専門家コラム
OpenAI社開発の生成AI「ChatGPT」の登場により、コールセンターでもさまざまな業務の効率化が図られるようになりました。しかし、実際にChatGPTを使っていると「期待した回答が返ってこない」「条件や指示の仕方が難しい」と感じることも多いのではないでしょうか。本記事では、コールセンター業務でChatGPTを活用するためのプロンプト作成方法を解説します。また、今すぐ活用できる「コールセンター業務向けプロンプト集」をご紹介します。
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求める回答を得るためのプロンプト作成のコツ
ChatGPTは大量のパラメータを学習しており、チューニングなしで高精度な回答を行いますが、その解答内容は質問・指示の出し方によって大きく異なります。
そのためChatGPTに思い通りの回答をさせるためには最適なプロンプトを見つける必要があります。
ここではよい結果を出すプロンプトを書くコツを紹介します。
「VAWCIF」を意識したプロンプト作成
2023年2月に開催された世界最大のマーケター向けカンファレンス「PUBCON」にて、主催のBrett Tabke氏が「AIによって我々の仕事は奪われていくのか」というセッションを行いました。
その中で氏はAIによって仕事が奪われるのではなく、AIを使いこなす人によって奪われていくのだと主張し、ChatGPTを使いこなすコツを紹介しました。
それが「VAWCIF」です。
Voice | : 誰としての発言か |
Audience | : 誰向けの内容か |
Writing Style | : 口調 |
Context | : 文脈や前提条件 |
Instructions | : 明確な指示 |
Format | : 出力形式 |
ChatGPTを利用する際にはこのVAWCIFを意識してプロンプトを作成すると意図した回答を得られる確率が高まります。
プロンプト作成のフレームワーク「深津式プロンプト」
深津式プロンプトはnote株式会社のCXO深津貴之氏が開発したフレームワークです。
こちらのフレームワークはVAWCIFを満たしたプロンプトのフレームワークになっており、こちらに則ることで効率的かつ精度高くよいプロンプトを作成することができます。
#命令書: あなたは、{text}です。 以下の制約条件と入力文をもとに、 最高の結果を出力してください。 #制約条件: ・文字数は{text} ・{text} #入力文: {text} |
コールセンター業務で活用できるChatGPTプロンプト集
コールセンターで利用できるプロンプトは具体的にどのようなものでしょうか。ここではコールセンター業務のさまざまなシーンで活用できるプロンプト例をご紹介します。
1. 応対履歴の要約(箇条書き)
#命令書: あなたは、コールセンターのオペレーターです。 応対履歴を残すため、入力文を箇条書きで要約してください。 入力文は音声認識データです。 #制約条件: ・文字数は{text}以内 ・箇条書きで列挙 ・文章を簡潔に #入力文: {text} |
2. 対話からのQ&A抽出
#命令書: あなたは、コールセンターのオペレーターです。 入力文のなかから質問と回答のペアを抽出してください。 入力文は音声認識データです。 #制約条件: ・質問と回答をセットで抽出 ・文章を簡潔に #入力文: {text} |
3. コール分類
#命令書: あなたは、コールセンターのオペレーターです。 入力文の内容をもとにラベルを付与してください。 入力文は音声認識データです。 #制約条件: ・ラベル候補:「苦情」「解約」「申込」「問合せ」 #入力文: {text} |
4. チャットボットの学習データ作成
#命令書: 入力文の内容についてFAQから検索する際の質問文を5つ作成してください。 #制約条件: ・自然文で ・質問文は簡潔に #入力文: {text} |
ChatGPTを使いこなして業務を効率化しよう
ChatGPTの公開以降、その驚くべき精度からさまざまな活用方法が考えられています。また、2023年10月4日に開催された「Softbank World」にて孫正義氏も「ChatGPTを使ってない人は『人生を悔い改めた方がいい』」とまで発しています。
Brett Tabke氏が主張していたように、ChatGPTはうまく利用するとさまざまな業務を効率化することができますが、あくまでツールですので、AIをうまく使いこなすことが重要です。質の高いプロンプトを作成できることはAI活用の第一歩となるかもしれません。
株式会社エーアイスクエアは、TMJと一緒にAI活用を通じた企業の業務効率化に取り組んでいます。AI活用のご相談はお気軽にお問合せください。
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