私たちは、結果としての顧客行動データを定量的かつ大量に保有しています。WEBのアクセスデータ、コンタクトセンターのコンタクト履歴、購買/利用履歴などがそれに当たります。
しかし、なぜそのような行動に至ったのか、そのベースとなる顧客の価値観や考えにはなかなか触れることができないのが実情です。大量の行動データを基に顧客の次の行動が予測できたとしても、そこでどのような対話をすれば、そのトリガーを引くことができるのか分からないのではないでしょうか。その文脈を埋めてくれる可能性があるのが、MROC(Marketing Research Online Community)だと考えています。
MROCはインターネット上のオンラインコミュニティーにモニターを集めて実施する消費者行動把握のための調査手法です。特定のテーマに興味のある人を集めて自然な会話の場を提供し、コミュニティの中で生まれた会話内容や、アンケートなどの定量調査を組み合わせて深堀し、顧客のインサイト(深層欲求)の発見や商品開発などに活用します。
MROCは、商品やサービス開発のツールとして活用されることが多いのですが、どのような対話が顧客のどのような行動を誘発するのかというダイナミクスを解明する、あるいは試す場として(大規模なオペレーションとして展開する前のトライアルなど)、コンタクトセンターでも大いに活用できると考えています。