専門家コラム
現在、さまざまな分野で話題となっているOpenAI社の生成AI「ChatGPT」ですが、有償版の「ChatGPT Plus」も提供されています。無償版にはないメリットを有するChatGPT Plusの特長や発展的なChatGPTの活用事例について、株式会社エーアイスクエアの稲月様に解説していただきました。
ChatGPT Plusとは
ChatGPT Plusは2023年2月11日から日本でも利用できるようになった有償版のChatGPTで、利用料金は月額20ドル(2023年7月26日時点で2,820円)です。
ChatGPT Plusでは無償版と同じくGPT3.5での回答生成に加えて、GPT4を利用した回答生成も可能なほか、いくつかの機能がβ機能として先行提供されます。
2023年7月26日時点で提供されたβ機能は以下の通りです。
- ブラウジング機能
- プラグイン機能
- Code interpreter機能
ただし、ブラウジング機能については、有料ウェブサイトを閲覧できてしまう不具合があり、2023年7月4日より提供停止となっています。
ChatGPT Plusのプラグイン機能
ChatGPTプラグインとは、ChatGPTの機能を拡張する追加モジュールです。2023年7月26日現在、700個超のプラグインが公開されています。
ChatGPT Plusのユーザーは、プラグインストアから役に立ちそうなプラグインをインストールできます。インストール後、プラグイン利用モードでチャットを行うとChatGPTがインストールされたプラグインを利用して回答を行います。
ただし、プラグインはOpenAI社ではなく、さまざまな企業が開発・公開しているのでトラブルが発生した際には開発者への確認が必要となりますのでご注意ください。
以下にいくつか有用なプラグインを紹介します。
食べログのChatGPT Plusプラグイン
食べログと連携したプラグイン。エリア、カテゴリなどを指定するとおすすめの飲食店を回答してくれます。
Expediaの ChatGPT Plusプラグイン
旅行サイト「Expedia」と連携したプラグイン。日程や場所、人数などを入力するとExpedia内のデータベースを活用して最適なホテルやフライト情報、現地でのおすすめ観光場所と費用などを回答してくれます。
ChatGPT Plusプラグイン「WebPilot」
WebPilotはURLを元に回答をしてくれるプラグインです。ブラウジング機能は提供停止となっていますが、こちらは利用可能です
Webページ以外にもPDFなどもURLがアクセスできるものであれば何でも確認可能です。
ChatGPT Plusプラグイン「Zapier」
こちらはZapierというRPAサービスと連携するプラグインです。
ChatGPT上に指示をするとZapierのワークフローを自動作成します。
Code interpreter機能とは
Code interpreter機能は2023年7月上旬に公開された新β機能です。シンプルに説明をするとChatGPT内でPythonを実行できる機能となります。
無償版でもチャットで指示するとPythonのコードを生成することはできましたが、Code interpreter機能ではコードの生成だけでなく、実行してその結果を回答することができるようになります。
またファイルのアップロードも可能になったため、CSV、PDF、Excelなどをアップロードして分析することが可能です。分析結果は文章もしくは画像で出力します。
一例として、弊社チャットボットのログEXCELファイルを分析した結果は以下となりました。
日本語のフォントが正しく表示されない、フィードバック「いいえ」自体の件数も出力してしまった結果となりましたが、それ以外は件数も正確にグラフ化してくれました。
また、フォントが正しく表示できなかった日本語部分については自動的にテキストで補足するコードを生成し、回答してくれています。
出力結果としては棒グラフ以外にも、各種グラフや表、ヒートマップでの出力なども可能で、プロンプトによってはより複雑な作業を実行することも可能です。
下記では音声ファイルを分析して周波数成分を解析しています。
コールセンター領域でのChatGPT利用サービス
ここまで紹介したChatGPT Plusで提供されているサービスはすべてチャットUIを利用したものであり、個人向けのサービスとなります。
では、実際にビジネスシーンでChatGPTはどう利用されているのでしょうか。
ここでは弊社の得意分野であるコールセンター領域に絞っていくつかのサービスを紹介します。
通話内容要約システム「QuickSummary2.0」
コールセンターでの通話後すぐに通話内容を所定の形式で要約するため、オペレータの後処理作業を大幅削減することが可能です。
前処理で個人情報を排除することでセキュアにChatGPTを利用できます。
またお客様ごとの履歴管理システムのフォーマットに合わせた要約文作成が可能です。
弊社・エーアイスクエアが提供するシステムになります。
FAQ作成支援システム「FAQFinder」
こちらも弊社・エーアイスクエアが提供するシステムです。コールセンターに蓄積された通話データから、実際に必要なFAQを洗い出します。
一定期間の通話データをアップロードすると、期間中に出てきた質問と回答をすべて抽出し、類似するものをクラスタリング、既存FAQの有無を突合して、追加優先度順に質問を一覧化します。
また抽出した質問文をもとにChatGPTを利用してFAQ文案の作成まで行います。
CRMシステム「SalesForce」
セールスフォース社はサービス内で利用できるAIとして「Einstein GPT」を発表しています。Einstein GPTは自社開発AIエンジンとChatGPTを連携したサービスです。
具体的には、SalesForceに入力されている顧客情報を元に、パーソナライズされたEメールの作成、有人チャットの回答生成、広告コンテンツの生成などが行えるようです。
まとめ
ChatGPTの公開はAI業界だけでなく、一般の生活者でも関心を持つほどの大きなインパクトをもたらしました。
その結果としてChatGPTの活用方法についての探求はかつてないスピード感で進んでおり、ChatGPTを組み込んだサービスが個人向け/ビジネス向けのいずれでも提供され始めています。
特にコールセンター領域では従前からテキストの利活用についての課題感が大きかったため、ChatGPTのもたらす効果も大きいと考えています。
弊社では本記事で紹介したQuickSummary2.0、FAQFinderをはじめとしたChatGPT連携サービスを開発しています。お客様の業務に合わせた開発なども可能ですので、業務の効率化にお悩みの際はぜひご相談ください。
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