BPOの最前線コラム

「ターゲティング型アウトバウンドケア」
~ 顧客コミュニケーションの一つの形 ~

2016.06.14

  • コスト削減
  • 顧客獲得

今回は当部門のメンバーである『高橋』からコラムをお届けします。
高橋は単なる“分析屋”に留まらず、マーケティングの実践経験に裏付けされたセンスを兼ね備えています。これまでに、企業内にあるデータの資産化、具体的には“活用できる形にする/仕組みにする”ことの実績に定評があります。新規顧客の獲得効率が低下し続けている今日にあって、既存顧客の活性をどのように実現するか、今回はコミュニケーションのひとつの形としてのアウトバウンドのあり方についてご紹介します。

「ターゲティング型アウトバウンドケア」とは

お客様にアプローチする手段としてのアウトバウンド。コスト面でみると決して効率的な方法ではありません。
一方で、直接顧客に言葉や想いを伝えられ、しかもそれに対する反応が得られるという点において、電話は対面に次ぐ優位性を持っています。その有効な活用方法の一つは、「ターゲティング型アウトバウンドケア」だと考えています。つまり、特定の人・限られた人に対し、直接的・短期的にセールスを行うのではなく、継続的な利用や購買を促進しライフタイムバリュー(Life time value:顧客生涯価値)を最大化するためのアウトバウンドを行うということです。簡単なようですが、これを実現するためには二つの壁を乗り越える必要があります。1つ目は“誰をターゲットにすればよいか”、2つ目は“何をどのように伝えればよいか”です。

ターゲティングに必要なデータ収集

“誰をターゲットにすればよいか”。それは、効率的に成果を生み出せる顧客リストを抽出することです。
かつては、「30代の女性」などと性別や年代を使ってセグメントすることが一般的でした。
顧客の価値観多様化が進む現在は、購買履歴やアンケート、WEBサイトのアクセスログ、メルマガ開封率など、顧客の行動系・心理系データをできる限り活用するのが、成功への近道となります。

しかしながら、性別・年代・会員登録日などの基本的な顧客属性はともかく、前述のような多様なデータを収集するのはハードルが高いかもしれません。コールセンター部門だけでなく、マーケティングやシステム部門の方々とも連携する必要があるでしょう。私が現在携わっている案件においても、マーケティング担当者にご協力いただき、BIシステム(全社データベース)からこれらの情報を引き出して活用しています。

ただ、データが利用(取得)できない場合でも、簡単にあきらめてしまうのは勿体ないと思います。利用できるデータが少ないのならばセンターで収集・蓄積するという考え方に立つことも重要です。例えば、3コール完了のアウトバウンドで過去三回連続で未コンタクトのまま終了とか、前回の電話でこちらの話をよく聞いてくださった、あるいは問答無用でガチャ切りされたなど、これらをきちんとデータ化することで、後から判別できるようにするだけでもずいぶん違います。

「伝える」から「対話をする」へ

“何をどのように伝えればよいか”、情報を「伝える」という考え方から「対話をする」という考え方に立つことがアウトバウンド”ケア”の特徴と言えます。最近実際に行った良い事例で、定期的な商品購入の離脱を防止する施策があります。離脱をする傾向にある顧客を分析し、その方にコンタクトを取ります。そして、商品の感想やお困り事、抱かれていた不満を聞き出し、話の流れで使い方のアイデア・工夫や、商品にまつわるエピソードなどを添えます。ここでは、あまり形式張らずに、SNSに投稿するくらいの気軽さで臨むことが肝要です。「○○のような使い方をされている方もいらっしゃるようですよ」といった具合にです。

単にコールスクリプトに沿って進めればよい業務と比べると、難しいかもしれません。しかし、コールセンターには、商品知識が豊富で、実際に商品を使っていて、好感・愛着を持っている人が一定数以上いると思います。そのオペレータが体験した商品価値と前述のような顧客データがうまく組み合わされば、単に情報を伝えるだけではない、自然な対話で顧客満足度を高めていくアウトバウンドケアの成立です。

今だからこそ電話チャネルの特性を活かす

目的に応じてターゲットを絞り、能動的にコミュニケーションを図ることが、ターゲティング型アウトバウンドケアです。この人間的な応対が今後ますます重要になってくると私は感じています。オペレータの大半が人工知能に置き換わるのは、もはや遠い将来のことではありません。同時に“人間が”応対すること自体が付加価値となる時代がもうすぐやってきます。電話で応対することの価値とは何か、今一度考えてみませんか。ターゲティング型アウトバウンドケアを上手く活用していくことで、顧客活性~顧客満足につながるものと信じています。

最後に、当社ではデータの整理・調査・分析・戦略策定など、顧客活性を支援するサービスを多数取り揃えています。もし本稿にご興味・ご関心がおありでしたら、高橋(tatakahashi@tmj.jp)までご連絡をお願いします。どのような支援ができるか個別に相談に乗らせていただきます。安心して気軽にお問い合わせください。

川野 克俊

事業基盤本部 事業企画部 商品・事業企画室 室長

顧客満足度(CS)調査や各種調査・分析を通して、顧客期待と行動を可視化、顧客接点における施策の企画・実践を提供する部隊を率いる。徹底した顧客目線とVOCの活用により「あるべき姿」を導くアプローチには定評があり、クライアント社内のプロジェクトにも深く関与。カスタマーエクスペリエンスの構築・実践、共創マーケティングなど新しいカタチの顧客接点づくりにも取り組んでいる。 筆者へのご意見・ご質問は kkawano@tmj.jp まで。

無料のお問い合わせ、お見積り、資料請求はこちらから

WEBでのお問い合わせ

お電話でのお問い合わせ
0120-777-5009:00 ~ 18:00 土日祝日除く