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BPOの基礎知識


初回投稿日 : 2022/11/08

【業務マニュアルの作り方】作成のコツやポイント、代行サービスを紹介!

生産性向上やサービス品質の安定に役立つ手法として、規模の大小に関わらず多くの企業で導入されているのが業務マニュアルです。本記事ではマニュアルの定義や導入するメリット、作成時のポイントやコツについて紹介します。

マニュアルとは

ここでは、マニュアルの定義と、混同されがちな「手順書」との違いを解説します。

マニュアルの定義

マニュアルとは、業務を遂行する際にどのような手順で行い、何に注意すべきか、必要な情報をまとめたドキュメントのことを指します。マニュアルに記載する内容は企業や業務によっても異なりますが、基本的には全体の業務フローやゴール、具体的な業務手順や注意事項、前提条件や必要な知識などの項目です。

マニュアルを作成する主な目的は、業務を標準化することで業務の効率化を図り、品質を一定の水準まで引き上げること、また保つことです。

手順書との違い

手順書はその名の通り、手順を具体的に説明したもので、品質の均一化が目的です。マニュアルと手順書では、内容・範囲・情報量が異なります。下記、それぞれの特徴を比較した表です。

業務マニュアルを作るメリット

業務マニュアルを作成することで、企業にとってさまざまなメリットがあります。具体的にどのようなメリットを享受できるのか、詳しく見ていきましょう。

属人化した業務が減る

マニュアルには業務の詳しい手順や注意点などを記載することが一般的です。これらの内容を従業員に理解してもらうことで、属人化した業務を減らせるというメリットがあります。属人化とは、特定の業務の進め方や進捗状況などを担当者しか把握していないことをいいます。属人化した作業は担当者が欠勤したり退職したりした際に問題が表面化するため、注意しなければなりません。マニュアルを作成することで業務が標準化され、「その人にしかできない作業」を効果的に減らせます。

教育・引継ぎの工数が減る

新入社員に一から仕事を教えるには、それなりの時間や労力がかかります。特に、教育担当者が通常業務との兼任となる場合、どうしても負担が大きくなりがちです。マニュアルを作成しておけば、担当者の負担を大幅に減らすことができます。新入社員にまずマニュアルを渡し、内容を理解してもらうことで、一から十まですべての仕事を教えなくても済むようになるのです。

また、マニュアルベースであれば、担当者ごとの教育方針に差が生じませんそれぞれの考え方や教え方のクセなどの偏りがなくなり、全員が同じ認識で教育を受けることができます。

業務の見直しができる

マニュアル作成の過程で、無駄な作業や重複した工程に気づくこともあり、業務の見直しにつながります。現場の声や作業内容の変更などがあった場合は随時マニュアルを更新していくことで、業務効率の改善につなげられます。

人件費が削減できる

マニュアルは社内の従業員に向けたものだけではなく、お客様に対して作成するものもあります。自社商品やサービスを購入したお客様が何らかの疑問を持った際、企業に問い合わせることになります。この場合、電話やメールなどの顧客対応にあたる人員が必要になり、問い合わせ件数が多ければ多いほど、人件費がかさんでしまいます。

そこで、商品やサービスについてのマニュアルを用意してお客様に提供することで、問い合わせ件数の削減につなげることが可能です。

業務マニュアル作成の手順

いくら時間をかけても、作成手順を間違えてしまうと「粒度・鮮度・分かりやすさ・網羅性」に問題のある業務マニュアルになってしまう可能性があります。ここでは、TMJが取り入れている業務標準化のノウハウを活用したマニュアル作成の手順を紹介します。

①対象業務の設定

最初に、業務マニュアルの範囲を設定します。具体的には、「対象者」「実施タイミング」「業務内容」で範囲を決めます。このとき、むやみに範囲を広げ過ぎると調査や資料化に膨大な時間とリソースをかけることになるため注意が必要です。

複数の業務マニュアルを作成する場合は、重要な業務から優先的に完成させる計画を立てましょう。

②現状把握

次に従業員へのアンケートやインタビューを行い、業務を「工数」「頻度」「難易度」などの指標に基づいて定量化します。調査の対象を管理者だけでなく担当者まで広げることで、精度の高い現状把握が可能になります。

③問題の洗い出し

業務が定量化されたところで、業務負荷の分析や属人的な業務の分析を行います。特定の従業員に業務負荷が偏っていないのか、そもそも業務量が多すぎないかなどを見極め、業務範囲を明確にします。

④業務フローの設計

人による作成のばらつきや抜け漏れを防ぐためにフローチャートなどを用いて、業務工程を設計します。その際、業務の担当者・業務内容・業務を始める基準を明確にします。

(▲フローチャートのサンプル)

また、業務のムリ・ムダ・ムラは排除することを意識して設計を進めます。

  • ムリな業務:業務負荷が高く、業務時間内に終わらせることができない業務。増員やアウトソーシングの検討が推奨される
  • ムダな業務:廃止できる業務や重複している業務。業務統合によって負担を低減できる
  • ムラのある業務:担当者によって品質の変わる業務。マニュアル作成によって業務効率化につなげやすい

TMJでは、担当者単位まで現状把握を行い改善計画の提案を行う業務量調査・分析パッケージを提供しております。

また、同じ手順を繰り返し行う業務については、自動化ツールを導入することで人的リソースの削減が可能です。TMJが提供する自動化ツールの導入支援サービスRPAサービスは、PCを使ったデータ収集や移行の作業の他、同じ動作・手順の繰り返し作業などの削減に役立ちます。自動化ツールを導入することで、人的なミスが防がれるため、品質の向上につながります。

⑤ 資料の作成

最後に、①~④で整理した情報を資料に落とし込んでいきます。次の章で、マニュアルを作成する際のポイントとコツを解説します。

マニュアル作成におけるポイントとコツ

マニュアルは誰にでも読みやすく、理解しやすい内容を意識することが大切です。ここでは、マニュアル作成の際にどのような点に注意すればいいのか、作る際のポイントを見ていきましょう。

デザインや文章の形式を揃える

デザインや文章の形式を揃えることで、知りたい情報が見つけやすく分かりやすいマニュアルに仕上がります。なお、デザインや形式の整ったマニュアルを作成するためにはテンプレートを使うことがおすすめです。テンプレートはデザインや文章の形式がすでに揃っているため、簡単に体裁を整えられます。

さらに、マニュアルは文章だけではなく、イラストや図を使用することがポイントです。文章ばかりのマニュアルは読み手の理解が進まない可能性が高まります。要点ごとに図やイラストを用いて、分かりやすい説明を心がけましょう。

目次と見出しを分かりやすくする

マニュアルでは「わかりやすい目次と見出しを設定する」こともポイントとなります。目次や見出しがないと、どこに何が書かれているのか分かりません。マニュアルは困ったときの解決策を提示するという役割を持つからこそ、速やかに必要な情報を探し出せる構成にする必要があります。

目次は目的別に設定するようにしましょう。また、目次や見出しには適切なタイトルやキーワードをつけるよう意識します。一目で分かるようなキーワードを用いることで、必要な情報を速やかに探し出せるマニュアルに仕上がります。

分かりやすく読みやすいよう整える

意識すべきポイントは大きく分けて4つあります。

【箇条書きを用いる】

箇条書きで伝えたい内容を短くまとめることで、読み手の理解度を高められます。

【小見出しで区切る】

ただ情報が羅列されているだけでは、そのときに必要な情報を探しにくくなります。伝えたい内容をそれぞれ小見出しで区切り、読み手に負担がかからないようにしましょう。

【重要な箇所のフォントを強調する】

すべて同じ文章だと、注意点や重要性が伝わりにくくなります。その結果、業務ミスを招くおそれがあるため注意が必要です。注意喚起を促すため、間違えやすい箇所や重要な部分はフォントを強調すると良いでしょう。文字の大きさや色を変えるなど、視覚的にアピールすることが重要です。

【誤字脱字に気を付ける】

誤字脱字があると信頼性の低下を招きます。マニュアル作成における基本ではありますが、文章の見直しを徹底しましょう。

運用方法を統一する

マニュアルは運用方法や更新ルールを統一することが重要です。運用方法を決めておかないと、社内に複数のマニュアルが散在する事態になりかねません。それぞれのマニュアルの内容が統一されていない場合、現場が混乱する原因となるため注意しましょう。マニュアルが勝手に更新されないよう、あらかじめ担当者と更新ルールを決めておくとトラブルが避けられます。

また、適切なマニュアル運用においては、定期的な更新作業も必要です。業務の内容に変更が生じた際には、併せてマニュアルの更新も行いましょう。

作成や管理が難しい場合はアウトソーシングする

マニュアルの作成や更新にはノウハウはもちろん、作成時の作業工数や人件費がかかります。マニュアル作成のリソース確保が難しい場合や、専門家の視点で業務整理をしてほしいなどの場合は、アウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。

TMJでは、マニュアルの作成や管理に関する業務支援を行っており、専門家の視点で様々なご提案ができます。課題やお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。ご相談・お問い合わせはこちら

「導入事例」大手損害保険会社

とある企業では、マニュアルの型がなく、整備や更新作業が属人化している状態でした。そのため、更新に時間がかかったり、更新されないまま放置されたりしていることがあり、誰にでも分かるマニュアル運用を定める必要がありました。

そこで、TMJからはマニュアルの統一フォーマットの提供、マニュアルの作成支援・メンテンナスを実施しました。

(▲管理・更新サイクル)

その結果、ブラックボックス化していた業務がマニュアルとして整備され、業務の可視化が実現されました。さらに、新人向けのマニュアルを作成することで、育成にかかる負荷が軽減し、業務効率化につながりました。

≪導入事例≫損害保険の契約事務マニュアルの標準化、専門知識不要の手順書と定期更新サイクルを実現

マニュアルの作成で業務改善

マニュアル作成には、ノウハウや人的リソースが必要です。品質の高いマニュアルを最低限のリソースで作成したいという場合は、アウトソーシングをご検討してみてはいかがでしょうか。TMJでは、現状把握から改善計画の提案を行う業務量調査・分析パッケージや、マニュアル作成や業務改善活動まで一気通貫で支援するBPOデザインなどのサービスを提供しております。業務マニュアルの作成についてのご相談やお問い合わせは<こちら>

執筆者紹介

ビジネスのデザイン力で、事業の一翼を担うBPOパートナーのTMJ。将来にわたる経営環境に最適なビジネスプロセスを設計し、事業を代替することで、クライアント企業の継続的な事業成長を総合的にサポートしています。

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