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BPOの基礎知識


BPO
初回投稿日 : 2020/08/05

BPOとは?特徴から導入のメリット・ポイントまでやさしく解説

BPO

業務の効率化は企業にとって大きな課題です。そんな中、解決策として「BPO」が注目されています。今回はBPOとは何か、BPOの特徴や導入のメリット・デメリット、BPO企業を選定する上でのポイントまでやさしくご紹介します。

BPOの定義とアウトソーシングの違い

BPOは「Business Process Outsourcing」の略称で、アウトソーシングの一種です。
「Broadcasting Ethics & Program Improvement Organization」の略称とする「放送倫理・番組向上機構」も存在しますが、今回は自社ビジネスをアウトソーシングする「BPO」に着目しました。

アウトソーシングとは、外部に自社で行っているサービスや業務を委託することを指します。業務領域としては、事務作業や倉庫管理など特定の作業に限定し、マニュアルがあれば任せられる業務が、アウトソーシングに向いており、人手不足を補うための一時的な委託が多いです。
一方、BPOでは、労働力の代替だけでなく、企業の課題解決や事業戦略に関わる基幹業務も期待される継続的な委託が多いです。

このように、BPOとアウトソーシングは、「対応業務の範囲と期間」において、異なるものといえるでしょう。

拡大傾向にあるBPO市場

参照元:株式会社矢野経済研究所

株式会社矢野経済研究所の市場調査によると、日本におけるBPO市場規模は拡大傾向にあり、2018年度は前年比の3.0%増の4兆2,110億円となり、2023年には4兆6,807億円にまで拡大すると予測されています。本記事では、非IT系BPOを中心に解説していきます。

BPO導入のメリット

ここでは、BPOを導入するメリットについて説明します。

コア業務への集中

BPOを導入することで、社員はコア業務に集中することができます。
コア業務とは、企業の利益に直結するコアとなるメイン業務のことを指します。人手が少ない企業のなかには、社員がコア業務に集中しにくいという場合が多いようです。社員数が少ない企業では、社員がコア業務に加えてそれ以外のノンコア業務も担うことがあります。そこで、BPO企業にノンコア業務を委託することで、社員はコア業務に集中でき、コア業務の質を高めることができます

また、BPO企業は、専門的な知識とスキルをもとに業務を遂行するため、社内で全業務を実施していたときよりも、時間とコストを削減でき、クオリティの高さも期待できるでしょう。

顧客満足度の向上

BPOを導入することで、顧客満足度が向上するというメリットも挙げられます。顧客満足度は、企業の利益を生み出すために重要な指標といえます。

たとえば、問い合わせ対応を受け付けるコールセンターの業務をBPO企業に依頼したとします。商品やサービスに問題があった場合に、顧客はコールセンターに問い合わせます。顧客との距離が近い業務のため、丁寧で親切な対応がされれば企業へも良いイメージをもっていただける可能性が高まります。また、問い合わせへの対応人数を増やすことで、顧客の待ち時間をも短くでき、顧客のストレスを軽減することで顧客満足度の向上にもつながります。

もちろん、商品やサービス自体のクオリティも、顧客満足度向上のためには重要です。その前提がある上で、顧客対応をBPO企業に依頼することで、顧客接点の部分でもさらに顧客満足度を高めることができます。

人件費の変動費化

BPOを導入することで、従来は固定費としてかかっていたノンコア業務部分の人件費を変動費化することが可能です。一部の人件費が、固定費から変動費へ変わることで固定費の削減にもつながり、より柔軟な経営が可能となります。経費の中でも大きな割合を占める人件費のコスト削減は、BPO導入のメリットとなります。

BPO導入のデメリット

BPOにはデメリットもあります。ここでは、デメリットを説明します。

外注コストがかかる

BPOを導入する場合、外注するためのコストが発生します。財務状況が厳しければ、導入自体が難しいかもしれません。また、予算がある場合にも有効に使うために、企業が抱えている問題を整理し、BPOで効果が見込める業務を精査する必要があります

たとえば、お客様からの問い合わせ対応に追われ、本業に充てる時間が削られる現場では、コールセンター系の外部委託が向いています。

外注コストがかかるとはいえ、BPOを導入することで、企業全体を見るとコスト削減できる可能性があることも事実です。BPO企業は専門的な知識とスキルが充実しており、割安な価格で外注できる場合もあります。これまでの経費と外注コストを比較し、BPO企業に依頼するメリットがあるかしっかり比較検討することがポイントとなります。

社内ナレッジが蓄積しづらい

BPOを導入する場合、「社内ナレッジ」が蓄積しづらいこともデメリットとして考えられます。ナレッジとは、企業にとって有益な知識や情報などを指します。ノウハウやスキル、アイディアが生み出される源となり、業務効率化や生産性向上につながる企業にとっても重要な資産です。企業は、外部やライバル企業に秘密を洩らさないように、ナレッジの管理を徹底しています。

特に、起業したばかりの状態でのBPO活用は慎重になったほうが良い場合があるでしょう。将来的なことを考えると、企業をサポートするノンコア業務のナレッジがないことが弱点となるためです。ノンコア業務で得た経験は、視野を広くもつきっかけにもなり、ビジネスチャンスが隠れている可能性もあるのです。

また、BPO企業にコンサルティングなど経営に直接影響の与える業務を任せていた場合にも、注意が必要です。専門的な知識やスキルをもつBPO企業であるために、業務が任せっきりとなり、コーポレートガバナンスの弱体化が懸念されることがあります。

そこで、BPO企業に業務を丸投げするのではなく、コミュニケーションを定期的に取りながらパートナーとして付き合っていくことがポイントとなります。BPO企業に蓄積されるナレッジを自社にも共有される関係作りをすることで、社内ナレッジも自社にも蓄積することが可能となります。

BPO導入時のステップとポイント

BPOを導入する際のステップをポイントもまじえて説明します。

業務内容の選定

業務内容を選定する際には、まず業務の棚卸しを行うことをお勧めします。大分類・中分類・小分類と業務を分類することで、選定が進めやすくなります。また、管理者層だけでなく、現場社員にもヒアリングを行うことで、業務の取りこぼしを防ぐことができます。

業務の棚卸し後、現在行っている業務を、「業務ボリューム」と「スキルの難易度」の2軸で分けます。「業務ボリューム」は、1回の業務あたりにかかる時間と頻度をかけあわせることで作業時間を数値化します。「スキルの難易度」は、3段階で専門性・経験・権限を必要とする難易度の高い業務・ノンコア業務・ノンコア業務にも難易度の高い業務にも属さない業務のいずれかに分類します。

このなかで、費用対効果を考慮するとBPO導入に最適なのは業務ボリュームが大きく、スキルの難易度が低いもしくはノンコア業務スキルに関するものです。これらの業務は、BPO企業の専門性が活用できる可能性が高く、依頼するメリットがあるといえます。

ある程度候補をピックアップしたら、現状確認を行い、BPOを導入する効果が高そうな業務を絞り込みます。現場に向かう前に、どういったコア業務に関する分野か、残業時間はどの程度か、人員はどれくらいかなどの情報を得ておき、現場のイメージを固めておきましょう。また、社員への質問内容も事前に準備することで、効率よく確認することができます。このように、業務を分類したのちに現状確認を行い、BPO依頼する業務を絞り込みましょう。

スコープの調整

スコープの調整とは、BPOを導入する業務範囲の調整を指します。スコープの範囲は大きくわけて3つあり、現状確認の結果をもとに、範囲を決めましょう。

1つめの範囲は、「単体の作業」です。荷物の受発送、名刺管理、年末調整など非常に多くのジャンルが挙げられます。作業単体で依頼する場合は、詳細なマニュアルがなくても、依頼内容を伝えやすいというメリットがあります。

2つめの範囲は「業務」です。BPO企業には、経理・人事・総務などのバックオフィス業務をまるごと任せることができます。また、BPO企業ごとに得意な業務分野があるので、マッチしたBPO企業を選べば、効率化やコスト削減効果が大いに見込めるでしょう。

3つめの範囲は、「組織」です。最も大きなスコープとなるため、依頼する際は十分な検討が必要です。業務を組織単位で委託することで、これまでその業務を担ってきた社員への対応や再配置も含めて検討する必要があります。また、社内ナレッジが蓄積しづらいのではといった不安も挙げられます。特に、将来的にサービスとして提供したい業務については、BPOを避けた方が良い場合もあります。

セキュリティの体制確認

BPO企業のセキュリティ体制も確認が必要です。ひとたびBPO企業と契約すると、顧客情報や社内ナレッジを共有することが多いです。どれほど仕事のクオリティが高くても、セキュリティ体制が甘いBPO企業との契約は避ける必要があります。社内ナレッジや顧客情報が漏洩すると、企業の利益損失になるばかりか、顧客が危険にさらされる危険性もあるためです。そして、企業のブランドイメージが悪化することで企業の存続にも影響を与える可能性もあるのです。

このような事態が起きるのを防ぐために、BPO企業を決める際は、相手のセキュリティ体制や企業モラルを確認する必要があります。情報セキュリティへの取り組みとしてISMS認証、個人情報保護の取り組みとしてはプライバシーマークを取得しているかがポイントとなります。

また、契約書の内容を詳細まで確認することも大切です。許可なく下請けに情報を渡してはならないといった文言や違反した場合のペナルティなどを明記するなどの、自衛策も重要です。

BPO企業選定のポイント

BPO企業を選定する際のポイントを説明します。価格、専門性、実績などを比較することで、業務内容にマッチする内容で契約できる可能性が高まります。

価格

「価格」はBPO企業を選定する上で、非常に重要なポイントです。企業の利益を見込んでBPOを依頼するのに、コストがかさんで赤字になってしまっては、本末転倒です。1社に絞らず、複数社から見積もりを取りましょう。同じサービスでも、企業の体制によって価格は異なります。

また、同じBPO企業に複数の業務内容を依頼する際も、それぞれのサービスごとに価格を確認しましょう。BPO企業には得意分野があり、一つのサービスが割安だからといって、他のサービスもそうだとは限りません。業務ごとに異なる企業に委託したほうが、費用対効果が良い場合もあります。さらに、見積もりを取る前には、依頼内容を詳細に決めておきましょう。作業量・作業頻度・納期・品質レベルなどでサービスの価格は変わります

また、イレギュラーの事態も想定しておく必要があります。たとえば、想定外のトラブルで、BPO企業に時間外の対応をお願いすることもあります。イレギュラー時の対応内容や追加料金も事前に確認しておくことが重要です。また、価格だけでなく、専門性や実績、セキュリティ、企業との相性なども比較する必要があります。相場よりも安い価格を提示された場合は、なぜそのような価格設定が可能なのか、理由を確認しておきましょう。たとえば、可能な限り人件費を削っており、業務量などによっては納期遅れの懸念がある企業もあります。ほかにも、セキュリティ体制にお金をかけておらず、情報漏洩が不安といった問題が見つかるかもしれません。サービスの内容と価格のバランスを見て、納得できるBPO企業に業務を委託しましょう。

専門性

BPO企業を選ぶ際は、「専門性」も重要なポイントです。IT・会計・法律など、人材育成に時間とコストがかかるジャンルに関して、専門のBPO企業もあります。規模が大きく有名なBPO企業でも、依頼したい業務内容とマッチするとは限りません。一方、小規模で知名度が低くても、専門分野に特化し、十分な実績を上げている企業もります。

依頼内容を詳細に決め、専門性がマッチするBPO企業を選ぶことが重要です。たとえば、経理業務の中には、給与計算、帳簿付け、買掛金・売掛金の管理、決算書の作成、監査法人への対応など、あらゆるサービスが挙げられます。なかには、専門性を問う以前に、そもそも、その業務はサービス外という場合もあるでしょう。依頼内容と対応サービスを確認し、求めている専門性とマッチするBPO企業に業務を委託しましょう。

実績

「対応実績」もBPO企業選びで重要なポイントとなります。BPO企業のサイトには、数多くの業務が「対応可能」と紹介されているかと思います。しかし、実際は十分な実績が積めていない業務が含まれている場合もあります。また、確かに業務を請け負った経験があったとしても、どのくらいの仕事量・納期・クオリティであったかが不明瞭な場合も多々あります。実績と一緒に成果も確認しましょう。

サイト構築やパンフレット作成などを依頼する場合は、サンプルを見せてもらうと、イメージをつかみやすくなります。しかし、経理や人事などのバックオフィス業務で現物判断できない業務もあります。そのような場合は、企業規模や見積もりをお願いした際のスムーズさも含め、実績を推測することも必要です。

依頼する企業側としても、どのくらいの量をどのくらいの間隔で依頼するか、見積もり時に詳しく伝えるよう努めましょう。なお、ベンチャー企業など事業拡大中中の企業であれば、しだいに依頼する業務量が増えることも予想されます。それも想定して伝えておくと、実績面でのミスマッチを防げると考えられます。十分な実績があり、安心してまかせられる企業に業務を委託しましょう。

パートナーとしての関係性

BPO企業がどんなスタンスでクライアント企業と向き合うのか、「関係性」も重要なポイントといえます。社内業務をアウトソースするというBPOビジネスの仕組み上、BPO企業に依頼した業務がどんな手順で対応されているのかブラックボックス化し、見えづらくなりやすいという面があります。そこで、ただクライアント企業の言われた業務をただ「代行」するのではなく、パートナーとして改善提案も行いながら業務を「代替」できる存在として信頼できるかは重要なポイントといえます。

企業価値を高めるBPO

BPOを導入することで、社員と顧客の両者にメリットがあると考えられ、企業価値を高めることができます。BPO企業にはそれぞれ得意分野があるので、求めているサービスにマッチする企業選びが重要です。

株式会社TMJでは、コールセンターをはじめ業務改善につながるサービスを幅広く提供しております。クライアント企業の悩みに合わせたご提案が可能となりますので、BPO導入ご検討の際は、お気軽にご相談ください!詳しくは、<こちら>。

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執筆者紹介

業務改善ノート編集部

ビジネスのデザイン力で、事業の一翼を担うBPOパートナーのTMJ。将来にわたる経営環境に最適なビジネスプロセスを設計し、事業を代替することで、クライアント企業の継続的な事業成長を総合的にサポートしています。
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