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業務改善ノート Business Improvement Note

豊富な顧客応対実績から生まれたコミュニケーションのノウハウや
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目的化した「顧客満足度/NPS」調査から脱却する

初回投稿日 : 2016/01/18
最終更新日 : 2019/04/01

目次

  1. 顧客の声(VOC)を生かすフロー設計について
  2. ケース1「調査を実施していない」
  3. ケース2「調査は実施しているが、改善活動には至っていない」
    1. (1)コンタクトセンター主管部門が管轄していないケース
    2. (2)コンタクトセンター主管部門が管轄しているケース

顧客の声(VOC)を生かすフロー設計について

顧客満足度調査やNPSなど顧客視点の調査を全社的に実施しているとしても、特定の業務領域に関して調査が行き届いていないケースは少なくありません。または、しっかりと調査を実施していても、具体的な改善活動に至っていないケースも散見されます。

今回はこれらのケースを2件取りあげ、目的化した調査を一度見直して顧客の声を活かすための改善活動のPDCAサイクルを確立するアプローチをそれぞれ解説します。

※NPS(ネットプロモータースコア):顧客ロイヤルティを測るための指標のひとつ。製品/サービスなどを知人に薦める可能性について質問し0から10までの11段階で回答される指標のこと

ケース1「調査を実施していない」

業務領域で調査を実施していないケースについては、小規模でもよいので顧客からの評価をまずは得てみる必要があると考えます。なぜなら、どのような施策でもそれを実施する根拠/仮説がないと社内コンセンサスがとり難いからです。また、たとえ施策を実施することができたとしても、後になって“そもそも何でこの施策をしているのか?”など手戻りの原因になりかねないからです。

小規模な調査からスタートして、その後「(小規模すぎて)本当にお客さまの声を反映しているのか?」「サンプルの代表性があるのか?」というような声が挙がるようなことがあれば、調査の必要性が認知され改善PDCAがまわりはじめた兆しと言えるでしょう。大規模に実施するための予算獲得もしやすくなるはずです。

ケース2「調査は実施しているが、改善活動には至っていない」

さて、このケースで多いのは、調査だけが定期的に実施されていて、その間に何の改善活動もされていないというものです。場合によっては、社内のあっちでもこっちでも調査やVOC収集活動が走っていて何が優先されるべきかが明確でないことも少なくないようです。

そしてこのようなケースはさらに、調査やVOC収集活動を(1)コンタクトセンター主管部門が管轄していないケース(2)管轄しているケースに大別されます。それぞれどのように取り組めばよいか、その手順を解説します。

(1)コンタクトセンター主管部門が管轄していないケース

【ステップ1】調査設計を把握する
まずは、この調査結果を「誰を対象に何を調べているのか?」「社内でどのように活用されているのか?」などつぶさに見ます。

【ステップ2】調査結果から課題を抽出する
調査結果から見えてくる課題を抽出し、コンタクトセンター主管部門だからこそ導くことができる要因や解決策を挙げます。

【ステップ3】調査の主管部門と共同で改善サイクルを構築する
思い当たった要因や解決策を整理し(この時点では定性的でよいと思います)、調査の主管部門に提示、小さくても改善しやすいところから改善サイクルを回しはじめます。

ここまでくれば、深掘り調査の実施やより構造的な改善活動へと加速していくことが可能になるでしょう。

(2)コンタクトセンター主管部門が管轄しているケース

このケースで改善活動に結びつけられていないのは、“改善すべき課題の優先順位づけ”と“その改善活動が収益の向上にどのように貢献できるか”を経営や他部門に対して説明できていないことが要因として挙げられます。

i)優先順位づけの方法
顧客満足度調査にしても、NPSにしても、調査自体は、一番聞きたい項目(総合満足度、継続利用/購入意向、他者推奨意向等)とそれに影響を与えると思われるサブ項目という構成になっていると思います。サブ項目が一番聞きたい項目にどの程度影響を与えているか?は統計的に測定することが可能ですので、それを実施することで改善すべき項目の優先順位づけができます。

ii)改善活動の収益への貢献
まず、顧客満足やNPSの向上が実際の収益にインパクトするまでには時間差があるということを認識する必要があると思います。お客さまとの接点や接触頻度を考えると活動に対する効果が出るまでに数か月~数年要するケースもあるからです。日本国内で最大級と言われている「日本版顧客満足度指数(JCSI)」も顧客満足度指数の経年傾向と収益の関係が、調査結果が発表されてから5、6年経過した近年になってようやく検証できてきています。

この認識をした上で、改めて収益への貢献をどのように検証していくのか?の方法を説明したいと思います。これはとてもシンプルで、満足度やNPSが高かった人/低かった人の行動(利用や購入)を個人レベルで確認することです。顧客データを検証するためには他部門に協力を要請しなければならない場合もあり面倒かもしれませんが、先に説明した“優先順位づけ”のロジックをベースに社内コンセンサスを徐々に形成していくことができると思います。

さて、大きくは2つのケースに分けて、目的化してしまった「顧客満足度/NPS」調査を活かすアプローチを解説してきました。コンタクトセンターには、具体的な改善活動の“ネタ”が豊富にあることは間違いないはずです。全社的な改善PDCAをコンタクトセンター主導で進めていければと強く思います。

執筆者紹介

川野 克俊

マーケティング推進本部 カスタマーサクセス推進PJ
テーマ:顧客評価、顧客育成、CX、カスタマーサクセス、VOC
顧客満足度(CS)調査や各種調査・分析を通して、顧客期待と行動を可視化、顧客接点における施策の企画・実践を提供する部隊を率いる。徹底した顧客目線とVOCの活用により「あるべき姿」を導くアプローチには定評があり、クライアント社内のプロジェクトにも深く関与。カスタマーエクスペリエンスの構築・実践、共創マーケティングなど新しいカタチの顧客接点づくりにも取り組んでいる。
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