BPOの基礎知識
トークスクリプトを正しく活用することで、担当者の経験値によるサービスレベルの差がなくなったり、研修時間の短縮ができたりと、さまざまな効果があります。この記事ではトークスクリプトの意味や作り方、効果的な使い方について解説します。
トークスクリプトとは
トークスクリプトとは、コンタクトセンターや営業部門の担当者が顧客対応する際の話の内容や流れをまとめた台本のことです。効果的な会話の内容や順序を落とし込んだ台本を活用することで、売上や顧客満足度の向上、対応時間の短縮などにつなげることができます。
コンタクトセンターにおけるトークスクリプトの導入メリット
コンタクトセンターでトークスクリプトを導入することで、応対品質の平準化や研修時間の短縮が実現します。
品質の平準化や底上げにつながる
トークスクリプトを導入することにより、オペレーターのスキルや知識の差による応対品質のブレをなくすことができます。
トークスクリプトを活用することで、顧客への伝え漏れを防ぐことができ、オペレーターの言葉遣いも統一できるため、経験値に関わらずすべてのオペレーターが理想的な顧客対応を実現することができます。顧客対応のレベルが底上げされることで顧客満足度が向上し、アポ獲得数や売上の向上などさまざまなプラスの効果が期待できます。
研修時間を短縮できる
トークスクリプトがあれば、応対の際に見本にして会話を進めることができるため、研修時間の短縮にもつながります。さらに、トークスクリプトをブラッシュアップすることで、顧客対応自体のブラッシュアップにつながります。トークスクリプトと自身の経験を照らし合わせることで、改善点や問題点を洗い出すことができます。
コンタクトセンターにおけるトークスクリプトの作り方
株式会社TMJが運営するコンタクトセンターにおける基本的なトークスクリプトの作り方をステップで解説します。
①業務シナリオを書く
顧客のペルソナを設定し、どのような問い合わせをしてくるのか想定します。そこから、それらの問い合わせに対してどのように対応するのか決定しましょう。言い回しや言葉使いの正確さにはこだわる必要はありません。業務シナリオを書くことで、問い合わせ内容を想定することができ、事前に対応方法を準備しておくことができます。
②トークフローの構成を決定する
おおまかなトークの流れ、いわゆるトークフローの骨格を決めていきましょう。全体の流れと構成をボックスと矢印を使って表現します。ボックスの中にはトークの内容を文語体で簡単に記載します。
トークの内容を決定する際、トークフローの構成の基本である「オープニング」「メイントーク」「クロージング」に必要な要素を参照します。
オープニング:挨拶、名乗り、本人確認、要件の復唱
メイントーク:確認すべき内容、伝えるべき内容、分岐する可能性の洗い出しとその対応
クロージング:不明点の確認、終わりの挨拶、名乗り
③口語体へ置換する
作成したトークフローに記載したトークの内容をそれぞれ口語体へ置き換えます。その際、下記5点に留意しましょう。
- 正しい敬語、正しい日本語を活用
- オペレーター、顧客、会社などの立場を考慮
- 伝達、確認すべき内容を1つのボックス内に簡潔にまとめる
- 聞き取りにくい単語を使わない
- 曖昧さが残る表現にしない
④作成したスクリプトを検証する
トークスクリプトが完成したら、実際に使用する前に自己チェックで見直しと検証を行います。ポイントとしては下記3点です。
全体の流れや表現、オペレーターの使いやすさを確認
- オペレーターにとって分かりやすく、見やすいレイアウトになっているか
- ポイントを強調するなどメリハリのある表現になっているか
- 全体のボリュームは多すぎないか
- 誤字脱字はないか
業務フロー、シナリオを活用してトークの内容を確認
- スクリプトは要点を押さえられているか
- 伝えるべきことや確認すべきことが網羅されているか
- 想定される分岐は網羅されているか
実際に声に出して検証
- 全体としてのバランスがとれていて流れが自然か
- 聞き取りにくい言葉や表現はないか
以上のポイントで自己検証を行い、ブラッシュアップしていきます。
株式会社TMJには、コンタクトセンターにおけるトークスクリプト作成や人材育成、ルール整備などのノウハウが多く蓄積されています。「カスタマーケア」では、それらのノウハウをフル活用した品質の高いサービスを提供しております。問い合わせ窓口やフォローコールなどのコールセンター業務でお悩みの方や、委託先を検討している方はお気軽にご相談ください。
トークスクリプト運用の注意点!更新作業は必須
一度完成させたからといって、トークスクリプトはそのまま使い続けられるわけではありません。繰り返し更新してブラッシュアップする必要があります。
特にトークスクリプトを作成した直後は、何度もロープレを行い、不自然な流れになっていないか、聞き取りにくい言葉はないかなどをチェックし、随時修正します。実際にトークスクリプトを使うようになってからは、ロープレによる確認に加え、オペレーターの声や顧客の反応などを反映させるなどをして繰り返し更新を行います。
更新作業を怠ると、「使われないスクリプト」になりかねません。ブラッシュアップするための情報収集は意識的に行いましょう。
トークスクリプトの活用で顧客満足度向上
トークスクリプトは顧客との受け答えの際に用いられる、円滑な会話のための台本です。導入して有効活用することで、トークの品質を高めることができます。TMJではAIによる自動分類とテキストマイニングを組み合わせた「AI-VOC分析サービス」、顧客からの問い合わせ対応をサポートする「カスタマーケア」などのサービスを提供しています。こうしたサービスの利用により、コールセンター業務を円滑化できるでしょう。お問い合わせは<こちら>。
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