このように設定したペルソナがFAQサイトを訪れた場合にとるであろう行動を想定し、それぞれに合った導線をFAQサイト上に構築しました。
①子供のために初めて製品を購入した保護者
基本的な製品知識が少なく、何が分からないか分からない状態。よって、「初期設定でつまずきそうなポイント」をまとめた入口(導線)を設置し、知識不足でもキーワード検索をしなくて済むように設計。
問診のような分岐型FAQを使い、クリックだけで必要なFAQにアクセスできるように工夫した。
また、ユーザーである子供とその保護者が一緒にFAQサイトを見るようなシーンをイメージし、導線の入口は平易な表現やイラストを使うなど、最初の一歩を直感的で分かりやすいものにした。
②日常から製品を使い込んでいる情報リテラシーの高いベテランユーザー
ベテランユーザーは、情報検索力そのものは高いが、タッチタイピングで検索キーワードを入力するために意外と「変換ミス・入力ミス」が多い。また、知識・経験が豊富であるが故に略語の使用も多い。それが0件ヒットにつながり、「使えないサイト」と思われがち。よって、「高度な使い方をする場合に問題が発生しやすいポイント」をまとめた入口(導線)を設置。ベテランユーザーにとっては煩わしく感じるような初心者向けの情報を見ることなく、最短距離で必要なFAQにアクセスできるようにした。
ここで共通するのは、従来のFAQ改善手法のように「検索しやすさ」を高めることではなく、「検索させない」、つまり検索しなくてもよい状態を作ったことです。FAQサイト運用の立場やFAQシステムの機能といった面からいったん離れ、お客様の目線に立ったからこそ出てきたアイデアといえます。