ところで、最近別のところでもよく「NPS」を目にする。マス媒体を中心として消費者にメッセージを伝える仕事をしてきた方々の著書である。世の中に発信される情報量が天文学的に膨張してしまったので、これまでのようなやり方では顧客を獲得・維持することが出来なくなってきているという危機感を彼らは強く持っている。その危機に対して彼らは、一部の優良顧客やファンをベースにコミュニケーションすることで顧客基盤の強化と活性化をしていくことを提唱している。その一部の優良顧客やファンを探す手段としてNPSが登場するのである。
言い換えれば、顧客との接点をNPSに求めているということになる。このようなアプローチをわざわざしなければならないことに比べ、顧客との接点が毎日相当数発生している電話チャネルを保有している我々はむしろ恵まれているようにも感じる。以前、弊社のセミナーに青山学院大学の小野譲司先生にご登壇頂いた時に電話チャネルのことを「Customer Initiated Contact Channel」とおっしゃっていたのを改めて思い出す。顧客が能動的にコンタクトしてくるチャネルなのだから上手く活かしなさい、と。