクセスできるものであれば何でも確認可能です。
ChatGPT (Webpilot)

ChatGPT Plusプラグイン「Zapier」

こちらはZapierというRPAサービスと連携するプラグインです。

ChatGPT上に指示をするとZapierのワークフローを自動作成します。
ChatGPT (Zapier)
Zapier

Code interpreter機能とは

Code interpreter機能は2023年7月上旬に公開された新β機能です。シンプルに説明をするとChatGPT内でPythonを実行できる機能となります。

無償版でもチャットで指示するとPythonのコードを生成することはできましたが、Code interpreter機能ではコードの生成だけでなく、実行してその結果を回答することができるようになります。

またファイルのアップロードも可能になったため、CSV、PDF、Excelなどをアップロードして分析することが可能です。分析結果は文章もしくは画像で出力します。

一例として、弊社チャットボットのログEXCELファイルを分析した結果は以下となりました。
Code_Interpreter

日本語のフォントが正しく表示されない、フィードバック「いいえ」自体の件数も出力してしまった結果となりましたが、それ以外は件数も正確にグラフ化してくれました。

また、フォントが正しく表示できなかった日本語部分については自動的にテキストで補足するコードを生成し、回答してくれています。

出力結果としては棒グラフ以外にも、各種グラフや表、ヒートマップでの出力なども可能で、プロンプトによってはより複雑な作業を実行することも可能です。

下記では音声ファイルを分析して周波数成分を解析しています。
CodeInterpreter_フーリエ

コールセンター領域でのChatGPT利用サービス

ここまで紹介したChatGPT Plusで提供されているサービスはすべてチャットUIを利用したものであり、個人向けのサービスとなります。

では、実際にビジネスシーンでChatGPTはどう利用されているのでしょうか。

ここでは弊社の得意分野であるコールセンター領域に絞っていくつかのサービスを紹介します。

通話内容要約システム「QuickSummary2.0」

コールセンターでの通話後すぐに通話内容を所定の形式で要約するため、オペレータの後処理作業を大幅削減することが可能です。

QS2.0

前処理で個人情報を排除することでセキュアにChatGPTを利用できます。

またお客様ごとの履歴管理システムのフォーマットに合わせた要約文作成が可能です。

弊社・エーアイスクエアが提供するシステムになります。

FAQ作成支援システム「FAQFinder」

こちらも弊社・エーアイスクエアが提供するシステムです。コールセンターに蓄積された通話データから、実際に必要なFAQを洗い出します。

FAQFinderフロー02

一定期間の通話データをアップロードすると、期間中に出てきた質問と回答をすべて抽出し、類似するものをクラスタリング、既存FAQの有無を突合して、追加優先度順に質問を一覧化します。

また抽出した質問文をもとにChatGPTを利用してFAQ文案の作成まで行います。

CRMシステム「SalesForce」

セールスフォース社はサービス内で利用できるAIとして「Einstein GPT」を発表しています。Einstein GPTは自社開発AIエンジンとChatGPTを連携したサービスです。

具体的には、SalesForceに入力されている顧客情報を元に、パーソナライズされたEメールの作成、有人チャットの回答生成、広告コンテンツの生成などが行えるようです。
SalesForce

まとめ

ChatGPTの公開はAI業界だけでなく、一般の生活者でも関心を持つほどの大きなインパクトをもたらしました。

その結果としてChatGPTの活用方法についての探求はかつてないスピード感で進んでおり、ChatGPTを組み込んだサービスが個人向け/ビジネス向けのいずれでも提供され始めています。

特にコールセンター領域では従前からテキストの利活用についての課題感が大きかったため、ChatGPTのもたらす効果も大きいと考えています。

弊社では本記事で紹介したQuickSummary2.0、FAQFinderをはじめとしたChatGPT連携サービスを開発しています。お客様の業務に合わせた開発なども可能ですので、業務の効率化にお悩みの際はぜひご相談ください。

キーワード

執筆者紹介

稲月 綜 氏
株式会社エーアイスクエア 営業部 マネージャー
テーマ:AI、機械学習、ディープラーニング
2016年富士通株式会社入社。自治体、メディアなどを担当し、ITサービスの企画営業に従事。2019年にエーアイスクエアに参画。現在は各種AIシステムの企画・提案やAI導入に向けた業務コンサルティングなどに従事。コンタクトセンターにおけるサービス・ソリューションの研究・検討において株式会社TMJと協働している。

関連するサービス

資料ダウンロード

TMJが豊富な経験と最新技術を駆使して得た、業務の効率化やスキル向上に役立つ実践的なノウハウや知識を、無料でご提供します。

to-top
totop